【真剣!野良仕事】[204=三陸通信1●タコ漁体験報告]

2013.7.30(火)

三陸のタコ漁 乗船記

 三陸のタコ漁船に乗ってきました。タコ壺を使うのか、釣りをするように釣り針にエサを付けて獲るのか、それともタコが大好きな伊勢エビをオトリにしておびき寄せ、モリかなにかで突いて獲るのか。ボク自身なんの予備知識もなく、飯島さん、風戸さんに同行して第五崎浜栄丸に乗船し、なんのお手伝いも出来ないまま、その様子をカメラに収めてきたのです。
 まずはその一部始終をご覧ください。

タコカゴ漁一部始終

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↑【5:10】この日、2013年7月26日(金)の早朝、大船渡(おおふなと)市の越喜来(おきらい)湾に面した浜崎漁港からタコ漁に出る面々です。右から飯島幸三郎さん、伊藤光男さん、遠藤誠さん、風戸邦彦さん。撮影者は長谷川智昭です。海は穏やか。ただし、濃い霧が立ち籠めていた。

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↑【5:46】濃い海霧が立ち籠める中、越喜来湾の湾口に当たる大塩岬、首崎と廻り、最初のポイントに到着。このポイントへはGPSで確認しながら船を走らせていたが、長谷川と風戸は船尾に座って海を眺めるのみ。およそ30分後、ポイントに到着。この赤い旗のブイが目印。

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↑【5:48】船を前進後進と微調整しながら、赤い旗を結んだブイに近づけ、船上に引き上げる船長の遠藤さんと伊藤さん飯島さん。発泡スチロールとはいえ、とんでもなく重い。船上に引き上げると、このブイに結ばれたロープが深緑をした海の底から現れる。

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↑【5:56】ロープは何人が束になろうと人の力では巻き上げることなど出来ないが、巻き取り機にロープをセットし、巻き上げボタンを押すと、低いうなりを上げてタコカゴが現れる。最初のカゴが上がってきたが、タコは入っていなかった。

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↑【6:00】ロープには18m間隔でタコカゴが結ばれている。5カゴ目だったか、大きなタコが入っていた。カゴからタコを取り出すだけでも大変な作業だが、この大きなタコを水色の蓋付きバケツに入れるのも一苦労。蓋をとり、10kgはあるタコを入れ、素早く蓋をする。

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↑【6:02】タコカゴの中央に、エサのサンマを頭から刺している伊藤さん。背を上に、腹が下になるように刺すと、海底に下りた時、泳いでいるように見えるらしい。揺れる船上でこの作業をするのはなかなかに難しい。しかも次から次にこなしていかなくてはならない。

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↑【6:10】船は自動運転にセットされていて、引き上げ作業に専念できる。遠藤さんはカゴの引き上げ、伊藤さんはカゴの清掃とエサのセット、飯島さんはバケツにタコを入れる役割を勝ち取ったようだ。海に生きる男達は見ていて惚れ惚れするほど、動きに無駄がない。ただ感心するばかり。

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↑【6:33】カゴの数は60あった。最後のカゴに、小さめのタコ。タコの他に、ウニやヒトデやアイナメ、カレイ、ドンコなど、いろいろな魚が入っている。貝類も入っている。海の底にいる魚介がエサのサンマを食べにカゴの両サイドに開いた開口部から入って来るのだろう。

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↑【6:39】海底に仕掛けたカゴをすべて引き上げ終わったところ。30個ずつを上下ずらして積み上げ、この二山で60個のカゴを整理する伊藤さん。とにかく作業に無駄がない。遠藤さんは3つのローラーからなる巻き上げ機を止め、ロープの縒りを戻したりと、手際よく作業している。

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↑【6:41】タコカゴ漁の最中は、風戸、長谷川は見学。船舶免許を持つ飯島さんは嬉々として漁の手伝いをしているが、我々両名はウニをいただくのみ。海水で洗い、いただく。うーん、濃厚な味。二つに割る。海水で洗う。味わう。長谷川は船上で10個いただいた。

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↑【6:44】越喜来湾と吉浜湾を隔てる半島の突端、首崎と小壁崎の中間辺りでタコカゴ漁をしていたらしい。魚群探知器のモニターには水深106mとあり、すぐヨコのモニターは車のカーナビのような位置情報を示している。これがあったから、濃霧の中、このポイントにたどり着けたのだ。

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↑【7:02】位置情報を確認し、60カゴを、船を走らせつつ再び投下。このカゴが60個目のカゴ。船上はご覧の通り、整然とかたずいている。このあと、汲み上げた海水で甲板を隅々まできれいに洗い流す。段取りがまことに手際よい作業は、そばで見ていてとても気持ちがいい。

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↑【7:03】赤旗を立てた浮遊標のブイを投下して、タコカゴ漁の作業はこれで終了。濃霧で視界がほとんどないが、どうやら半島の突端から20〜30m沖のところにいるらしい。海は穏やかで、風もなく、雨もない。絶好の漁日和。これで波があり、雨が降っていたら、つらい作業だったはず

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↑【7:46】さきのポイントから30分ほど経過した新しいポイントに到着。霧が若干ながら薄れてきて、岬の荒々しい岩壁が見える。水深は先ほどより20m ほど浅い80m。位置は吉浜湾に近い小壁崎沖のようだ。位置情報はログとして残せるので、洋上といえど、迷うことはなさそうだ。

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↑【7:54】遠藤さんと伊藤さんは新しいポイントで、もうすでに作業をしているが、見学組は仕事の邪魔にならないよう、ひっそりと船尾に身を縮めているか、ウニを洗って食べるかしかない。まったくありがたいことだ。NHKの朝の連続テレビ「あまちゃん」ではウニ1個が500円だったなあ。

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↑【8:05】タコカゴを引き上げると、タコ以外に小魚が入っている。少しばかり大きめの魚は取っておくが、小さい魚は海へ。そこにはウミネコが待ち構えていて、ちょっとした争奪戦を演じている。鳴声がニャーニャーと、まったくうるさいが、耳を澄ますと、鳴声に個性差があるようだ/font>

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↑【8:07】新たなポイントでは、もうしっかり乗船員の一員となり、かいがいしく働く飯島さん。揚がったタコを器用にバケツに入れ、蓋を閉められるようになっていた。遠藤さんは操船とカゴの引き上げとタコの取り出し。伊藤さんはカゴの清掃整理とエサ付け。飯島さんはタコの収納。

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↑【8:23】小さな魚は海へ返すが、カジカ、ナメタガレイ、アイナメ、ドンコ、ウニなどはカゴいっぱいになる。写真右の、腹を見せているのがドンコで、これの煮魚が昨夜の宿で出され、おいしいのにびっくり。コラーゲンたっぷりとかで、女性にはことのほか人気らしい。ああ、また食べたい!

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↑【8:24】第2ポイントでのカゴ引き上げを終え、投下を開始。船はあらかじめセットした設定に従っての自動操縦で動いている。波を切って進んでいるので、それが分かる。遠藤さんはタコカゴの上部を立て、クリップで留め、ロープの縒りを直し、すべてを確認してから投下していた。

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↑【8:31】60個のカゴの投下を終え、目印のブイを投下し、崎浜漁港に戻る。出発時の濃い霧に比べ、だいぶ薄く明るくなってきた。断崖絶壁が意外に間近に見える時がある。カモメたちも、食べ物にありつけないと分かった時点で姿を見せなくなった。海上に響くのは船のエンジン音だけ。

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↑【8:43】船尾で左を見ると、霧の向こうに岩礁。すぐ脇だ。その険しさに思わず身を引いてしまうが、こうしたシーンには普段、なかなかお目に掛かれないので、何枚も何枚も撮影してしまう。あとで捨てることになると判っていても、シャッターを押さずにいられない絶景がつづく。

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↑【8:45】船尾の真後にて5分ほどムービーで撮る。風上に向かって走っているようで、船が大きくローリングしたり、ピッチングしたりする。船上には手すりが各所にあり、移動する時も含め、たえず掴まっていないといけないと、スタート時点で厳重注意されたことを思い出す。

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↑【9:12】崎浜漁港に戻ってきた。飯島さんだけが手伝えて、我ら両名、なにも手伝っていないにもかかわらず、潮風を浴びたせいに違いない、一仕事を終えて港に戻ってきた漁師気分になっている。声も顔も少しばかり錆びたようだ。大きなバケツからタコを出し、チェックする遠藤さん。

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↑【9:13】茶褐色の濃いタコ、白っぽいタコ。いろいろ個性があるのだろうか。大きなタコで20kg以上。おいしい三陸の魚介を食べて育ったのだろうし、さぞ美味いだろう。そんな思いで見ていたら、飯島さん曰く「あれほど剛腕なタコも、こうしてみるとなんともダラシナイもんだ」と。

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↑【9:16】メインマストのウインチで漁獲の荷を岸壁に下ろす遠藤さんと、軽トラ荷台に移す伊藤さん。遠藤さんは左手に持ったコントローラーで揺れる船上から正確に操作。慣れとは言え、なかなか難しい作業なのだ。

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↑【9:25】遠藤さんの船「第五崎浜栄丸」。この時間になって、霧も晴れてきて、波がまったくない、穏やかさ。海はいつもいつもこんなに優しい表情を見せてばかりはいないこと、1年前に陸前高田の広田湾のカキ・ほや漁師の吉田善春さんから聞いたことなどを思い出していた。


なにゆえ三陸?

 7月25日(木)〜27日(土)の2泊3日で、三陸に海の幸を求めに行ってきました。海の幸?ええ、そうなんです。「飯島農園おいしい野菜公園2007」の、夏の定例行事「バーベキューパーティ」のための食材調達。
 表だってはバーベキューパーティのための食材調達ですが、この春先からスイカパラダイスのメンバー4名が丹精込めて作ったスイカを陸前高田市、大船渡市三陸町越喜来(おきらい)在住の漁師さんに送り届け、その帰りに三陸の海の幸を持ち帰ろうというドライブ旅行だったのです。
 船橋と三陸の陸前高田は地図上の直線距離で400km、走行距離で550kmと結構離れていて、車で走って6〜7時間は掛かる遠距離を、飯島さんの運転で飛ばしに飛ばし、着いた先は陸前高田の元高田松原前の駐車場。先年、お世話になった陸前高田市区長の伊藤光男さんとここで待ち合わせをし、約20km北東に位置する大船渡市越喜来へ。
 ところで、三陸までスイカを乗せた車を走らせたのには、いくつかの懸案がアリ、飯島さんが構想する「農業と漁業の共生」を実現するための打ち合わせも兼ねての三陸行だったのですが、ボクはその構想にはタッチしておらず、ただただ、スイカお届けグループの一員として、また、バーベキューパーティの食材調達担当として同行したのでした。
 
 スイカは陸前高田市区長の伊藤さんに手渡し、大船渡市三陸町越喜来の漁師、遠藤さんの誘いでタコカゴ漁に乗船させていただいたのです。
 その一部始終は「三陸のタコ漁 乗船記」で紹介しましたので、おおよそ雰囲気はつかんでいただけたかと思います。その食材は、越喜来の大きなタコとナメタガレイ、カジカ、アイナメ、ドンコ、これに加えて、三陸漁業生産組合の組合長理事を務める瀧澤英喜さんが獲ってきた大きな毛ガニを、バーベキューパーティに間に合うように、宅配便にて別送しました。この豪華で贅沢な食材の数々は、次のレポート[205=三陸通信2]にて紹介する予定でおります。それに加えて、飯島さんと三陸の漁師さんたちの絆が、いかなる経緯で結ばれたのか、この点についても、[206=三陸通信3]として近日中に、再び長々とレポートすることにします。乞うご期待を。

by 2006awasaya | 2013-07-31 22:45 | 真剣!野良仕事


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