【真剣!野良仕事】[54=もってのほか]

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↑ピンクが「もってのほか」。上はヤハトウリの漬け物。左はヤーコンのフレンチドレッシング和え。

ほのぼのとした甘みの極品酢の物

 11月17日(土)、ブロッコリーの虫取りを済ませ、鷹島さん、井上さん、東海林さん、大内さんと好人舍に引き上げてきて、さて、お昼にしましょうと、竹林のランチテーブルに腰を下ろすと、庄内出身の阿部さんが「お昼に摘んで!」と、「もってのほか」を振る舞ってくれた。食用菊の中でも幻と言われる食用菊。酒田、鶴岡の二都からなる庄内でほとんど消費され、山形県内にも滅多に出回らない稀少品なのだ。
 しゃきしゃきして、ごく一般の食用菊の食感より優れている。庄内ご出身の阿部さんの味付けはほのかに甘く、「ああ、これが藤沢周平先生の海坂藩の味付けか」と、なんだか自分が下級武士になったような面持ちでこの珍味をしみじみといただく。

長谷川  阿部さん、これの作り方、教えてください。
阿 部  教えるもなにも。
長谷川  菊の花びらをどうするんです? 引きちぎっちゃえばいいんですか?
阿 部  花びらのかなめになっている額の部分をはずすと、ばらばらになりますよね。ばらばらにしてから沸騰したお鍋に入れて軽く湯がきます。
長谷川  どれくらいの時間?
阿 部  そうねえ、測ったことないけど、ほんの少し。煮るんじゃなく、軽く湯がくの。そうそう、お湯にはお酢を少し入れると、この優しいピンクが鮮やかになるから、沸騰する前にお酢を少々ね。湯がいたら醒ましておくの。三杯酢はわかるでしょ。各家庭でそれぞれ違うでしょうが、一般的には酢大さじ1、醤油小さじ1、砂糖小さじ2、私はこれにダシを少々入れるの。

 畑からの帰りがけ、スーパーに寄ったら食用菊が目に付いたので、さっそく購入。お豆腐一丁くらいの大きさのパックで120円と安かった!
 で、さっそくやってみました。美味しくできましたよ、阿部さん。
 でも、意味シンな名前「もってのほか」に、ひょっとしたら、庄内弁が隠されているのかと、書棚にあった庄内方言集『おらが庄内弁』(佐藤俊男著)を繙く。
 も、もつ、もった、もっち、と。
【もっちゃらくっちゃら】乱雑。もみくちゃの意。
【もってがら】時間を置いてから。[すこし「もってがら」食べれ]。
【もってつける】いかにも有り難く思わせるような感じを相手に与える。
【もってね】もったいない。
【もってぶる】勿体振る、いかにも有り難く思わせるような感じを相手に与える。
【もつのぎ】たぶの木。
 ああ、通り越してしまった。
「もってね」でもないだろうし、「もってがら」だと別な意味になってしまうし、やはり、通説通り、「皇室の御紋である菊の花を食べるとはもってのほか!」に落ち着くのかしら。「逆引き庄内弁」があれば、「とんでもない」、「畏れ多い」など意味から逆に実際の方言使用例にたどり着けるのに、ああ、残念。逆引き広辞苑なみに、これからは方言集が逆引きが標準仕様となるよう、切にお願いいたします。
 でも、そうか、阿部さんに今度、確認してみよう。
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↑さっそく自宅で作ってみました。でも、「さっと湯がく」ところを、「かなりしっかりと湯がいて」しまい、食感はもっさりしてしまった。
by 2006awasaya | 2007-11-18 17:40 | 真剣!野良仕事


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