【真剣!野良仕事】[163=混沌その後]

2011.7.16(土)
混沌その後
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↑「スイカ畑を空中で交差するこれ、受粉などの管理をするための渡り廊下、ですか?」と阿部さんに尋ねると、「尾瀬沼などに敷いてある木道ってところかな。ミカンのネット、見えます? あれ、スイカの空中栽培。それから、葉っぱだらけでどこにスイカがあるか、分からない。そこで、スイカの在処が分かるように、棒を立てたの。すぐわかるでしょ」。
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↑「先週か、スイカの蔓を踏んずけちゃって、せっかくここまで大きくなったのに。庄内では、スイカのみそ漬けや粕漬けがあるから、この未熟なスイカ、それにしてみようか」と、奥様の冨美子さん。

 人生を面白く楽しんでいる人たちが、畑にはいっぱいいるなあ。
 スイカ作りに励んでいる阿部さんとのおしゃべりから。
長谷川 この橋のような廊下のような木片、なんです?
阿 部 受粉をしたり、雑草を刈り取ったりするとき、蔓を踏んだりしてせっかくのスイカをだめにしちゃうでしょ。それで考えたのが木道。尾瀬の湿原では環境保護の観点から木道しか歩いちゃいけないでしょ。それをヒントに差し渡したんだけど、あはは!
長谷川 あははっていうことは、つまり?
阿 部 そう、木道の幅が狭すぎて落っこちそうになって。もし転げていたら、スイカの蔓の大半がだめになっちゃってたはず。
長谷川 ボク、この木片では阿部さんの体重を支えられないって感じがするんですけど。
阿 部 う〜ん、そうね。

 いま、阿部家のスイカ畑では、宮崎の完熟マンゴー「太陽のタマゴ」で一躍脚光を浴びた空中ネット栽培をそっくりまねた「空中ネットスイカ」を栽培中。

 もう一人。大村さん。
 今年の七夕は生憎の曇り。天の川も見られなかった。その翌々日の土曜日、7月9日のこと。
 朝から枝豆のバックヤード仕事は始まっていて、ガンガンゴロゴロ、脱穀機が絶叫している。
 で、久しぶりに枝豆作業のお手伝いでもしてみっかと、脱穀機「マメモーグ」作業に入る。脱穀機の騒音で、周囲3メートル以内ではふつうの会話はほとんど聞こえない。騒音に加えて猛烈な暑さ。頭の中が無政府状態。気分転換をしなくてはと、朔太郎の「月に吠える」を真似て、オオカミのような大声を上げて暑気払いをしてみた。誰も聞こえないしと、さらにオオカミを真似る。意外と頭がすっきりしてきた。さらに吠えてみる。ウ〜ン、いい感じ。するとその遠吠えを聞きつけたか、大村さんがつかつかと歩み寄ってきて、ボクの顔を心配そうにのぞき込んで、耳元めがけてこう言うんです。

大 村 おとといは曇りだったけど、今日は晴れているから、今夜は会えると思うよ。
長谷川 ということは、ボク、彦星?
大 村 そう。織り姫とは今夜は会えるから、心配しないで!

 ボクも大村さんの耳元に叫び返す。

長谷川 あはは。欲求不満の雄叫びと、そのように大村さんは解釈したの?
大 村 それ以外に、どんな解釈があるの?

 このような「いじり合い」って、いいもんです。とりあえず、暑中お見舞い申し上げます。
by 2006awasaya | 2011-07-16 22:59 | 真剣!野良仕事


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