【真剣!野良仕事】[91=生消研の来訪]

 このところ仕事が若干忙しく、「真剣!野良仕事」の更新ができず仕舞いでした。時間の遣繰りがもともと上手ではないので、更新できなかったのは専ら遣繰り下手ゆえのこと。お許しを。

 さて、ぽちぽちと振り返って報告をアップしていきます。

 その第1弾は、園主飯島幸三郎さんが会長を務める「生消研」の一行が9月6日(土)に、飯島農園に視察に来てくれたこと。

生消研、来訪?来襲!

 実は、この来訪2週間前から、メンバーの間で「セーショーケンって何?」とか、「農業の偉い先生方が『おいしい野菜公園2006』の活動を調査視察に来るって言ってましたが、長谷川さん、聞いてた?」など、ひそひそ話のトーンで交わされていました。残念なことに、生消研という団体がどのような活動をしているのか、会長である飯島さんに正面切って確認したことがなく、その点でも長谷川はぼんやりでした。それゆえ、「さて、何を見に来るのやら? 当日になれば、分かること分からなかったことなどが分かるかと思います」と、コンニャク問答に似た返事を繰り返すばかり。申し訳ありませんでした。

 おいしい野菜公園事務局長の坂本さんも、8月28日の回覧mailで「いつもの通り、朝、オクラ収穫、選別作業をやっております。9/6(土)の[生消研]来訪に向けて刈払機で会場整備(竹林)をやっておきたいと考えております(雨天の場合は9/10〔日)有志にて)。イス(ベンチ式)の組立て作業(20脚)は有志にて (雨天の場合9/10)」と、細かな指示を回してくれていますが、肝心のこの一団が何を視察に来るのか、なぜ視察に来るのか、そのあたりの基本的な目的が明快ではなく、長谷川は坂本さんの指示を具体化するだけで、もっぱら会場の設営班に回っていました。

 飯島農園では、「おいしい野菜公園」のメンバーと、オーナー区画で野菜づくりを楽しむグループ、それに「ゼロからはじめる田舎の学校」など、それぞれが飯島農園をステージとして使っているのですが、軸足の置き場にバラエティがあるというか、拠ってきたる関心も興味もさまざまで、そのばらばら振りがむしろよろしいという考え方の人もいれば、早急に組織を見直さなくてはいけないという考えの方もいて、そうした組織論的な問題点がこの夏、顕在化しはじめたのでした。

 例えば、7月22日から始まったオクラ収穫(【真剣!野良仕事】[82=オクラ収穫の3日間]参照)を例にとると、毎朝のようにオクラの収穫に参加する方、毎週土曜日に限りオクラ収穫を手伝う方、オクラ収穫にはまったく無関心で、もっぱら自分の区画の野菜づくりに終始する方などなど、さまざま。飯島農園との関わり方についてのルール設定を明確にしてほしいと、おいしい野菜公園メンバーから要望が上がってきていたのでした。
 おいしい野菜公園の事務局を預かる坂本さんとしても、ことあるごとに頭を悩ませ、飯島さんと擦り合わせを切望しているのですが、なにせ超多忙の飯島さんとのすれ違いが多く、メンバーの方々へルールを提示するところまでいっていないのが現状のようです。

 そうはいっても、飯島さんからの要請があれば、大袈裟な言葉ですが、万難を排して取り組むのが坂本流。坂本さんの存念としては、生消研の方々がおいしい野菜公園の現場を視察に来てくれるのなら、さまざまな角度からモノを申してくれるに違いなく、現状の閉塞感に似た状況に解決策のヒントを置いていってくれるに違いないと、そんな思いから、受け入れ準備をしていたのでしょう。

 当日、生消研のメンバーを迎えて、公園側からは以下3名の報告がありました。
 大村報告=現役を引退した自分が、早朝のオクラ収穫と選別、袋詰めで考えたこと。
 鷹島報告=会社勤め現役の身で0.5反の米作りに挑戦して見えたきたこと。
 山田報告=アイガモ農法で米作りに挑戦した真意。

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↑馬蹄形にテーブルを配し、「飯島農園およびおいしい野菜公園2006の面々をこれから裁かんとする視察団一行」といった、そんな会場レイアウトの中で始まった生消研メンバーとおいしい野菜公園メンバーとの懇親会。写真の左側においしい野菜公園のメンバーが座って、意見を聞いています。実に有益なご意見をいただきました。生消研のメンバーの皆様、ありがとうございました。

 現場を視察し、席に着席した生消研のご一行。私たちが配置したテーブルとイスがなにやら青空法廷のようなレイアウトで、到底「対話」という雰囲気でなかったのが残念ですが、生消研のメンバーからわれわれが抱えている矛盾を突く発言が多く、なかでも伊豫軍記先生(元日本大学教授)の指摘が、そのよく通る大音声とともに、我らを感動させたものでした。

 曰く、それぞれの目指すところと、その立場がバラバラであること。これらのポジションを整理しない限り、組織としては有効な動きはとれない! たとえば、リタイヤ後に農作業を楽しみたいという方もいれば、これから就農したいという思いで参加されている方、もうすでに農業でがんばって食っている青年と、目指すところも違ってきている。このあたりの立場を参加メンバーの方々がお互い同士がどんな考えでいるか、どんな目標を掲げ、その目標にどのように取り組むのか、鮮明に整理することがまずは必要なのではないか。

 発言は至極真っ当でした。少し甲高いその大音声は、背後の竹林を一瞬鎮静したかに思えるほど迫力があり、公園メンバー各人が抱いていたもやもやをきれいに整理してくれたようでした。こんな素敵な指摘をしてくれる一団だと事前に分かっていれば、もう少し勉強会などをしてこちらのレベルを底上げしておけばよかったと、長谷川はそのように反省しきりでした。
 それにしても、関東武者のような風貌の伊豫先生、その迫力ある大音声を五体に浴びただけで、一種「音響浴」に似たカタルシスをもたらしてくれました。

 飯島農園での生消研ご一行の滞在時間はせいぜい4時間。ボクにとっては元寇、すなわち一所懸命を精神のキーワードにした鎌倉武士団と耕作民に鉄槌を振り下ろしにきた蒙古軍にも似た一大事でした。そして、1000年レトロの気分をこめて、飯島農園視察の意味が「来訪」なのか「来襲」なのか、今に至るも大いに迷っています。飯島農園とおいしい野菜公園の関係を整頓整理しておかないと、元寇以降の鎌倉幕府に似た軌跡を歩むことになるかもしれないなと、ぼんやりながら悩んでいます。

 ところで、とって付けたようですが、肝心の生消研という研究グループの目的は次のようなものです。
[この会は生産者と消費者が連帯し、国民の命と暮らしを守るために、日本農業を守り、安全で良質な食糧の自給と供給をめざして、共通の課題を達成するために諸活動をすすめることを目的とする。]
 さらに詳しくはホームページへ。生消研ホームページを掲載しておきます。「生消研」というブルー文字をクリックして入って行ってください。
by 2006awasaya | 2008-10-20 17:18 | 真剣!野良仕事


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