【真剣!野良仕事】[143=3.11以後]

2011.3.23(水)
救国の散財

 2.26、1.17、9.11など、政変や自然災害、テロの恐怖など、発生した事象の意味を数字に集約して私たちはさまざまに記憶してきたわけですが、ここにもう一つ、3.11が加わりました。
 未曾有の大災害に遇われたみなさま、心よりのお見舞いを申しあげます。叩頭して向こう100年、この日から続く艱難辛苦を記憶し、語り継ぎ、共有していこうと思います。
 あの朝、いつもどおりの時間に、いつもどおりの道を歩いていました。犬の散歩です。名前は小夏といいます。3歳のメスの豆柴です。途中、登校する小学生たちの安全を見守るおじさんに頭を一つ、撫でてもらい、うっとり顔の小夏でした。朝に夕に交通安全に立つ二人のおじさんのうち、今朝のおじさんが小夏は好きなようで、どんなに遠くからでも、彼の姿を認めると、クルンと巻いた尻尾を、まるで団扇で扇ぐようにして左右にパタパタと振るのです。冷却装置なのかもしれません。心の中が熱くなっているんでしょうね。尻尾は人間でいうと顔の表情筋とほぼ同じ神経系統でコントロールされているようで、その動き具合で心の中が丸見えなのです。表情以外に、心の内側を他者に伝えられる部位があるなんて、なんとも羨ましい限りです。
 散歩から帰り、朝食を済ませて外出の準備。この日、午前10:00に神田神保町にある掛かり付けの歯医者さんに定期検診の予約を入れていたので、総武線快速と都営地下鉄を乗り継いで片道30分で神保町に行き、診察を済ませ、古書店を何軒か覗いてから帰宅。
 遅い昼食をとり、仕事部屋に戻り、パソコンのスイッチを入れ、ジャーンという起動音が鳴ったそのとき、ポケットに入れていた携帯が耳障りな警告音を発したのです。「緊急地震速報」です。パソコンのモニターが倒れてこないように中腰になりながら手を伸ばして支えていると、速報どおり、背後の本棚が騒ぎ始め、すぐに部屋全体が大きく軋みながら上下左右に揺れ始めました。僕の仕事部屋は1階にあるので、揺れが収まるのを待って2階に声をかけました。妻の仕事部屋は2階なので、もっともっと激しく揺さぶられたでしょう。

 一人一人、あの大震災を迎えるまではいろいろな過ごしようだったと思いますが、あの激甚を境に、風景は一変してしまいましたね。

 でも、どのように世の中が変わろうとも、私たちはそれぞれの範囲内で持続可能な応援を被災地の方々に送り続けなくてはと思います。
 今朝3月23日の朝日新聞天声人語欄は意気消沈する日本経済を活気づかせるきっかけにもなる最初の一歩として、「救国の散財」を呼びかけていました。すてきな呼びかけですね。激甚を免れた地域の我々は、ここ数ヶ月はできるだけ散財することにしましょう。できれば東北産の「オラが自慢の逸品」を通販でも、TVショッピングでもいいので、求めるようにしようと思った次第です。
 ところで、あの日、14:46のあと、ほぼ15分ごとに襲ってきた余震で本棚の本が倒壊しないように、本棚の本を床に平積みにしました。平積みにするとすぐに崩れてしまい、足の踏み場もないほど散らかり放題です。「究極の散在」といったところでしょうか。
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↑ノートブックタイプのパソコンが起動しなくなり、京葉線新浦安駅前にある修理センターに持ち込みました。浦安市は液状化が激しく、ライフラインの一つ、水道が断水だと聞いていました。そのように聞いてはいましたが、聞くと見るでは全く違いました。駅ビルから外に出たとたん、建物と道路の間から吹き出した砂が山になって積もっています。どこかリゾートっぽい雰囲気で都市計画されているこのおしゃれな町は、地中から吹き上げてきた砂で埋まっていました。修理センターの入っているビルは3.11以来断水が継続中ということでした。交差点に架かる歩道橋は30㎝から50㎝も段差ができていました。
by 2006awasaya | 2011-03-23 14:10 | 真剣!野良仕事


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