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【真剣!野良仕事】[97=丑年を前に巳年の注連縄]

2008.12.27(土)
丑年!謹賀新年

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↑左手に持つ注連縄が自作第一号。これを見て、帰りがけの國久さんの一言がなんとも慈愛に満ちた寸鉄だった。「お、巳年の注連縄だな」と。この一言が「やる気」に着火。そして出雲大社風の第二号製作へと繋がる。右手に持つのがそれで、注連縄中央のふくらみが縁結びの神様の結界を示す出雲大社拝殿に飾られる注連縄に、似てませんか?


巳年の注連縄

 12月27日(土)の14時から、好人舍脇にブルーシートを敷いて注連縄作りが始まりました。先週の餅つき大会の締めに予定されていたのですが、飯島さんの都合で一週間延期されたものです。
 27日の前日、以下のようなお誘いmailが事務局を預かる坂本さんから放たれたのです。
「血中アルコール濃度を下げたい人、メタボ対策で運動したい人、ストレス解消に しゃべりたくって仕方ない人、まじめに農作業を楽しみたい人 各位、お待ちしております。『各年度ごとに区画替えをしてはどうか』との提案、要望を受けております。来春は 申込者が かなり増えるものと思います。堆肥施肥等の作業効率、その他の面からも そうすることにしてはいかがでしょう」
 そして、午前中は坂本さんを中心に竹林整備が進められ、昼食時、『おいしい野菜公園2007』の今後について話し合われ、課題の一つであるオーナー区画の配置換え、共同区画の栽培計画など、来年度の方向性については飯島代表がお正月返上で具体的なプランを考え、それについての説明を新年早々メンバーにはかるという約束をして散会。その後、この注連縄作りが始まったという訳です。

 さて、縄の一本も綯うことが出来ないボクにも出来るということで参加しましたが、なるほど、第1回目に作った注連縄は、ちょうど通りかかったメンバーの一人、國久さんに「お! 巳年の注連縄?」と茶化された、栄養不良のような、虚弱な蛇にも劣る注連縄となってしまいましたが、この諫言を発奮材料に、もう一度その場で再チャレンジし、中央部を若干、中太りにする工夫を講じるなど、進化を遂げる注連縄が作れるようになったことが嬉しくて、だれでも無理なく作れるweb版注連縄教室を以下に開講します。一家に一本手づくり注連縄でどうか善き年を。謹賀新年。

web版一家に一本手づくり注連縄!

【用意するもの】一握りの藁、凧糸30㎝、お飾りとして紙垂(しで)
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↑【その1/17】藁を一握りつかみ、大きく揺すって寸足らずの藁、皮だけの藁、ゴミなどをきれいに取り除きます。
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↑【その2/17】飯島さんの足元にははねられた藁が散らかっているのが見えますでしょうか。この作業は結構大切です。この作業をいい加減にして手抜きすると、のちのち、欠陥となって妙に目につくようになります。売り物のように美しくは出来ないながらも、すがすがしいイメージは大切ですから、入念にゴリは取り除いておいてください。
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↑【その3/17】ゴミなどをきれいに取り除いたら、穂先を上にして地を揃えておきます。次に30センチくらいの凧糸か細身の麻縄を用意します。おっと、後に藁束を運ぶシマさんの姿が見えますね。「本年もいろいろお世話になりました」と挨拶しましたら、ふだんと変わりない笑顔。いつまでもお元気で。
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↑【その4/17】とんとんとんと、藁の根元を握りながら揃え、凧糸か麻縄で根元からコブシ一握り分のあたりでキツク縛ります。結構キツク縛っておいてください。
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↑【その5/17】キツク縛ったら、藁束を三等分に分けます。三本の縄を縒って仕上げていきますが、縒り上がったときの太さに関係してきますので、できるだけ三等分になっていることが美しい仕上がりに結びつくことを意識して分けます。
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↑【その6/17】藁束を三等分に分けたら、縛ったすぐ上でそれぞれをへし折るように折り曲げます。
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↑【その7/17】その折り曲げた状態がこの写真です。きれいに三等分になっているかどうかも、この時点で確認しておきます。「お、こちらのほうが藁の本数が少なそうだぞ」と思ったら、一、二本、トレードに回すなど修正しておきます。
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↑【その8/17】手前の藁が邪魔をしていますが、ご勘弁を。さて、いよいよ縒りの作業を開始します。正確に言うとまだ「縒り」の作業ではないのです。ねじっていると言ったらいいでしょうか。三等分したうちのひとつはそのまま残しておき、二つの藁束の根元を握りしめ、ねじっていきます。この写真では右手も左手もほぼ同時に時計回りにねじっているのがわかりますでしょうか。藁束の根元を小脇で押さえるか、足の股で挟むか、それはねじりや縒りの作業がしやすいように、いろいろ試してみてください。飯島さんは左脇で軽く挟んで作業をしていましたが、ボクは左脇に藁束を挟むと左手が動かなくなり、作業が進みませんでしたので、飯島流を放棄し、左足の腿の上に藁束を置き、左肘で押さえ、左右の手で握った藁を時計回りにねじりました。かがみ込むような不自然な姿勢になりました。この姿勢だと数多くの注連縄を作ることは出来ないだろうな。何ごとも姿勢正しく!
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↑【その9/17】ねじり作業の写真です。ねじってもすぐに戻ってしまいますから、ねじったら右手を上、左手を下に回転させながら縒っていきます。右手につかんだ藁束を時計回りにねじりつつ、さらに左手につかんだ藁束を同じく時計回りにねじりつつ、ねじった二本で縒っていきます。三等分した残りが作業を進める下にぼさぼさ状態になっているのが見えますか。
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↑【その10/17】ねじりをきかせた二本を縒り、穂先まで行ったら凧糸で仮に結んでおきます。あまりキツクねじると、細くなってしまいますから、あまりグリグリとねじらないほうがいいみたいです。何遍かやってみると、そのねじり加減が分かってきます。「巳年の注連縄」になってしまった原因は、キツクねじりすぎたことに起因しているのです。
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↑【その11/17】穂先を凧糸で仮に結んでここで再びチェックしておきます。飯島さんは自作を惚れ惚れと見とれていますが、こうした自画自賛する視線が大切です。穂先近くはぼさぼさですが、縒り上がった時点でハサミを入れて見映えを調整できますので、まず何よりも自作注連縄を惚れ惚れと見とれましょう。
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↑【その12/17】残りの一本を同じく時計回りにねじり、ねじりつつ、すでに縒った二本に添わせていきます。
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↑【その13/17】三本が同じようなねじり具合になるように、添わせながらねじり具合を揃え、穂先に向かいます。
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↑【その14/17】三本が揃ったら、仮り結びを結び直します。こうして見ると、飯島さんは、研ぎ終わった日本刀を検分している下級武士のようにも見えますね。でも、下級武士というよりも、ゆったりとした物言い、風貌、性格を考えると、名字帯刀を許された名主と形容したほうが似合っている。
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↑【その15/17】飯島さんのうしろにいて、見よう見まねで作っていたボクですが、写真を撮りながら、注連縄を作っていますから、縒った縄がほどけてしまったり、「え、左手が下? え、申し訳ない、下ってのはどういうことです? ああ、なるほど、そういうことだったか」と、そんな問い掛けもしつつ、つくった注連縄。飯島さんの左手が飯島作、右手がボク作です。
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↑【その16/17】ぼさぼさ部分をハサミで剪定します。
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↑【その17/17】注連縄の尻をハサミで剪定し、出来上がりです。これに紙垂を差し込めば、もう立派な注連縄の完成です。紙垂の作り方はこちらを参照のこと。

 本年もいろいろお世話になりました。畑は新しい発見に満ちあふれていました。明日から丑年の2009ですが、引き続き、豊かな収穫と発見に満ちあふれることを希望して、深謝感謝しております。ぽちぽちとキーボードを打つ手をじっと見たら、注連縄作りでガサガサになった掌がしっかり仕事をした人間の手のように見え、思わず知れず惚れ惚れと見つめ直してしまいました。昔はみんなこんなヒビあかぎれの手をしていたなあ。合掌。どうか、2009が善き年でありますように。
by 2006awasaya | 2008-12-31 12:11 | 真剣!野良仕事

【真剣!野良仕事】[96=悪夢つきの餅つき大会]

2008.12.20(土)
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↑ボクには見慣れた船橋市豊富にある好人舍ですが、改めてこの写真を見ると、東北の鄙びた温泉場に近い山村のような雰囲気が漂います。薪で湯を沸かし、蒸したもち米は臼と杵で搗く極上のお餅。
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↑蒸し上がったもち米を臼に移して、さて、ペッタンペッタン始めましょう。一臼で7.5kgの餅となる。これを5等分して1枚1.5kgののし餅にします。搗き手と返し手の位置関係が飯島方式に則り、幸いにも大きな事故もなく、美味しい餅になりました。甘い餡ころ餅、きな粉をまぶしたお餅もおいしかったですが、大根おろしの絡み餅にしたら、もういくらでも食べられちゃった。
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↑きな粉まぶしの香しいきな粉餅。
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↑つぶ餡をまぶした餡ころ餅。

悪夢!搗いても搗いても餅にならなかったら

 12月20日(土)の9時に、好人舍前の更地に組んだ竃に3段の蒸し器と釜をのせて、もち米を蒸かし始めました。この日、9臼を搗く予定なのです。前夜から山田さんが研いでおいてくれたもち米です。研いでから一臼分ずつ小袋に小分けし、水を張った寸胴に漬けておいたものです。さて、はじめますか、ところで今日は何臼になるんでしょうかと飯島さんが問い掛けるので、「全部で9臼の勘定になります」と返事をすると、顔を曇らせて飯島さんが言うには、「その数、まずいですね。シマが聞いたらひっくり返っちゃう数字ですね。でも、仕方ありませんから、シマに内緒でやっちゃいましょう」。ホテルなど4と9の数を嫌う信仰がありますが、これと似た感覚なのでしょうか。
 しばらくして勢いよく湯気が吹き出します。釜に近い一番下の蒸し器を取り出して臼に移し、一番上に新規の蒸し器を乗せ、餅つきに作業は移ります。。
 だれもお餅つきのスペシャリストではないので、昔やった記憶を頼りに搗く人、見よう見まねで搗く人、それぞれの流儀で搗き始めると、ちょっと気色ばんで、サッカーの試合でよく目にするアピールの仕方で、飯島さんが搗き手にレッドカードを出しています。
「北を向いて搗いてはいけないんです。杵を持った搗き手は東を向き、ほぼ同じ方角を向いて搗き手の左側に返し手が位置するんです。返し手は搗き手と同じ方向を向いていれば、万が一の事故を防げるから。それから、臼は絶対に搗かないでください。嘘はついても臼搗くな。子供の頃から耳にタコができるほどくどく言われたもんですわ。臼の縁を搗くと、餅の中に木の欠片が入っり、始末に負えない。いいですか。臼搗くな。いいですね」
 この日のもち米は、無農薬で頑張る山田農場製のもち米を使っています。
 その山田さんがこんなことをぼそっと漏らしたのがとても印象的でした。
「きのう、実に嫌な夢を見たんです。ボクのもち米、搗いても搗いてもお餅にならないんです。で、きょう、確かめに来たって訳です。そんなことは絶対にないんですが、見に来ちゃいました」
 おお、生産者ってそんなもんなのか。悪夢の残像を払拭しに来たのか。改めて生産者の真っ当な姿勢に感激した次第です。
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↑搗き手は北を向き、返し手はその正面に位置するという、神をも畏れぬ地獄の位置図。こちらのシーンこそ、シマさんには見せられませんね。
by 2006awasaya | 2008-12-24 19:09 | 真剣!野良仕事

【真剣!野良仕事】[95=カブ4種に挑戦報告]

2008.12.13(土)
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↑球形部分がちょうど1センチ時代の本紅丸かぶ。もっと小さい時代もおしゃれな紅を茎に染めていて、なんとも可愛らしい。

肌理こまかな白き蕪

 塩漬けにした大振りのカブをぶ厚に切り、切れ込みを入れ、その中にこれも塩漬けにした薄切りのブリを挟み込み、細かに刻んだニンジンと米麹に漬け込み発酵させたナレ寿司がカブラ寿し。冬の北陸で上手いものと言ったら、やはりこれだな。カブは煮ても漬けものにしても独特の香りを失わない強情ぶりが好きで、遠い昔からバクバクいただきたいという意地汚さをかなえてやろうと、昨年、自分の区画でカブづくりに挑戦したのですが、見事に失敗。原因はアブラムシ、アオムシなどの虫たちでした。収穫時期を逃してしまったこともあって、光沢を放つ白い肌に、規則性のない我が儘勝手な傷跡を残し舐められ放題でした。

「よし、来年こそ、白く輝く肌理こまかなカブを作ってやるぞ」と、誓ったものでした。こうした恨みつらみが農業には大切なインセンティブになるのだと思うのです。そして今年の9月27日(土)、30センチほど深く掘り起こし、1メートル幅の畝を作り、金町小かぶ(サカタ)、黄金カブ(藤田)、早生の耐病ひかり(タキイ)、本紅丸かぶ(サカタ)の4種類を筋蒔きにしました。

 昨年初めてカブを作って分かったのですが、どのように成るのか実は知りませんでした。
 白く輝く球形部分が地中に隠れていて、引き抜く時には結構抵抗があるだろうな、数を引き抜くと腰にくるだろうなと、そんな風に思っていたんです。ちょうど氷山のように、海面に姿を現しているのが1で、海中に9という案配で球形の部分が土中にあるのだと思っていたんです。

 でも、成長を観察すると、球形部分の直径が1センチになっても5センチになっても8センチになっても、地中には潜り込まず、球形の底辺のわずかな部分で球形とその上に繁る葉を支えていたんです。

 球形の先っちょには細いヒゲのような根が球形部分の3〜5倍の長さでほそぼそと地球の中心を目指して伸びていて、この細腕で健気にも地上部分を支えていたのでした。このことが分かったとき、「ああ、ご苦労様」と労ったものでした。その健気ながんばりを摘んでしまうのは、神をも畏れぬ不敬かもと逡巡し、それで収穫時期が来ているとはいえ、もう少しその細腕で頑張ってもらい、もっともっと大きくなってもらおうじゃないのと、そんな理由で2週間置いてしまったら、虫たちに無惨にも舐められてしまったのです。

 飯島さんが言うには、「発芽から2週間くらい、球形部分が直径5ミリで大半を間引きし、間引いた若芽を味噌汁などの具としていただきながら、さらに直径1センチくらいになったら株の間隔を空けるように間引きし、以降、ほどほどの大きさになったカブから収穫するといいです」とアドバイスを受けた通りに栽培し、どうです、この輝かしきカブの姿。
 カブラ寿しは作れませんが、クリーム煮にして存分にいただきました。
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↑こんな風に4条の筋蒔きで畝を作りました。9月27日のこと。左から金町小かぶ(サカタ)、黄金カブ(藤田)、早生の耐病ひかり(タキイ)、本紅丸かぶ(サカタ)の4種類です。
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↑金町小かぶは裏の説明書を読むと小かぶの代表格で、直径8センチ、球に近い腰高で肉質は緻密、甘みと独特の風味が魅力とあります。その通りのカブが出来ました。ちょっと見えにくいのですが、袋の右の溝に見えるのが種で、色は焦げ茶色。
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↑黄金カブは表皮が美しい黄金のカブと説明がありますが、実際に育った黄金カブを食べて見ると、大根でした。カブはスライスしてサラダにして使うと美しいと書いてありますが、この点はその通りでした。種は黒に近い焦げ茶色。
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↑早生の耐病ひかりは種子に農薬がまぶしてあり、キラキラと輝くブルーの種でした。ウイルス病に強く、肌は純白で艶があり、鬆入りや根割れがしにくいと説明にあり、本当にその通りの手間いらずで期待通りの美味しいカブでした。
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↑本紅丸かぶは酢漬けと塩漬けでいただきました。種は茶系で濃淡ばらばら。
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↑一番左とその右となりの大きな玉が早生の耐病ひかりで直径10センチと8センチ、次の4つが金町小かぶ、黄色いのが黄金カブ、本紅丸かぶの順です。
by 2006awasaya | 2008-12-22 17:31 | 真剣!野良仕事