【隠された世界】

 知り合いの農家に「船橋の近くに鎮守の森がまだ残っていない?」と尋ねたら、
「農業を重点的にやっている地区なら、まだまだあるんじゃないの」ということでしたが、その方にとっては当たり前すぎて話を別方面へ誘導したがっている。
 で、成り行きに任せておしゃべりをしていたら、意外な方向へ。
「鎮守の森に関係した話じゃないと聞かない?」
「そんなこともないけど」
「鎮守さまではなくて、権現さまって言う集まりが年に一回あるんだ」
「なにそれ?」
「なにそれって、農家の奥様が年に一回、おしゃべりをする会なんだ」
「なあんだ、年に一回ね、おしゃべりをね」
「そう、女だけの秘密のおしゃべり集会。ここで聞いた話しゃべった話は他言無用と言うキツい縛りというか、掟があって、お話の内容は夫婦の愛の話」
「ウソでしょ」
「嘘みたいなほんとの話。だから、ぼくら男はなんも知らないのよ、この集会の内容については。昔からあった集会なんだと思うんだけど、そんな集まりが地域の隠れた絆だったりして」
 少なくとも、都会にはなかったような気がする、この手の集まりは。明るい農村の、その明るさは案外、こんな情報披露にあったのかも。
 そんなおしゃべりをした翌日、海も山もある船橋の山の中を車で走っていたら、ギョ! 大きなタブの木の根元に、こんな道祖神がおまつりされていた。ウソのようなほんとの世界への目印? 
 ああ、まだ異次元の入口は探せば見つかるのだと安堵した。
(hasegawa)
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by 2006awasaya | 2006-03-15 10:02 | 船橋


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