【真剣!野良仕事】[15=就農ということ]

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↑定植を済ませたブロッコリーの畑。画面の左7列が手植え、右が機械植え。機械って、ほんとうにきれいな仕上がり。でも、手で植えた7列も、葉が繁ってしまえばほとんど見分けがつかない。
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↑定植を済ませてから3週間後。まったくの無農薬で栽培しているので、虫がつく。葉の裏とか、葉脈に沿ってほとんど見分けがつかない細長いグリーンの虫がついている。これを一株一株人の手で葉を裏返しては眼を凝らし、卵やアブラムシを見つければ指先で潰す。田舎の学校のメンバーが総出でこの作業に当たっている。それにしても、ああ、腰にくる作業だ。ボクはわずか1時間、お手伝いしただけで、この日はほとんど使い物にならなかった。


就農を目指す方へ

【真剣!野良仕事】[12=飯島さんの夢]として、秋の夜長のひと時、一灯の裸電球の下で囁かれた飯島さんの熱き思いの片鱗を披露させていただきました。丹精こめて作り上げてきた田んぼや畑が、58万都市の船橋にはまだまだ多くあること。しかしながら、後継者不在という実情から、それらの田や畑が遊び始めていること。しかも、手を加えずに1年も放置すると、休耕地は雑草に覆われ、地形すら分からなくなってしまうこと。さらに深刻なことに、耕作せずに放置した途端に、悪質な産廃業者によって産業廃棄物が捨てられるなど、さまざまな危惧と恐怖を抱えつつ、都市近郊型の農業はぎりぎりの努力で成り立っているものの、現状を維持継続するだけで大変なこと。そして、現状を維持するために、いま、しておかなくてはいけないことは何か。飯島さんの熱き思いはそんな構図でした。

 そのための飯島試案は、まもなく現役退職するであろう団塊の世代をターゲットとする。退職の世代が船橋周辺にはたくさん住まっているので、それらの方々が農業に対しての興味と関心の眼を向けてくれれば、ウイークエンド農民でも、ベランダ農園主でも、とにかく農業に関わりを持ってくれれば、結果として現状維持に結びつくはず。そんな予測と予感を飯島さんが抱いているということが分かった秋の夜長でした。

 その夜から、就農するとしたら、どんな障害があり、都会生活に慣れた退職者がどんなことをクリアーすれば就農しやすいのか、webを覗き見しつつも、なかなか思いが叶うページに巡り会いませんでした。

 ところが、これはボク自身の検索能力が未熟だったこともあり、要するに「キーワード」の打ち込みがヘタだったのでした。

 それから1週間して、いつもお世話になっている検索エンジンのグーグルで、試しに「就農」と打ち込んでみましたら、わずか0.18秒で761000件がヒット。そのトップは全国新規就農相談センターが運営しているサイト「農業をやってみませんか?応援します!」でした。

 やったあ、こんな立派なページがあったんだ!

 なんだかとても面白そう。ついつい、「はじめの一歩」「農業を知る」「学ぶ&体験する」「農業研修」「農業をはじめる」といったすべてのボタンをクリックして、しっかり閲覧してしまいました。全体の閲覧時間は約2時間ほども掛かってしまいましたが、なんだか、とても博学になったような気分。

 まず、「はじめの一歩」を開くと、「農村での暮らし」という小冊子仕立てというか、紙芝居仕立てというか、マンガ本をめくる安易さで読みすすめられるページが現れます。登場するのは農業代表の吉田さん一家と、農的生活に憧れて農村に移住してきた山川さん一家の物語。この両家の一日を同時進行で対比しながら、それぞれの暮らしを具体的に見せてくれる展開で、とても分かり易い構成です。

 吉田さんは10年前に新規で酪農家になったという設定で、お父さんとお母さん、それに小学校に通う子供が二人。そのお隣に3年前に引っ越してきたのが山川さん一家で、お父さんは翻訳の仕事。吉田さんと同じ小学校に通う子供が二人いて、お母さんは庭先で菜園を耕しながら、憧れだった農村生活を楽しんでいるという両家の日常のストーリー。
 朝5時。吉田家は搾乳作業がもう始まっていて、お母さんは搾乳、お父さんはトラクターで飼料の運搬と、とっても忙しそう。一方の山川家はまだみんな安眠中。6時30分、8時、9時、10時とほぼ毎時、それぞれのお宅がなにをしているか、具体的に報告。総じて酪農家の吉田家の方が忙しそうに描かれている。

 この両家の暮らしぶりを通して、農家と非農家との対比が明瞭になる仕掛け。農業って、結構忙しく一日が終わるんだなあという印象。一方の山川家はインターネットの普及のお蔭で、農村に暮らしていても、仕上げた仕事をメールで出版社に送るだけなので、ずいぶんと楽そうな暮らしぶり。どちらの暮らしがいいかと自問したなら、当然、パソコンで仕事のやり取りができる山川家を選ぶだろうな、ボクだったら。

 さて、この「はじめの一歩」には、web紙芝居「農村での暮らし」に続いて、「新規就農 適性・知識チェック」というコーナーが用意されているんです。よくできてるなあ。実によく考えられた構成。思わず適性をチェックしてしまいました。ぜひ、やってみてください。
 でも、このあたりまででした、気楽な気持ちで読めたのは。
 でもでも、試しにホンモノの適性チェックがどんなことなのか、「全国新規就農相談センター」のホームページでやっていただくとして、適性についてのとっかかりだけでもここに引用しておきますので、真似事をしてみてください。

1=就農に対する適性
□ 健康・体力に自信がある
□ 生き物(動植物)が好きである
□ 単純作業もこつこつやることができる
□ 他人との付き合いは苦にならない
□ オフィスの事務作業より野外で体を動かすことが好きだ
□ 体力にはかなり自信がある

2=新規就農についての意欲、動機、知識
□ 農業所得で生活、職業としての農業を目指している
□ 新規就農した経験者に会ったり、体験談を直接聞いたことがある
□ これまでに受けた農業体験や研修により農作業の厳しさは体で分かっている
□ 家族と一緒に生活や仕事がしたい
□ 農業は自然の中で生き物を育てること。自然災害や技術不足のため収穫が皆無の場合があることを知っている
□ 新たに農業をはじめることは、経営者として新しく事業を起こし、経営者になることであり、非農家出身者が新たに農業を始めることは既存の生産基盤のある農家より容易でないことは分かっている

3=新規就農の事前準備状況
□ 新規就農に関する情報収集に力を入れている(相談窓口訪問、相談会参加、インターネットホームページ、情報誌等)
□ どんな作物を作るか(作物選択)意向が固まっている
□ どこで農業をやるか(就農希望地)意向が固まっている
□ 実際の就農までの準備事項おろび段取りは大筋理解している
□ 家族が就農に同意している
□ 自動車運転免許(普通免許以上)を所有している

4=就農条件の準備状況
□ これまでに1年間以上に渡る農家・農業法人等で本格的研修を受けたことがあり(又は研修中)、目指す農業(作目)の技術と知識は身につけた
□ 就農希望地で就農に当たって親身になって面倒を見てくれる世話役的な人がいる
□ 農地を所得(購入又は借り入れ)するには法律(農地法)にもとづいた許可と手続きが必要で、一定の要件をクリアーすることが必要であることを知っている
□ 営農資金が自己資金で足りず、融資制度を利用する場合、保証人になってくれる人が見込める
□ 経営についての一定の知識(複式簿記等)はある
□ 農産物の販売について自信がある(マーケティング関連業務経験、元の職場同僚・地人・友人等のネットワーク活用など)

5=農村生活・就農後の生活について
□ 営農資金の他に、当面の生活資金(1〜2年程度)を用意している
□ 農業以外に本人や家族に収入を得る手だてがある
□ 農業をするには、住居がアパートなどでは難しいことを知っている
□ 農地と住居が離れていると作業が不便であることを知っている
□ 農村で生活する場合、地域とのコミュニケーションの重要性を知っている
□ 農業に係わる共同作業や地域での役割が求められることを知っている

 以上の設問に、回答してもしなくても、診断結果は以下の通りの説明文が表示されるのです。

1=農業には丈夫な体と困難にめげない精神が必要です。農業の仕事をするのに自分に何が必要なのかを考えるため、農業体験などを考えてみましょう。

2=農業へのビジョンを明確にして、自分スタイルにあった農業を考えてみましょう。ニューファーマーズフェアのセミナーなどで現実的な知識を少しずつ身につけましょう。

3=まだ農業を始める準備段階ではなく、農業の知識、体験を積んで就農条件など知識を身につけ、各種機関などで研修を受けて準備を整えていきましょう。

4=就農までに整えなければならない条件は条件はたくさんあります。就農センターなどで知識を身につけ、各種機関などで研修を受けて準備を整えましょう。

5=農村生活での具体的な方法を見直してみては。生活がまずあっての就農です。就農者の体験をセミナーで聞いたり、就農前に地域を訪れ、生活に必要な項目を確認してみてください。

 以上のようなアドバイスをいただくと、もしも就農するとしたら、「こりゃあ、結構な覚悟がいるなあ」というのが正直な感想。楽しく余生を過ごせる仕事として、都市近郊型の農業に第二の人生をと考えていらっしゃる方には、まじめすぎてちょっと辛いかも。
「生半可な気持ちで就農されたら、お互い、迷惑だからな」という主催者サイドのニガい顔がほの見える説明文でした。

 このあと、就農までの道筋が順を追ってガイダンスされており、農村から都市へ、快適な暮らしを求めて人の流れが加速するのが分かるようです。1万人に1人でも、そんなこと、はなから諒解していたことで、だからこそ、都市から農村へと、ほんとうの快適な暮らしを求めて移動するんだ!という人がいることを願わざるを得ません。
(hasegawa tomoaki)
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↑欠株に移植したダイコンはうまく育たないと言われたものの、なんとか根付いた苗。それでもこんな成長の差がでて、収穫期にはもっともっと大きな差となってしまうに違いない。悠々と育っている苗に挟まれた中央の小さな苗がそれ。
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↑欠株に移植した白菜はうまく育っているようだ。中央の株は間引きを済ませた白菜で、その両サイドは移植した苗。多分、根菜類は移植や定植には向いていないのかもしれない。
by 2006awasaya | 2006-10-11 15:05 | 真剣!野良仕事


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