【真剣!野良仕事】[200=タテ10円玉かヨコ500円玉か]

2013.4.9(火)
丈夫な苗を作るために

 2013年のお米づくりが始まりました。

 4月7日(日)、好人舎では飯島さんが大きな寸胴(ズンドウ)でお湯を沸かしてくれていました。
 お米づくりメンバーの一人が生卵を買いに行って戻ってきました。手には10コ入り生卵パック。すでに作業テーブルには食塩2袋。その脇ではお湯が沸きつつあります。丈夫な苗を作るためには、重量のしっかりした籾が必要で、今日はこの籾の選別と消毒をする日なのです。つまりはお米づくりがこの日をもってスタートするという、たいへんに晴れがましい日なのです。

 バケツに水道水(17℃)を汲み、食塩を投入攪拌し、比重1.12の塩水を作るのです。手元に比重計があれば簡単に指定の濃度の食塩水は作れるのですが、比重計がない場合はどうするか。ここで生卵の登場だったのですね。ご飯を食べないと一日がスタートできないほどお米好きの飯島さんのことです。かねてからどんなおかずで朝ご飯をいただくのか、興味がないわけではありませんでしたので、ああ、なるほど、米づくりが始まるこの日の朝は、伝統的な卵掛けご飯を掻き込んで元気をつけ、さあ、やるぞ、今年もと景気付けをしているのかなあと、この卵の意味をボクはぼんやりと同意していたんです。

 でも、朝ご飯のおかずではなかったようですね。

 バケツを攪拌しながらお米づくりの指導担当の鷹島さんが指示を出します。「卵、入れてくださ〜い!」。
 そうか、この卵は比重計代わりだったんですね。だれかが「何個入れる?」と聞きます。メンバーのだれかが「当然1コだよ」。でも、ボクは「その選んだ1コの卵が不良品だった場合も考えて、今ある10コ全部入れたら?」と提案。結局この提案は受け入れられず、中を取って半分の5コを水道水で洗ってから、バケツに入れました。

 鷹島さんが塩水選の説明文を読みあげています。

鷹 島 比重1.12から1.14の食塩水に生卵を入れると卵がタテになって浮かび、浮かんだ部分が10円玉くらいの円になる。
小 林 まだ、沈んでま〜す。全部、沈んだまま。
鷹 島 ということは塩が足りてないってコトだから、もっと食塩を入れてみて。比重が1.14になると、卵はヨコになって、しかも水面から顔を出す部分が500円玉の大きさになる。
小 林 はい、塩、入れてます。

 実際にはなかなか1.12の塩水にはなりませんでした。ボクは何度か指を突っ込んではなめてみましたが、相当に塩っ辛かったにもかかわらず、指定の比重1.12の塩水にはなりませんでした。確か、海水が比重1.025(この数字、2回目か3回目の米づくりに際し、同様の塩水選をしたあとで調べたような記憶があるものの、かなりアヤフヤ)で、海水に卵を入れてもすぐに沈んだような記憶があります。

鷹 島 もっと塩を入れないとダメじゃない。
小 林 もうずいぶん入れたんだけど。でも待ってよ、ほら、5コとも浮いてきた。塩は底に溜まったまま、なかなか溶けませんが、卵は浮いてきました。
鷹 島 比重1.12の塩水ができたってことだ。ほらほら、水面上に顔を出している円形も、10円玉程度じゃない?
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↑生卵5コがタテに立って浮かんでいます。水面に顔を出している部分は、確かに10円玉相当です。この時の塩水の比重が1.12です。

小 林 OK!できあがり。
長谷川 でも、ちょっと待って。その説明では比重1.12から1.14とありましたよね。比重1.14にすると、相当重量のしっかりした、身の詰まった籾じゃないと沈まないってことじゃないんでしょうか。いい苗を作るには、できるだけ重い籾を選んだほうがいいんじゃないでしょうか。ヨコ向き500円玉に挑戦してみませんか。
鷹 島 そうね。いいですね。1.14にしてみましょうか。塩を追加で入れてみると、お〜お、卵が寝はじめた。
小林 500円玉になってきたあ。この塩水で今年の苗籾を選別しましょうよ。
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↑今度は塩分濃度を高く調整していると、卵は寝転がってきて、どうです、500円玉くらいじゃないですか。

 以上のようなやり取りがあって、今年の種籾の選別は1.14の塩水選で仕上げました。選別に叶った籾は例年よりもいくぶん少なくなり、農園主には損害をお掛けしましたが、すくすく育つ丈夫な苗のためです、ごめんしてください。
 この後、種籾を60℃の温水に10分間浸け、通常の冷水で冷やし、発芽用のプールに移してこの日の作業を終えました。
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↑塩水の比重が1.14に調整したバケツに種籾を入れて攪拌しているところ。
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↑選別した種籾の塩分を水洗いしてから、60℃10分で消毒しているメンバー。

 帰宅して、どうしても海水の塩分濃度を確認したく、ネットで調べてみたんです。比重1.025という数字はほぼ誤りではないようでした。ほっとしたものの、指先を浸けてバケツの食塩水をなめてみた塩っ辛さから、まだ行ったことはないものの、「この塩分濃度は死海の塩分濃度に等しいのでは」と思ったほど塩っ辛い味でした。以前でしたら、疑問は図書館か書店に駆け込んで解決に近づいたわけですが、最近はネットで調べることのほうが多く、重宝しています。
 検索キーワードを「海水」「自宅で作る」「死海」「塩分濃度」など、いろいろの組み合わせで検索してみましたら、まあ、とびきりのページにたどり着きました。
「自分の風呂で死海が再現できるか」をテーマに、大量の塩を購入するとこから始めた青年グループの報告。久しぶりに大笑いしました。

 自宅の浴槽に死海を再現した青年グループのレポートは(「お風呂で死海の海を再現できるか!?」)として紹介されていますので、そのご苦労を思いつつ、大笑いしてみませんか。
by 2006awasaya | 2013-04-11 11:16 | 真剣!野良仕事


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