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【真剣!野良仕事】[239=元禄当時のネギ、うまし]

2016.3.6(日)
果報は寝て待て

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大半は収穫済みのネギ畑。写真奥に未収穫の畝が見えます。あれれ、こんなちょっと!
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ところが、近づいて見てみると、いやあ、もの凄い量のネギです。スコップが立っているところからネギが植わっているところまで、約2メートル弱を抜いてきましたが、それだけでも凄い量です。重量を量るの、忘れてしまいましたが、約2メートル弱のネギは、30kgのお米を入れる紙製の袋に一杯でした。

「果報は寝て待て」と言いますが、本気で寝入ってしまい、ああ、よく寝たと、寝ぼけ眼をこすりながら、さて、肝心の果報ってなんだったっけ?ということも、最近は結構あるんです。「焦らずに、静かに時機が来るのをじっと待つ」というのが本意にもかかわらず、うつらうつらと寝入ってしまっては、いやはや情けない。
 およそ半年前の炎天下に、ネギの草取りをして、[231=ネギの草取り]として2015年8月3日にアップしたのです。そのご褒美をじっと静かに、立派なネギになるまで、とにかくじっと待っていたにもかかわらず、スコンと忘れてしまって。
 先日、飯島農園の檜山さんから、「早くしないと、あのネギ、無くなっちゃうよ」と言われ、「そうそう、そうでした、忘れたわけではないのですが」と、少し強がりの返事をしたのですが、内実は忘れていたのです。寝ている間に忘れていたのでした。
 そこで、急ぎいただきに上がらなくちゃと、昨日の土曜日に畑に行ってきたんです。
 なるほど、畑にはわずか1畝を残してキレイに収穫済みでした。
 でも、しっかりご褒美は残しておいていただいていたのです。
 嬉しいですね。心ほろほろしてきます。
 あの暑い夏の日、2リットル入りのボトルをゴクゴク飲み干して、全身汗水漬くで働いたご褒美は、畝の長さに換算するとおよそ5メートルくらいでしょうか。とりあえず2メートル弱分を掘ってきました。
 そして一日置いた今日日曜日の夕飯は、ネギをたっぷりいただくお鍋にします。外を見ると、小雨も降り出し、寒さも帰ってきています。夕飯の準備の前に、葱が大好きな芭蕉さんはどんな味わいを句に詠んでいるのでしょうか。
 さっそく加藤楸邨先生の『芭蕉全句』を開いてみたら、ありますね。

葱白く洗ひたてたる寒さかな

 元禄四年の冬の句会でとあります。葱と書いてネブカと読むそうです。水で洗っての白さではなく、寒さゆえの白さだというところにこの句の味わいがあると楸邨先生はおっしゃっていますが、今夜のネギは元禄当時と全く同じ無農薬のネギです。雑草を生やさないために、苗の植え付け時点ですでに畝の底部に農薬を散布するのが当たり前となっている現代農家産の極普通のネギと比べたら、全くの無農薬で作る飯島農園のネギは貴重で、それゆえに高価な農薬がなかった江戸期と同じだと言ったので、手がかじかむ寒い外の水場でネギを洗わずに済むだけありがたい。さあ、存分にいただきましょうか。
by 2006awasaya | 2016-03-06 18:48 | 真剣!野良仕事

【真剣!野良仕事】[238=終わり善ければすべて佳し]

2016.3.1(火)
ニンジンとダイコンのマゼコゼ切干し

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↑畑のお仲間というか先輩の坂本さんから頂いたニンジン、ダイコン入り混じり切干し。乾燥が効いていて、ふんわり軽く、ダイコンとニンジンの香りも豊か。さっと水で戻してそのまま調理できる。ああ、嬉しい頂きもの。
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↑頂いた切干しを水で戻し、房総に行った折、道の駅ふらりで買ってきたヒジキも水で戻して小さな鍋に混ぜ、冷蔵庫の奥の方に隠れるようにあったさつま揚げを細かく刻んで煮込んでみました。常備菜としてはなんともご機嫌な出来上がり。翌日は味もしっかり滲みていて、レンジで30秒チンするだけで、ビールの肴にも極上でした。坂本さん、お礼が遅れましたが、今後ともよろしくご贔屓ください。


 切干しを頂いた坂本さんは、「あたりまえの自然の素晴らしさ、それを維持することの難しさ。町や世相の小さな変化、そんなセンサーを研きたい」という意志を持って「自然って ことは」というタイトルのブログを開いている学級派の農耕人です。昨年末になりますか、「今、切り干し大根と切干しニンジン作りに大忙しなんですわ。この寒さ、この北風の強さに世間様は縮こまっているでしょうが、むしろ感謝しているんです」と、多少強がりのコメントを書いていたことがありましてね。
 ちょうど、こちらは風邪で寝込んでいた時期でしたので、「歯の根も合わぬほどの寒風に晒された切干しなら、さぞや極品でしょう。出来上がったら、ほんの少しで構いませんからいただけませんか」とコメントをつけたのです。
 すると、「出来上がりを待つべし」とリターンがあり、それが先月下旬、ある会合でご一緒した折に、「いつか頂戴って言ってたあの切干し、持ってきたから」と、手渡されたのでした。大きなビニール袋いっぱいに、ニンジンとダイコンの切干しがほぼ半々割のミックス状態で、ごそっと入っている。

長谷川 いやあ、こんないっぱい頂いちゃって!ありがとうございます。これだと相当長期間、食べ続けられますね。いつも、切干しを作る量が少ないので、すぐになくなっちゃう。こんなに沢山頂くと、嬉しさもひとしお長続きしますね。
坂 本 ダイコンの切干しは畑の皆さんも自作しているでしょうが、ニンジンの切干しって、皆さん、そうそうは食べたことないでしょ。乾燥させると甘みが一層強くなるのか、我ながら旨いなあと思います。
長谷川 ええ、ニンジンの切干しって、実はボク、坂本さんに教えられるまで、全く知りませんでした。えっ、なにそれ!状態でしたもん。しかも、ダイコンとニンジンがマゼコゼ状態になってると、いちいち混ぜ合わせる手間も要らないし、いきなり調理というか、水に漬けてしばらく時間を置けばすぐ煮始めればいい。なるほどと思いますよ。一体全体、誰がこんな工夫をしたんですか。坂本さん、でしたか。
坂 本 あはは。全くの偶然なのよ。それまではダイコンはダイコン、ニンジンはニンジンと、別々に干していたの。それで、乾燥が終わって、取り込む段で風をもろに受けて混ざっちゃっただけなの。でも、結果はそれが正解だったんだけど、混ざっちゃった時は、正直、あれれ、どうしよう、元どおりに選り分けるのは大変だ、どうしよう、どうしようって、作業に当たっていた全員が途方に暮れて、でも、これはこれでいいんじゃないという慰めというか、優しい執り成しの意見もあり、その時はそのままマゼコゼの一部を各人が持って帰り、自宅で料理してみたってわけ。で、切干しの煮物をやってみると、手間いらずだってことが実感できた。
長谷川 結果オーライってわけですね。
坂 本 う〜ん、そう言っていいのか。
長谷川 失敗は成功のもと、でしょうか。
坂 本 う〜ん、かすっているけど、微妙にずれているような。
長谷川 失敗は成功の母、という言い方だと、何かの発明品かということにもなりそうで、単に混ぜて後々の工程を便利にしたにすぎなくもなく。
坂 本 やはり、終わり善ければってところでどうでしょう。風のいたずらなんですから。
長谷川 ということは、結果オーライってことで。

 そんなこんなの問答を交わし、ありがたくマゼコゼの切干しを頂いて、早速作ってみたんです。そしたら、ニンジンの甘いこと。来年あたりは、各地の農産物直売所でも流行りそうな気配がしてきました。
 これから、切干しの煮込み以外に、半生に戻してからかき揚の天ぷらがどんな具合になるのか、近々試して、美味いか不味いか食えないかの報告をすることにしましょう。
by 2006awasaya | 2016-03-01 20:53 | 真剣!野良仕事