【真剣!野良仕事】[135=お米の話(13)]

2010.9.28(火)
神田収穫祭に出現した「かざし」

 9月24日(金)に、以下のようなmail。

 暑さは彼岸まで、寒さは彼岸から
 さて、激しい気候でなにかと取り込みの中、突然のご案内で恐縮ですが、明日25日(土)12時より、ビオトープ公園の10坪神田(「かんだ」ではなく「しんでん」と読みます)の収穫祭を執り行ないます。お祭りはにぎやかがいいですね、にぎわしてください。
 吉本さま、高橋さま、小関さま、阿部さま、金子さま、秋山さま、猪股さま、鷹島さまは春のお田植えに続きまして、稲刈りをお願いします。神事ですので、代替がききません。よろしくお願い申し上げます。長谷川さんにお願いです。秋山さんへの伝言、お願いします。畑田 空海山。


 「畑田 空海山」とは、何を隠そう飯島幸三郎さんの雅号で、ご本人は相当深々と気に入っている様子。

 収穫祭かあ。なるほど、いい思いつきなり!佳き企画なり!
 ところで、わが10坪の神田にて収穫祭を行なう前に、世間様ではどのような段取りで収穫祭を執り行なわれているのか、チェックだけはしておこう。畏れ多くも天皇家や伊勢神宮では収穫祭を「新嘗祭」と呼んでいたはず。

 まずはその新嘗祭を『広辞苑』で調べてみよう。

 広辞苑には、以下のように説明しています。
 天皇が新穀を天神地祇にすすめ、また、親しくこれを食す祭儀。

『ウィキペディア』では、新嘗祭を以下のように説明しています。
 新嘗祭(にいなめのまつり、にいなめさい、しんじょうさい)とは、11月23日に、天皇が五穀の新穀を天神地祇(てんじんちぎ)に勧め、また、自らもこれを食して、その年の収穫を感謝する祭儀。宮中三殿の近くにある神嘉殿にて執り行われる。秋に新穀を供えて神を祭る稲作儀礼である。

 さて、伊勢神宮ではどうなっているのだろうと、興味の輪を広げてみる。

 伊勢神宮のホームページで調べた結果、本年5月8日に、楠部町にある神宮神田で、「御田植初(おたうえはじめ)」が行なわれていました。
 なんと、わが10坪の神田と同日に伊勢神宮でも田植えをしていたんです。ということは、ひょっとして、収穫祭というか新嘗祭も同日に行なわれていたのかしら。う〜ん、なかなか面白くなってきたぞ。

 ブログ『伊勢神宮はおもしろい』がボク、結構好きで、よく巡回しにいくんです。このブログの筆者mimosusorさんのバランス感覚が気に入っているんです。今年の伊勢神宮の収穫祭についての記述がないかなあと、ページを繰っていましたら、記載がありました。すでに9月4日(土)に行なわれていることを知りました。

 すこし長い引用ですが、mimosusorさんの記述では、以下、こんなふうに紹介されています。
「猛暑が続くが暦は9月。そろそろ伊勢神宮の田圃の収穫が始まる頃だ。今年はいつからか、知り合いの神職さんに聞いてみよう。そう思いながらテレビをつけたら、「伊勢神宮の、新米を刈り取る儀式『抜穂祭』(ぬいほさい)が本日、神宮神田で行われました」ですと?! 稲を一本ずつ手で抜いていくのは、まだ鋭利な鎌がなかった太古の昔の名残り。そんな悠長なやり方でどれほどの米が収穫でき、誰がどれほどの米を口にできたのか。ひと粒の米のありがたさは計り知れない。総面積3ヘクタールの神宮神田にはうるち米やもち米、数種類が栽培されており、9月いっぱいをかけて早稲から順に収穫していく。 収穫された抜穂は神田で乾燥させた後、内宮と外宮に納められて、10月15日の神嘗祭と、12月と来年6月に行われる月次祭(つきなみさい)に供えられる。 」

 さらに、「伊勢神宮はおもしろい」のブログには、儀式用に人手で収穫されたのち、大型コンバインでささっと収穫されている様子が写真つきでアップされていました。ああ、神宮といえどもかたくなに「人手」にこだわる範囲と、機械力でスピーディに処理していく範囲を明確に線引きしている。いまという時代を改めて考えさせられました。

わが10坪神田の収穫祭

 以上のような案配で、世間様では収穫祭を執り行なっていたわけですが、わが10坪神田の収穫祭では、五穀豊穣をつかさどるお稲荷様に、越前の名酒「幸三郎」をお神酒替わりに振りまき、田植えに参加した面々が素足で泥田に入り込み、鎌でサックサックと刈っていきました。わずか30分にも満たない幸せな時間でした。

 その模様は以下に掲載する写真で見ていただきたいのですが、収穫時、ビオトープアドバイザーの是永さんの頭部にカマキリが飛来し、いっかな動こうとはしないのです。生物多様性を信念とする人物だけに、追い払おうともしない悠揚迫らざる人格ですが、これら人格までカマキリにはわかるのでしょうか。
 ご本人は「チョンマゲ」とおっしゃっていましたが、ボクはこれぞ「かざし」に違いないと思いました。
「かざし」とは、かんざし「簪」の語源ともなった髪飾りで、往古は生命力あふれる植物や動物を頭部に飾ることにより、それらの動植物にあやかっているという謙虚な姿勢を示す装身具です。
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↑是永さんの頭部を飾る「かざし」。

 ボクにとっては、かざしの往古の姿を見たことが、この日の大きな収穫でした。

 では、以下、5月8日の田植えから時系列でいくつか写真を並べていきましょう。

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↑5月8日、10坪神田での田植えシーン。
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↑7月17日、10坪神田の青稲。
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↑8月1日、10坪神田の稲の開花。
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↑8月11日、10坪神田の稲の結実。
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↑9月4日、10坪神田の稲の実り。
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↑9月25日、10坪神田の収穫祭を前に、この日のために秘蔵していた越前の名酒「幸三郎」を手にする飯島幸三郎さん。
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↑9月25日、10坪神田のお浄め。
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↑9月25日、10坪神田の収穫風景。
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↑9月25日、10坪神田の収穫を祝う面々。
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↑9月25日、10坪神田、お疲れさま。さて、収穫が済んだ田んぼにどんな小動物が棲みついていたのかは、後日、是永さんに聞いておきます。
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↑9月25日、10坪神田の面々の収穫祭。手前のオニギリは、我らが1反で収穫した「コシヒカリ」を炊いて握った塩結び。初めての米づくりでこんなにおいしいお米ができるなんて、ただただ感動でした。
by 2006awasaya | 2010-09-28 22:23 | 真剣!野良仕事


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