【真剣!野良仕事】[50=一網打尽プロジェクト]

f0099060_191139.jpg

↑ブロッコリー畑にて農作業の合間に世間話をしているように見えますが、全員、腰をさすって「ああ、痛い!ああ、しんどい!」と呻いているのです。腰を屈めての作業って、ほんとうにつらい仕事が多いですよね。虫取り作業のブロッコリー畑にて。

松本さんからの提案

 無農薬で野菜を作るということは、本気で大変なのです。飯島さんからいつか、「無農薬で始めた人10人のうち、翌年も無農薬を貫いた人は、いったい何人だと思います?」ということを聞かれたことがありました。志を割合で測る訳にはいきませんが、なんと1人だそうです。残り9名の方々は初志貫徹できぬ複雑な事情があったのでしょうね。この1年でそのことが多少理解できるようになりました。
 鳥害はネットで覆うなり、畝の上にテグスを張るなりしてなんとか防衛できないことはありませんが、虫の害はトンネルを張ったくらいでは防ぎきれません。そのことは昨年から今年に掛けて、ブロッコリー作りにタッチして、いやというほど味わいました。夜盗蛾の幼虫であるヨトウムシと、正式名をダイコンシンクイムシというシンクイムシが発生したところで、ほぼ全滅でした。*アンダーバーがついている「ヨトウムシ」と「シンクイムシ」をクリックすると、それぞれの詳細なページにリンクします。
 ブロッコリーを収穫しながら、茎の部分にわずかでも虫になめられたようなキズがあると、良品として出荷できないのです。また、見た目にそうしたキズが確認できなかったとして、蕾の部分に隠れていた長さ10ミリほどの小さな青虫が、いざ調理する段になって主婦を震え上がらせることもあり、わずか10ミリの青虫が重大なクレームとなって生産者にフィードバックされてきます。「そうした流通業者からの厳重注意が1シーズンの出荷中に何遍も繰り返されたら、これは薬に頼らざるを得ないよな」と、ボクはそう思いました。そう思いながら、なんで飯島農園では農薬をわずかな時期に限定してでも使わないのだろうと、思いました。

 ボクの区画でも、カメムシにほんのひと刺し吸われたところがカサブタのようになり、見るも無惨な姿になっているナスが大半でした。自家消費ですから、多少のキズは食卓の話題に最適ですが、これが立派に流通に載ってくるプロが作る野菜だったら、どんな顔して調理したり食べたりするか、分かったものではありません。誠に身勝手な自分がいるでしょうね。

 そして、昨年と同じサイクルで、昨年以上に栽培面積を広げて飯島農園ではブロッコリーを栽培しています。そして昨年同様、仲間たちと人海戦術で虫取りに励んでいます。苗の背丈がまだまだ低いので、屈んで葉の裏を返し、すでに卵が産みつけられていれば擦って取り除き、虫がいれば、つまんで潰したりしています。でも、左右の畝の中央に立って、右、左、右と交互に虫取りをやっただけで、背中はびっしょりの汗。そして腰が痛くて、途中何回腰を摩りながら、腰をのばすために立ち上がったか。

 そんな作業のあいまに、間もなく就農する予定の松本さんがこんなことを言い出し、仲間たちから尊敬に似た視線を浴びていました。

「ブロッコリーの畑を見渡していて、昨年もそう思ったのですが、モンシロチョウやアゲハがひらひら飛んでますよね。農薬を使わないんだから、この虫取りも大切な作業ですが、昆虫網を全員がもって、蝶を捕獲するのも、あながち無駄なことではないんじゃないか、と。蝶もこの畑が農薬を使っていないってことが分かるのか、他所よりもずいぶん蝶の数が多いように思うの。昆虫採集用の網を同じ時間、振り回す方が、この腰にくる虫取り作業よりもずいぶんと軽くなるんじゃないか。一網打尽という言葉も浮かんでくるし、風景としても立派にのどかだと思うんですが、どんなもんでしょうかね」と。

 おお、必要は発明の母、腰痛は創意の父か。

f0099060_1931311.jpg

↑まったく巧妙ですよね。葉脈に沿って張り付いていて。でも、結構見つけやすい大きさでした。
f0099060_1943661.jpg

↑これも結構簡単に発見できてしまうほどの大きさの虫でした。
f0099060_1955935.jpg

↑尺取り虫みたいに特徴的な形をしてくれていると、なんだか張りがないって感じ。でも、これで色も葉と同じグリーンだったりすると、もうほとんど発見不能。
by 2006awasaya | 2007-10-26 19:15 | 真剣!野良仕事


<< 稲の観察記録[第25回] 【真剣!野良仕事】[49=忙人南瓜] >>