【真剣!野良仕事】[168=一緒に米作り、しませんか 12 倒伏その後]

2011.9.8(木)
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↑根元近くの節間で折れた倒伏とは違うものの、正常な状態の成育具合でもない一画。寝乱れた花魁の朝って感じがしないでもないが、実際に見たこともなく、さて、何に例えたらよいか。そうか、思い出した。中学時代の我がゴワゴワ頭髪がこうだった。これなら手刈りではなくバインダーで刈り取りができそう。

【倒伏の原因と対策】

 倒伏をメンバーに連絡した8月27日(土)の翌日から、様々な意見が寄せられるようになりました。
 例えば、メンバー阿川さんからのメール。

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 稲の倒伏の原因や対策についてネットで調べてみました。ご参考まで。
倒伏原因:
 ・日照不足で成長ホルモンが抑制されず節間が徒長し弱くなる。
   例えば、葉が茂り過ぎると根元が日影になり徒長し易い。
 ・窒素肥料が効き過ぎても徒長する。
 ・根腐れや病害虫(紋枯病、ニカメイチュウ、トビイロウンカ)で強度が弱くなり倒伏する。
 ・風雨などの外的力が倒伏を助長する。
対策:
 ・1株当たり3〜4本の植え付けが適当。
 ・窒素肥料を減らす。
 ・水管理→中干し
 ・病害虫防除
 ・台風が近づくと深水にしておくと倒伏が避けられる

なお、詳細は下記サイトを覗いてみてください。
■http://www.tanbo-kubota.co.jp/watching/watching35.html
(工作機械メーカーのkubotaが提供しているホームページ「くぼたのたんぼ」。米作りの百科事典)
■http://www.pref.shimane.lg.jp/nogyogijutsu/gijutsu/ine-sisin/ine-sisin.data/028.pdf#search
(島根県の農業技術『稲指針』。倒伏について、専門性の高い説明)
■http://www1.sumoto.gr.jp/t-kubo/i-sindan.htm
(淡路農事研究会が運営する「パワフルファーム」。掲載資料がしっかりしている)
■http://blog.goo.ne.jp/mrin_mizuho/e/ee9fa2ba862ff7295c0478b126b3dba7
(Mリン農法の販促ページ。ただし、倒伏防止剤はホルモン剤故、使用するなと注意書きあり)
■http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1247339922
(Yahoo!知恵袋。かなり本格の回答でベストアンサーが読める)

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 阿川さんから教えていただいた「倒伏」関連のweb資料以外に、平成13年度 新潟県農林水産業研究成果集の1普及技術-7.生育指標による「コシヒカリ」条播種直播における倒伏防止技術http://www.ari.pref.niigata.jp/nourinsui/seika01/fukyu/07/010107.htmlが示唆に富んでいて有益なページでした。しかしながら専門用語が多く、辟易。

 坂本さんからもmailをいただき、結論から言えば、密植が倒伏の原因と思えばいいということですが、ボクには、坂本さんのブログ「自然って ことは…」の9月4日(「葉っぱの事情(稲)」)がまことに示唆に富む一文でした。

 摘み食いをするように要約すると、「稲は葉っぱ5枚程度で穂に付く100〜150粒の米を実らせる。わずか5枚程度の葉の光合成産物のデンプンは穂の米粒を実らせる。たった5枚の細い葉で陽を受け、米を実らせるわけですから、畝間距離、株間距離、田植え時の1株あたりの苗の本数に細心の配慮をしなくては」。そんな趣旨でした。密植がいかに害多く、益少ないことが分かってきました。

 では、密植の反対語は何だろう。密植の対岸にある優良な成育法は何だろう。手元の類語反対語字典で密植の反対語を探すと、おお、「疎植」か!
 さっそく、[ルーラル電子図書館]>現代農業>現代農業用語集>稲作・栽培体系で「疎植」を調べてみました。
 以下、その説明を引用してみます。
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 単位面積当たりの株数を多く植えるのを密植、少なく植えるのを疎植という。では坪当たり何株植え以下なら疎植というか? 定義はないが、地域の平均と比べて少なければ疎植といっている場合が多い。
 疎植の優れているところはまず苗箱が少なくてすむこと、そして何よりもイネが健康に育つこと。疎植のほうが下葉まで日光が当たりやすくなるので根張りもよく、イモチ病やモンガレ病も出にくい。草丈が少々伸びようが、茎が太くなるので倒伏に強い利点もある。植える株数が少ないほど単位面積当たりの茎数のとれ方がゆっくりになるので、そのぶんへの字生育をしやすくなるともいえるだろう。ダイズや野菜をつくったあと、レンゲ田など、チッソ肥効が高まりやすい田にもむいている。
 以前は、ポット田植え機を買うか、田植え機の植付け部を改造しないと坪五〇株未満の疎植は難しかったが、最近では井関農機から株間三〇cm・坪三七株植えができる田植え機も販売されている。あるいは、何条かおきに条間を広げて疎植にする方法もある。熊本や愛媛などでは、地域的に疎植栽培に取り組むところもできてきた。
 極端な疎植は、遅れ穂が原因となって青米が増えるなどのマイナスの影響もあるが、疎植ほど、そのイネ本来の姿が見えてくる。

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 今年の稲刈りも済んでいないウチからこんなことを言うのもナンですが、来年は畝間条間40センチの間隔をしっかりと守り、1株は苗3本としたい。こうすると、先に紹介した新潟県農林水産業研究成果で掲げられている数字を実現出来そう。
 
・苗立数25本の場合(1㎡あたり)
=稈長88㎝ 穂数310 1穂籾数81 登熟歩合88% 収量480kg(1反)
・苗立数100本の場合(1㎡あたり)
=稈長83㎝ 穂数391 1穂籾数57 登熟歩合89% 収量450kg(1反)

 この数字は直播きによる稲作を指導研究している試験場ゆえ、1籾から1苗を発芽させ、結果として小麦畑のような様子で収穫する稲作なのですが、苗数が少ない方が収量が多いという点に、金子さん!注目してください。
 この苗立数25本とは、ボクの計算では1㎡あたり株間条間40センチ間隔で田植えをするなると9株となり、この9カ所に苗3本を植えると、ちょうど上記の研究成果とほぼ同数となるのです。これが株間条間30センチだと16株、1株に苗3本の場合は48本、苗6本だと96本。この1本1本が7月中旬に分蘖の最高期を迎えると、茎も細く、一斉に葉を繁らせ、風通しも悪くなり、陽も射さなくなるので、根元近くの節間は伸びてしまい、まるで爪先立ちをしているひ弱な株として成長、倒伏すること必定。改めて米作りって奥が深いなあ。

↓苗立数とさまざまなデータ一覧表(新潟県農林水産業研究成果より)です。
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by 2006awasaya | 2011-09-08 16:29 | 真剣!野良仕事


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