2008.4.6
マルチシート掛けの途中でシートが終わってしまったら
↑プロが張ると、こんな滑らかな鏡面仕上げになるマルチシート掛け。なかなかこのようにきれいに張れない。
マルチシートを機械で張ると、表面が鏡のように滑らかで、空から見下ろしたら光の筋が幾何学的な模様となって、ひょっとするとナスカの地上絵現代バージョンと見間違えてくれる心優しいパイロットもいたりして。そんなことを思いながら、自分の畝は自分の手で張るので、シワが寄ったり、フワフワと風にはためいたりと、なかなか上手に張れません。
「ピンと張りつめてこそ、マルチなんであって、ぶわぶわじゃあ、なんの意味もない」と、飯島さんからクレームを付けられたばかりだけに、鏡面仕上げのマルチシートを見るだけで感服。
プロがやる仕事って、いつも手際よく、ほれぼれ見とれてしまいますが、この日も、そんなプロの仕事を手伝いながら、ほれぼれと見とれてしまったことがありました。
敷き始めはマルチシートのロールもまだまだ太くて、この先2往復くらいの畝に敷き詰めるのは十分に保つだろうけど、その先の畝に移ったら途中で終わっちゃうだろうな。ピーンと張りながらやっている作業だから、途中でマルチがなくなっちゃったらどうすんだろう、ゆるんじゃうしな。畝の1/4くらいでシートが終わっちゃったら、ひょっとして2穴分くらい新しいマルチシートを重ねてやり直すのかしら。これが兼ねてからの疑問でした。
さてどうするんだろうと興味津々、じっと見ていたら、なんのことはない、マルチシートが終わったところで、一旦土寄せしてマルチシート掛けを終え、重ねることもなく、穴の間隔を合わせるように気遣いながら、新しいロールを機械にセットして、作業再開。
実は4月5日(土)の午前10時、飯島農園の一坪農園にエダマメとトウモロコシを植えにやってくる人用のマルチ掛けで、飯島竜平さんがこともなげに、かねての疑問に答えてくれましたので、写真で説明します。
こんなこと、プロから見れば当たり前すぎて、「なんて答えてよいものか。むしろヘドモドしてしまいそうなくらい超初心者級の疑問」なんです。疑問を発した人間の真意が汲み取れず、まるで異星人からの問いかけにどう答えたものか、思案に暮れるほど深刻な初級の問い掛けなんです。どうもご迷惑をおかけしました、竜平さん。
↑マルチシートが終わったら、即、終わり部分の始末をつけます。ピンとシートを張ってから土でしっかり固定します。
↑新しいロールからマルチシートを引っ張り出し、出来るだけ間隔を空けずにしっかりと端を押さえます。
↑穴の間隔を揃えながら、しっかりと端を押さえます。
↑作るものにもよりますが、ま、だいたいこんな程度。
さてもう一つ、トウモロコシの播種とエダマメの苗の定植を終えた畝に、風よけのトンネルを被せますが、その支柱のポールをどの程度土にさしたらいいのだろうか。この点も分らなかった疑問。同じくプロの仕事を見ていると、実に手際よく畝のすぐ横にさし、畝の向こう側に回って天をさしているもう一方の端を掴まえてはプスッと土にさす。どんな見当でさすと、トンネルの高さが一定になるんだろうというのが引き続いての疑問。
この疑問も素直にプロにぶつけてみた。すると、竜平さんはポールの端を触って、
「ここに擦り傷のような線が入ってるの、分ります? 今回はこの線を土の中にだいたい、これくらいさしてもらうと、トンネルの高さがこんのくらいになる。これもなにを作るのかによって、トンネルの高さが変わってきます。今回はこの線がこのくらい埋まるくらい、ポールをさしてください」
そもそも、ポールにこんなガイドラインの線が入っていることなんて、全然知らなかった。そうか、だから、プロの作ったトンネルは高さが一定で、きれいだったんだ。
いろいろ納得するいい一日だった。
↑写真中央の一本をよく見てください。擦り傷のような線が6本、入ってるの、分ります? このガイドラインを目印にすれば、トンネルの高さは一定になるって訳。こんな簡単な約束事をきちんと理解してないと、農作業ってスムーズにいかないもんなのだ。