【真剣!野良仕事】(11=秋冬野菜の栽培準備!)

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↑胡麻はいまが花盛り。花をつけているこの胡麻はいま現在、大人の肩くらいまで育っています。写真の胡麻は虫に食われていませんが、別の畝の胡麻は葉っぱがすっかり食い尽くされていました。「いも虫みたいな蛾の幼虫、ヤトウムシ、漢字で書くと夜盗虫と書き、文字どおり夜盗のように夜のうちに土の中から這い出してきて、美味しい双葉をむしゃむしゃ。ですから見つけたら取り除かないといけません」と飯島さん。「また、この花をいつまでも着けておくと、胡麻はもっともっと自分が成長を続けていいものだと判断するので、なかなか実を結ばなくなります。このくらいの背丈になったら花を摘んでおきます。また、いつまでもこのままにしておくと、サヤから実がはじけて、折角の胡麻がこぼれてしまいます。なにごとも時期を見て収穫してあげましょうね」。そんな注意をいただきました。
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↑輝く銀線入りの覆いネット。ネットの中ではブロッコリーが発芽し、成長中。整然と等間隔で発育しているので、どれが雑草か、どれがブロッコリーかすぐに判る。


栽培計画が発表

 快晴の土曜日、飯島さんから、秋冬の栽培計画が発表になりました。
 畑で草取りや収穫をしている仲間たち10名ほどに向かって飯島さんが声をかけます。
「はーい、みなさん集まってください! 今日は秋冬の栽培計画について説明したいと思います。プリントを作りましたから、各自、一部ずつとって、それに目を通しながら話を聞いてください」
 なんだか新学期が始まって、担任の先生から前学期の反省とそれに基く今学期の方針を神妙な面持ちで聞き入っている小学生のようでした。

「えー、白菜とホウレンソウ、縮みホウレンソウ、小松菜、ダイコン、タマネギ、そんなところをやっていこうと思います。このほかに何か作りたいものがあればおっしゃってください。今後のスケジュールはプリントの『栽培目安表』に書いた通りに進んでいければいいと思います」。
 そんな前振りで畑の勉強が始まりました。

 説明を受けるメンバーは、真剣に就農を考えている方々のグループ『畑の学校』のメンバーも多く、ボクのような「味菜畑のオーナー制度」(真剣!野良仕事「2=味菜畑へ」参照)だけに加入して野良仕事を楽しんでいる方はごくわずか。故に飯島さんの説明を聞く姿も真剣そのもの。

 ボクは生憎、仕事の都合で岩手県に行っていた先々週の週末、『畑の学校』のメンバーはブロッコリーの栽培に着手して、種蒔きはもう済ませていました。
 ところで、どのようにブロッコリーの植え付けをして、どのような状態になっているか。そのあたりをちょっとだけ報告しておきます。

「このトンネル型のかまぼこ状の覆いにきらきら輝く線というかラインが入っていますが、これって何なんでしょうか」
 そんなことを問いかけたのが、ブロッコリーの植え付けの様子を聞いた発端だったのです。

シーダー農法

 そのメンバーの一人から立ち話程度に聞いたお話では、以下のようなものでした。
「先週、ブロッコリーの種蒔きを済ませたところです。そのときにこのネットで覆ったんです。なんでも、この輝く銀線が虫除けになるそうなんですが、薬を撒くよりも良さそうですよね」
「ああ、そうなんですか。このきらりと光る光線が虫にとっては殺人光線のような役割をしてるんでしょうかね。それはそうと、随分ときれいに蒔かれていますね。種を蒔いたラインが曲がったりしていなくて、真っ直ぐですけど、あらかじめ種を蒔く位置に線を引いて、そこに種を蒔いていったんですか」
「そうか、植え付けの実際を見ているわけではないんでしたね。実際には種蒔きと言っても、種を手で蒔いたりしたわけではないんです。種をくっつけたテープを畝に貼っていったと言ったらいいでしょうか。種をくっつけたテープのことをシーダーテープっていうんですが、ところで、シーダー農法って知ってますか」
「いえ、いまはじめて聞く言葉です」

 こんな会話があって、シーダー農法についてのおしゃべりが始まったのです。

 シーダー農法ってどんな農法かというと、要するに畑の作業で何が重要かというと、種蒔き作業が重要なんですね。正確な間隔でマルチシートに等間隔で開いている穴に、種を4〜5粒、蒔いてから軽く土を被せますが、指先の仕事ですから、種が細かいと4〜5粒が7〜8粒になったり、逆に2〜3粒になったりして、種そのものが高価だったりすると大変に不経済。人情としてつい多めに蒔いてしまって、のちのち間引く本数が多くなる訳ですが、そんなことを考えあわせると、種蒔きの段階から正確な間隔で正確な種数を蒔くことが大切になってきます。とくに広大な面積に種を蒔くとなると、塵も積もればの喩えどおり、思わぬロスになるし、その後の間引き量も増えることになる。

 そこで、種蒔きやその後の作業のことを考えると、一番はじめの種蒔き作業の仕方によってほぼ決定されるので、シーダー農法は手蒔きでは出来ないほぼ理想的な種蒔き方法なのだそうです。

 水溶性のテープに、種子を貼り付け、無駄なく一粒一粒、成長した時点を想定して株間の間隔、種の粒数を正確に貼付け、テープに巻きとっていくそうです。この種子が貼り込まれたテープを「シーダーテープ」と呼んでいますが、種子間隔が一定間隔に保たれているので、その後の農作業は非常に省力化されるということでした。

ダイコンと白菜

 さて、目先を我が畝に移し替えます。
 ヤンマーのトラクターにうち跨がって畝を鋤き起こします。たちまちにしてふかふかベッドのような畝が出来上がり。まったく、鋤や鍬などの農具を振り下ろすというシーンが、最近の畑では見かけなくなったものです。だって、こんな便利な農機具があるんですもの。

 トラクターを一旦別な場所に移し、こんどはマルチシート専用の手押しバイクのような発動機付き農機具を転がしてきました。その先端に、直径20センチほどの筒状のマルチビニールシートがセットされています。互い違いに4穴があいた透明のマルチビニールシートを、このバイクのような農機具をバックさせながら、ふかふかの畝に被せていきます。

 この作業も実ははじめての見聞で、飯島さんの指示を待ちます。
「それじゃあ、作業開始しましょうか。マルチの端っこを押さえてくれますか」
 その指示に従って、マルチシートの一端を押さえると、
「じゃあ、はじめますよ」
 農機具の先端にセットしたマルチビニールシートを引き出しつつ、バックさせながら作業を進めていきます。マルチシートの両脇を押さえ、押さえた部分に土を寄せながら、まるでベテランのホテルマンが無駄な動きを見せずに素早く丁寧にベッドメイクをするような案配で、この作業は進んでいきます。畝の向こうの端まで来たら、カッターナイフでマルチシートをサクッとカットし、端の始末をしてこの作業は終わり。
 
 1列4穴のマルチを敷き終わり、さて、種蒔き開始。
 4列あるうちの、西の列には白菜を、1列置いて東2列にはダイコンの種を植えました。白菜は「黄ごころ85」という品種で、種の大きさは直径0.5mmくらい。ダイコンの種は直径1mmくらいの大きさで、「干し理想」(漬物用のダイコンとかで、漬物にするとほんとうにおいしいらしい)、「青首ダイコン」、「おふくろダイコン」(三浦ダイコンで、煮物にするとおいしいとか)の3種に挑戦。

 来来週は白菜、ダイコンともに発芽して後、間引き作業をし、途中、除草をしながら白菜は10月下旬から12月にかけて、ダイコンは10月下旬から12月にかけて収穫となる予定。ああ、ワクワクする。(hasegawa tomoaki)
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↑マルチビニールシートで畝を覆う作業中の飯島さん。シートの両脇についている円盤状のプレートがシート両端に土を寄せる動作をする。この作業を人の手でこなすとすると、結構な重労働。肉体を酷使する作業は農家でも極力機械が受け持っている。これは漁業でも同じ。生産のあらゆる場面でロボットの進出が顕著。
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↑左から白菜、漬物用ダイコン、青首ダイコン、おふくろダイコンの種。
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↑左側のこんもりした樹叢が収穫前のモロヘイヤ。中央の4穴マルチビニールシートの左一列に白菜(1穴に4〜5粒)を、一列置いて右2列にダイコン(1穴に3〜4粒)を蒔いた畝。
by 2006awasaya | 2006-09-04 20:02 | 真剣!野良仕事


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