【真剣!野良仕事】[125=お米の話(6)]

2010.7.12(月)

『お疲れサマー』は夏のご挨拶
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↑まったくお恥ずかしいシーンです。ぬかるみに右前輪をとられ、抜き差しならぬ状態。田んぼのメンバー総出で丸太を持ってきてくれたり、鉄板を拾ってきてくれたり。それらを前輪にかませ、ゆっくりアクセルを踏んでも、空回りするばかり。「だめだ、これ。JAFに助けてもらうしかないよ」と。で、長谷川が加入している保険会社を通じて、レスキューをお願いした。と同時に、田んぼの仲間が、「農道で長谷川さんの車が立ち往生しています。助けてあげてください」と飯島さんに連絡してくれていた。ありがたいことだ。
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↑エダマメ収穫に大忙しのこの時期です。荷台にエダマメを積んだままの4WDで駆けつけてくれた飯島さん。状況を確認し、ロープで長谷川の車と結ぶと、「はい、荷台の隅のこことここにひとりずつ乗っかって。長谷川さん、ハイって言ったら、ゆるーくアクセル、踏んで! ハンドルはそのまま。それじゃあ、いきますよ。ハーイ、アクセル!」 するとまあ、さすが4WD! 空転するだけの前輪が牽引を受けて轍から抜け出せた! 路面がしっかり乾いているところまできて、牽引終了。「忙しいこの時期、ご面倒をおかけしました。ありがとうございました」とお礼を申し上げると、「田んぼでのことは農家に任せてよ」と、余裕の笑顔の飯島さんでした。

 7月11日(日)。この日、田んぼの草取りに好人舎から車で移動。ところが、いつも利用している農道の入り口に軽トラックが駐車していたので、入れない。仕方がなく、別な農道に入ったら、ご覧の通り、ぬかるみにはまり込んでしまい、自らの無知を曝け出してしまった。とほほである。
 いろんなことが起こるものだなあ。これから暑さがますます増す今後はもっと周到に、もっと慎重に。汗だくの自戒ばかりが続く日々だ。
 さて、ボク、眼鏡をかけているので、裸眼の方に比べると眼鏡がある程度ガードしてくれるのです。前回までの草取り作業は、目を保護するためと、こと改めてゴーグルを装着することはありませんでした。
 ところが作業開始前、鷹島さんから、「草丈がだいぶ伸びてきています。長谷川さんは眼鏡をしていますが、ゴーグルをつけるなど、目をつつかれないよう、厳重に注意してください」と注意喚起の声かけをしてくれました。ボク、年齢のせいか、日頃の不節制の故か、視界の一部が欠損する緑内障。屈んで作業をするので、ちょうどイネの葉先が顔に当たる。眼鏡の脇からも葉先が目元をつつく。はやり鷹島さんの注意は優れていた。
 指示を守り、農作業では初めてゴーグルを装着して、田んぼの中へ。
 腰を屈める。ちょうど顔に葉先が当たる。鼻の穴にも刺さることがある。猛烈に痛い。激しいくしゃみも出る。大量の涙。大量の汗。でも、ゴーグルをしていると、目だけはしっかりガードしてくれていることがよくわかる。ああ、安心して作業ができる。ゴーグルをしてよかった。
 ところが、とにかく蒸し暑い。大量に滴ってくる汗でゴーグルの内側はすぐに曇ってしまう。その曇りようがダイビングしているときとよく似ていることに気づく。数年前まで、南房総の岩井袋で水面を漂いながら、夢中になってイワンボ拾いをやっていた時分の記憶が一気に、一瞬にしてよみがえってくる。指先はヒエやオモダカ、クログワイ、セリ、コウキヤガラ、マコモなど「稲の雑草」(我孫子市の岡田農場の「雑草図鑑」のページです。わかりやすい写真が掲載されているので、ブルー文字の「稲の雑草」の文字をクリックすると該当ページが開きます。覗いてみてください)を毟りとり、引き抜いているのですが、曇ったゴーグル越しの視界は水中を漂っているような気分。ただし大きく異なるのは、視界全体の色調が鮮やかなグリーンだってことと、腰が猛烈に痛いこと。
 水中にもぐって見上げる空は、映画館の大きくワイドなスクリーンの向こう側、つまりスクリーンを間にして、客席とは反対側から映画を見るような、天地左右が真逆なシーンが展開されていて、そのスクリーンが各所各所で恣意的に歪んでいるものだから、きらきらと輝くやわらかなマジカルミラーのようなスクリーンを透かし見るよう。なんともシュールな視野。しかも全身の筋肉を弛緩させ脱力して漂っているので、医療用の大型ウオーターベッドの上で寛いでいる、そんな幸福感に満たされるのがダイビング。
 一方、田んぼの中は新緑の稲の海。視界から受けるストレスは、なんともさわやかで不思議な感じなのです。このまま時間が早送りされて秋になり、稲穂が頭を垂れる頃ともなれば、黄金に輝く風景のただ中を漂える訳で、これをこそ、この世の至福と甘受するのがただしい人生の過ごし方なのでしょう。
 ゴーグルの曇りを拭き取るために、腰をさすりつつ、ジワジワとのばして深呼吸。まるで水面から顔を上げ、シュノーケルのマウスピースをはずし、プファーと息継ぎをするそのひとときにも実に似通った安息の気分です。
 田んぼの草取りをしながら、海辺で遊んでいる。ダブルファンタジーとは二重の視覚風景を汗みずくで楽しむ夢心地を指すのかしら。
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↑プファーと息継ぎをするために水面に顔を出し、ゴーグルをはずして曇りを拭う長谷川です。
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↑全身汗みずくの仲間です。あれれ、金子さんの姿が見えませんが、とにかく、お疲れさま。夏は「お疲れサマー」が挨拶言葉ですね。
by 2006awasaya | 2010-07-12 16:06 | 真剣!野良仕事


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