【真剣!野良仕事】[100=エダマメは苛めて育てる]

2009.4.15(水)

苛めて育てる!
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↑館山湾の北に武骨な腕を突き出したような大房岬。その周囲をぐるりとカヤックで漕ぐ。穏やかな湾とはいえ、風が強いと難儀する。手前のカヤックに三男舜太、妻の広子、その向こうのカヤックにいとこの諒が乗って、懸命に櫂を漕いでいる。
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↑高山さんにいただいた大きな鉄製イワンボ。これくらい大きな鉛製のイワンボは見たことがあるが、鉄製のイワンボは初めて見た。掌に乗る3つは陶製のイワンボ。イワンボとはおもに房総周辺の方言で、近海物の刺し網の錘のこと。今回いただいたイワンボはこの大きさで286個。思っても見ない大漁だ!

 最近、忙しくしていることもあって、自分のブログもなかなか更新できず、気がついたら3カ月も手つかず。
 3カ月というと四季のうちの一季分にあたる。嗚呼、無為無策。
 大変に難しいことながら、もしも勤勉に精を出し、畝をきれいに整理して、小松菜でも大根でも落花生でも、3カ月あれば収穫の喜びにうちふるえている頃なのに、嗚呼。
 そうそう、海への思いも拭い難く、高速料金が週末に限り1000円になったことを味わいに、「おーい、待ってるぞ」という南房総からの呼び出しに、素直に応じるボクなのです。
 先月も、妻が、今度中学生になる従弟の諒をつれて館山のシーカヤックツアーに参加したんです。ボクは肘が痛くて不参加。そのかわり、海辺でイワンボ拾い。おかげで高山さんというワカメ漁師さんとも知り合いになり、ひょんなことからイワンボ話に。
「いつもは岩井袋で拾うんですが、なかなか見つからなくて」とぼやいたら、
「あれれ、そうかね。それはそうと、あんなもん、どうすんだ。うまい利用の仕方、あんのかい? つい2カ月くらい前に、千倉のほうにいる人が欲しいっていうんで、俵で2俵分くらいあったかなあ、あげちゃったばかりなんだ」というんです。タッチの差です。
 ボクが余程に悔しそうにか、無念そうにか、とにかく名状し難い表情をしていたからでしょうか、高山さん曰く、
「まだどこか探せば出てくると思うよ。こんど探しておくから。出てきたら連絡すっから、携帯の電話教えて」なんて優しく肩叩かれて帰ってきた翌日、高山さんから電話。
「ワカメの高山です。あれから納屋を探してみたら、300くらい出てきたよ。いつでも取りに来なよ。女房に長谷川さんのことは言っておくから」と。
 ありがたいことです。もう、仕事どころではありません。週末になるのも待てず、車を飛ばしていただきに上がりました。あいにく高山さんは漁に出ていて不在。奥さまにお礼を言っていただいてきました。自宅に帰って、水洗いしながら数えてみましたら、なんと、286個。ああ、海はいいなあ。海の男はいいなあ。

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↑この畝で苛めながらエダマメを育ててみよう。ウサギと鳥除けに、四隅にヒモを張って注意喚起のつもり。
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↑飯島農園のハウスで芽を出したエダマメ。昨年は「湯あがり娘」がいちばんうまいと言っていたが、今年も「湯あがり娘」がいちばんだと飯島さん。この苗を植えたのがお隣の小林さん。

 そんなこんなで、たまに畑に顔を出すと、やはり畑は畑で新鮮ですね。ウグイスが啼き方の練習に熱中していました。この時期のウグイスって信じられないくらいヘタクソで、「ホーホケキョ」なんてすんなり啼けず、「ホー、ホケ、ホケ」と、吃ってしまうのもいれば、「ホーホケキョケキョケキョケ、キョ、キョ」など、出だしよくてもうまく締めくくれずに息切れして途方に暮れているのもいて、舞台稽古の楽屋裏に居合わせたようなバツの悪さを感じたりしながら、一輪車で堆肥を入れて、飯島さんにトラクターで畝っていただいたのが先週のこと。
 一週置いてマルチを敷いて、一穴に「サッポロミドリ」を2粒播きました。お隣の小林さんは「湯あがり娘」を苗から植えて、トンネルも掛け、いつもながらに丹誠こめた仕事ぶり。
 ところが、飯島さんとおしゃべりしていると、こんなことを言うんです。
「長谷川さん、エダマメやるんですって。畝はきちんとできていますから、いいエダマメができるはずですが、ご存じでして? エダマメは苛めて育てるって」
 ええ? 苛めるって、嫌だなあ、苛めるのって。
「麦踏み、やったことないでしょ。麦も苛めて育てるんです。しっかり踏みつけてやらないと、たおれっちゃう。同様に豆ものも苛めて育てると、おいしくなるんです。モノを見て、過保護に育てるのがいい場合と、そうではなくて、苛めて育てるほうがいい場合とがあるんですわ」
 ああ、久しぶりに聞きました、『飯島節』を。
 で、どんな風に苛めるのだろう。
「エダマメの場合、定植作業それ自身が苛めて育てることに当たる。露地に実生でそのまま育てるよりも、植え直す際に根が切れたりするでしょ、それが苛めることなんです」
 定植作業が苛めるってことなんでしょうか。
「そう。きっとうまいエダマメができると思いますよ」
 品種によってさまざまな対応を取っていかなくては行けないとは、いやはや、難しいものである。お隣の小林さんの、きれいに掛けられたビニールのトンネルを覗くと、マルチシートの穴には苗の状態でエダマメがもうしっかりと根付いていた。
by 2006awasaya | 2009-04-16 14:09 | 真剣!野良仕事


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