【真剣!野良仕事】[73=梅干し入り竹の皮シャブリ]

2008.5.19(月)
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↑シマさんが作ってくれた「竹の皮シャブリ」です。見えている面が上あごに当たる。
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↑「竹の皮シャブリ」の裏側。こちらが舌に当たる面。産毛がきれいに取り除かれていないと、舌の表面がチクチク、イガイガになる。
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↑「竹の皮シャブリ」の内側。やはり紫蘇が入っているといい色になる。タネは抜いておく。

シマさん手製の「竹の皮シャブリ」

 タケノコを掘りながら、「竹の皮に梅干しを入れて、よく飽きずに何時間も、しゃぶりましたよね」と、海坂藩作事奉行の阿部さんに問い掛けました。
 いつもはまずニヤリと表情を崩し、口ひげを撫でながら「そうそう、美味しかったよね」とか、「その竹の皮で面白い話があるんですよ」と話題の枝葉を広げてくれるのですが、なんとしたことか一瞬、間を置いて、きっと記憶の戸棚をチェックしていたんでしょうね、「やったことないなあ。庄内には竹林がなかったからなあ」と、同じ東北の秋田出身・鷹島さんに助けを求めるごとき視線を送る。
 鷹島さんも「秋田にも竹林がなかったから、知らないなあ。梅干しを竹の皮で何すんの?」と、ボクに尖った視線を向ける。
 ええ? 日本て、ずいぶんと広いってこと? 北国ではこの竹の皮シャブリ、実際にはなんて呼んだのか、筍チュウチュウだったか、梅干しチュウチュウだったか、あるいは名前は特段なかったのか、いずれにしろ、竹の皮をシャブったりしてなかったですかと、愛媛出身の坂本さんに聞いたら、「やったよ」。ああ、仲間がいた。すると、井上さんの奥様も「私もやったわよ」と、心強い賛同体験。「竹の皮に生えている産毛のような毛がイガラッポクて、包丁で丁寧にこそげ落とさないと大変なことになる。そんな覚えがあるなあ」と。
 でも、肝心の作り方が分からなくなっちゃった。
 そこで、畑の関連する大概のことで分からないことが発生したら、まずはシマさんに聞けという教訓どおり、畑で作業をしていた今年91歳のシマさんに聞いてみた。
「ええ、ええ、子供時分にこのおしゃぶりをポケットに忍ばせて学校に持っていったりした覚えがありますよ。友達と色の鮮やかさ、梅干しの甘さなどを自慢し合ったもんです。昔は紫蘇の赤い色で梅干しを漬けたから、竹の皮も真っ赤になって。で、作り方? え? 作り方が分からない? タケノコの先っちょの、柔らかい皮を使うんですよ。やっても出来なかった? ヘンだわね。出来ないはずはないんだけど。折り返したときに竹の皮が割れちゃう? それは外側の皮を使うからですよ。外側は硬いからね。一番内側の、しかも先っちょの柔らかい皮を使うんですよ」と、具体的な回答をいただく。

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↑畑で作業中に教えてもらったので、ゴム手袋のまま。「もっと先っちょの、柔らかい皮を使うんですよ。これは少し大きすぎるけど、分かりやすいように大きいままにしましたよ。実際にはもっと細身にして、自分の口の大きさに合わせて作ったもんです」と、シマさん。

さらに、驚愕の新事実! 味噌入りもあった
 
シマさん 梅干しだけじゃなく、味噌でもやったもんです。味噌を挟むと竹の皮が青くなるんですよ。
ハセガワ え! 梅干し以外に味噌でもやったんですか?
シマさん 紫蘇で漬けた梅と紫蘇で染めない梅、それに味噌の3種類はこの時期、いつもポケットに持っていたなあ。赤と青がきれいだった。だれのがきれいな色か、比べたりしたもんです。

 その晩、自宅でボク、作ってみたのですが、昔、子供時分にしゃぶった竹の皮のおしゃぶりが残念ながら出来ませんでした。繊維に沿ってすぐに割れてしまい、梅干しだけがその隙間から飛び出してしまう。口の中の感触も大違い。嗚呼。
 翌日、シマさんに愚痴ったら、なんと、現物を作ってくれた。嗚呼感激。
「でも、味噌が青くならなくて。最近作る味噌、きっと塩を減らしてるからかしらね。昔作ったのは、すぐに青くなったもんです。実物を見せられなくてごめんなさいよ」と、シマさん。
 とんでもありません。
 いろいろお騒がせして、こちらこそごめんなさい。
by 2006awasaya | 2008-05-19 18:13 | 真剣!野良仕事


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