【真剣!野良仕事】[39=憧れの田植え]

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↑この日一番のポエジーショットがこの一枚。この日は子供たちに田植え体験をしてもらおうと、飯島さんが5年来続けているイベントの実施日で、この田んぼのすぐお隣で子供たちが手で田植えをしていました。

初めての田植え

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↑飯島さんの勇姿です。この日は日射しも強くて、それでサングラス!いやあ、湘南のビーチにも、ワイキキにもこんなにサングラスが似合う方って、そうそういませんよね。まあ、田んぼの畦で、メンバーからやんやの喝采を浴びて、平常心を失った飯島さんでした。メンバーからの声援を全身に浴びて、すっかり照れてしまった我らが飯島さん。平常心を失ったのか、真っ直ぐな筋が曲がってしまいました。プロでも曲がってしまうものなんですね。ちょうどすぐお隣の筋が曲がってましょ。あの辺りで一斉に囃したのでした。くの字に曲がってるのがわかるなあ。
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↑すると、折り返してきてから機械を止め、曲がった筋を直しに。どんな風に真っ直ぐに直すのか。まさか1本一本植え直すのではと、一同、声もなく見ている前で、なんと、曲がったあたりに両手を突っ込んで、植わった苗を土ごと優しく並行移動。ちょうどお豆腐屋さんの店先で、まだ小さく切り分ける前の大きなお豆腐のブロックを水中で移動するのと同じ要領でした。田んぼの土も、ほぼお豆腐の柔らかさだったので、こんなことができたんですね。ここでひときわ大きな拍手があがったのでした。


 すこし忙しくしてしまって、1カ月遅れのご報告から。
 5月12日(土)。ほんとにいいお天気でした。ボクは前日からそわそわして、なかなか眠れなかったんです。なんてったって生まれて初めての田植え。お腹の具合が悪くなったらどうしよう、小学生みたいな悩み事を真面目に考え込んだりして、それでなかなか寝付けなかったのです。しかも、前日、前々日と天気が今ひとつで、田植え当日、万一雨でも降ったら、やっぱり休もうか、いやいや、参加者が少ないだろうから、ボクのような非力な人間でも立派に男を上げることができるかも、なんて浅ましいことまで思い巡らせたり、さらには、船橋地区のスポット天気予報をwebでチェックしたりして。

 5月9日付けで飯島さんから、「農好人」というe-伝言板にこんな書き込みがあったのです。
『5月12日は田植えをします。手がありましたら、お借りしたいです。長靴(田んぼ用)がなくとも苗運び等お願いしたいです。今、田畑の仕事はG・Wです』

 このe-伝言板に、真っ先に回答したのは坂本さん。
『田植え、一度、やってみたかったのです。役に立つかどうかわかりませんが、やらせて下さい』
 次は長谷川。
『長谷川です。田植え用の長靴がないので、苗運び方面で使ってやってください。ところで、5/12(土)の何時に、どこに集合すればいいでしょうか』
 次は大竹さん。
『こんばんわ!大竹です。田植え、残念ですが参加できません。12・13日は井上先輩に続き山に行きます。田畑のG・Wなのにすみません! 田植えしてみた かったです』
 このコメントを読んで、うきうき気分の長谷川がこんなコメントを。
『井上さんに続き、大竹さんも山へ。ああ、山屋さんって、いいなあ。井上さんご夫妻みたいに、山行の模様を日記に書いてください。楽しみにしています。大竹さんの分まで、田んぼ、がんばります』
 5月11日には小林靖さん。
『田植えに参加させていただきます。好人舎前、9時頃で良いでしょうか?』
 同日、鷹島さん。
『鷹島です。あすは9時に好人舎に行きます。但し、たんぼ用長靴はありません。それでも手伝うことがありましたらよろしく』
 同日、東海林さん。
『明日の田植えに参加できません。昨年もそうでしたが5月期は町会の行事の目白押しです。チャリティバザー、日帰り旅行の準備等です。皆さん頑張ってくだい』
 同日、小関さん。
『手伝いさせていただきます』
 そして迎えた田植えの日。
 出掛けにぐずぐずして、いつも遅刻するボクが8時50分には好人舎についていたものだから、飯島さんから「ああ、びっくりだね、こんな時間に長谷川さんが姿を見せるなんて」と茶化されたり、なんだかみんなうきうき気分。

 9時少し過ぎに、好人舎前で今日の段取りを飯島さんが説明開始。

 要点は以下の通り。
 田植えの田んぼが分かりにくいところにあること。しかも途中、道幅が狭く、全員が各人の車で移動すると、駐車スペースがないので、1台を参加者移送用にすること。苗運び担当が必要なこと。

 そんな説明をしているというのに、参加者は田植えができるというだけで、おしゃべりに花を咲かせている。みんなワクワクしながら、この日を待っていたんだ!
 軽トラに積まれた田植機は、ビンテージクラシックとでも呼びたくなる往年の名機「クボタの春風NS200」。両サイドに舟形のフロートを装着し、駆動は田下駄を履いた一輪車。20数年前には手で植えるしかなかった日本の田植えシーンに革命をもたらしたと言われる名機だそうだが、飯島さんがだましだまし使い続けて未だ健在。この田植機の説明もはしょりにはしょって、田んぼへ移動。
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↑これが田んぼ用のゴム長靴。くるぶしのあたり、よーく見てください。平べったいゴムひもでクロスに縛ってあるでしょ。こうして縛ると、足を抜くときに靴が脱げずにスムーズに抜けるのです。ふつうのゴム長ではかかとが邪魔して、靴を田んぼに取られてしまうんです。履き心地は地下足袋を履いている感じでした。靴底が薄いので、砂利道を歩くと足の裏が痛いくらいでした。

 10時、田んぼのあぜ道にて、軽トラからクボタの春風を降ろし、こんどは田植え用の長靴の説明。参加者全員、そんな長靴があるなんてこと、初めて聞いたと言う面々。

「ふつうの長靴と何が違うかって? まず、カカトがないこと。ゴムが薄くて柔らかいこと。年間、この田植え時にしか履かないこと、かな。田んぼでは抜き足差し足なんですわ。踵から先に設置する歩き方、ダメなんです。すべては爪先。爪先から入れて、爪先から抜く。言うのは簡単なんですが、意外とムツカしい歩き方で、そんな歩き方にはこの田んぼ用の長靴がいいんです」。一同、そんな長靴があったのかと、半ば放心したような表情でそのゴム長を見つめる。
 ところが、田植え用の長靴が1足しかないので、参加者全員、苗運び要員かお囃子方。田植機を操縦するのは、田植え用の長靴を履いている飯島さんただ一人。

 そこで、田植え用の長靴を買いに出かけることに。井上さんとボクがお買い物斑。飯島さんの話だと、一足3000円前後ということだったが、実際には980円と安かったので、想定外の安さに嬉しくなってサイズを違えて5足も購入。現場に戻り、その5足を履いて、一番初めに田植えにチャレンジしたのが小林靖さんでした。小林さんに続いて意外と言ってはなんですが、酒井さんが眠っていた能力と言うか潜在能力を発揮して、プロの飯島さんをして「いまの仕事をさせておくのがもったいない」というほど、真っ直ぐな田植えができる。機械を扱う能力が優れているんだろうな。一同、惚れ惚れ!

 つづいてボクが名乗りを上げてチャレンジしたんですが、この往年の名機を操縦することができません。小林さんも、酒井さんも、あんなに上手に操作操縦していたっていうのに、ボクにはできませんでした。

 その言い訳1。どろんこ田んぼに足を取られたこと。爪先から田んぼに足を入れる「差し足」はできても、抜き足ができない。ズボって入った足が抜けない! 次の一歩が出ないので、バランスが崩れる。でも、ハンドルのレバーを握ったままなので、名機はすすむ。名機に引きずられて、さらにボクのからだはバランスを失い、尻餅。
 言い訳その2。田んぼには水が張ってあるので、水中が見えない。場所によって深いところ、浅いところ、まちまち。そこで、苗植え機には、水上飛行機の両翼下についているのと同じフロートで機械本体を支えているわけですが、肝心の操縦桿を曲げてしまうことになる。結果、これも真っ直ぐに植えられず、曲がってしまう。慌てて、修正しようとすると、また曲がってしまい、ジグザグ状になる。いやはや思い通りにならないことって、たくさんあるなあと、天を仰ぐ。一条の半分もすすまぬうちに、この貴重な田植えを放棄してしまった。
 代わってくれた飯島さんのさっそうとした田植えぶりは写真のとおりです。ただし、才能を発揮した酒井さんの勇士は、画像を転送中に壊してしまい、まったくいい訳もありません。お許しください。来週はトップページで紹介しますので。

 その晩、伝言メールボードにこんな書き込み。飯島さんから。

・皆さんの「田植えに行きます!田植えに参加します!」の声、嬉しかったです。ですが、田植え機は一つで手植えではできないし、どうしようととまどいました。でも、見事に田植えを終えることができました。まことに嬉しいのひと言です。酒井裕美さんへ。英夫さんは田植え機を素早くものにしてしまった人物ですよ。農業を営む最適なパートナーとして最適ですね。羨ましい 。大竹さん、田植えが終わって頂上にも登った気分ですよ。母シマに、田植えが皆さんのお力添えで終了したことを報告しました。シマからは、「ご苦労様を伝えなさい」と言いつかって、さらに、「曲がって8石、くねって9石、通って十石だ」というようなことを言っていました。今日の田植えはうねり気味でしたので9石の上出来です。おむすび一つで休みなく働いていただき、ご苦労様さまでした。好人舎に戻って、裏の竹林でのおむすびと味噌汁はシマ作でした。そこで出されたカモミール茶、初めていただきました。いい香りですね。

 すると翌日、新しい能力の開発に成功したその酒井さんからメッセージ。

・お褒めをいただき、ありがとうございます。酒井夫(英夫)です。土曜日は念願の田植えが体験でき、感動の一日でした。が、竹林のおむすびを1個、カッ食らったまま失礼していまいスミマセンでした。実はここ数年、Jリーグ(プロサッカー)のジェフユナイテッド千葉を応援してまして、土曜日は夜7時から東京は調布の味の素スタジアムで試合があったため、田植え終了後、急行したというわけでして(というのにFC東京に4-1と大敗。なんということだ〜!)。しかし翌日から、ふくらはぎと二の腕が軽く筋肉痛。農好人への道はまだまだ遠い、といった感じでしょうか。

 いやあ、いま思い出しても、素敵な作業ぶりでした。
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↑ちょっと見には田んぼで田植えをやっているようには見えますが、なんと畦道を移動中のボクです。田んぼではぜんぜいいとこなしでしたので、せめて名機を別な田んぼに移動するくらいは手伝わなくてはと、畦を移動していたのです。すると、なんとお優しい!カメラカメラと飯島さん。ワンショット、撮ってくれたのがこの感動のシーンです。来年はなんとか上手に田植えができますように、いまから神頼みの日々です。
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↑田植えを済ませて2週間後の5月27日の田んぼの状態です。ボクが途中で放棄してしまった田んぼですが、やはり曲がっているのが分かります。でも、順調にすくすく育っているようです。
by 2006awasaya | 2007-06-13 11:04 | 真剣!野良仕事


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