【真剣!野良仕事】[75=焼きソラマメ]

2008.6.3(火)
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↑2008.5.3のソラマメの花。このあと、鞘が出て、その鞘がずんずん大きくなって、太さといい長さといい、青いバナナのようなソラマメの鞘がたくさん出来た。
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↑2008.5.24の昼食会にて出された焼きソラマメ。バーベキューの要領で金網の上でこんがり焼くだけ。焼き具合の判定は実に簡単。鞘の両端からスチームアイロンのような蒸気がシューッと吹き出せば、ちょうど食べごろ。
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↑焼きたては相当熱いので、火傷に注意。ボクが手袋のまま鞘を破ろうとしていたら、上原さんが「ダメダメ、手袋なんかしたままで剥いちゃ。この筋の部分を先にとっておけば、ほら、こんなにきれいに剥けるのサ」と、素手で筋をスーッと。

絶品!焼きソラマメ

 ソラマメは飯島さんのお母様、今年91歳になるシマさんの大好物なんだとか。ボクがはじめて飯島農園にお邪魔した一昨年も昨年も、ソラマメを作っていたなあ。
 かく言うボクも子供時分からソラマメは好物の一つで、この季節になると八百屋さんの店頭に並ぶソラマメを見ては「買って買って!」とねだったものでした。
 母は一度ではなかなか承知してくれませんで、二度目も知らん顔。そこで根負けしたらそれっきり。三度頼んでやっと買ってくれたものです。すべてが三度目の正直と言うか、一度目二度目は無視されるか知らん顔をされるか、怖い顔をしてにらまれるか、どんな願いも最低三度、願い出ないと実現しませんでした。友達の家もみんなそうだと思っていて、大学生になるまで我が家だけの習慣ということに気づきませんでした。
 三度目にしてやっと小銭を握らされ、八百屋さんまで買いに走るのと鞘から豆を剥くのがボクの役目。ふっくらした大振りの鞘の中から大きなソラマメがはじかれるようにして飛び出してくるのが面白かった、楽しかった。やわらかめに茹でてくれて、満腹するまで食べ続けたものです。母は、子どもたちが食べ残した空豆をつぶして、翌日はスープになって出て来たなあ。甘皮というんでしょうか、食べずに捨ててしまう皮の部分だけを甘く煮てもらい、ボク専用のおやつにしてもらったなあ。食感はガムのようで、皮の中に甘い汁が溜まっているのもあり、そんな甘い皮が連続で見つかると、夢見るような幸運を覚え、幸せとはこんな瞬間なんだとまじめに思ったものでした。とにかくソラマメの皮の甘煮は、とんでもなくおいしいおやつでした。
 その子供の頃、「こんなふかふかした寝床で寝てみたいなあ、ソラマメってずいぶんと幸せな人生を送っているんだなあ」と、割合真剣に思っていた時期があり、「いつかはふかふかのベッドで寝られるような日が来るかしら」と、七夕の短冊に切なる願いを書いたことを思い出したのは、つい最近、本屋さんで『そらまめくんのベッド』(なかや みわ作・絵、福音館刊)という児童書を見つけたときでした。ああ、みんな同じ思いでこの鞘のふかふかに憧れていたんだな。
 さて、閑話休題。
 ガムランコンサートが行なわれた次の週の5月24日(土)、ステージなどの片付けやガムランの楽器類を返却するために竹林に集まった折、写真で紹介したソラマメの黒焼きにはじめて出会いました。塩や醤油などの調味料は一切不要。ソラマメの甘さだけがしっかりと味わえる絶妙な調理法! 気分としては、農耕の民・弥生人が狩猟の民・縄文人に出会い、「いつもいつも調理したり加工したりするのもいいけど、たまには採って焼いて食ってみな」なんて縄文人の挑発に乗って弥生人が試したところ、仰天するおいしさだった、そんなところかな。
 それゆえ、焼いてくれた上原さんにおいしさのお礼を申し上げたら、語尾あげ話法の沖縄訛りで、「ソラマメの皮もいっしょに食べなくちゃ、勿体無いヨウ!」と、おこられてしまったサア。上原さんが縄文人でボクが弥生人という図式で言っている訳ではないので、そのあたりくれぐれもお間違いなきよう。
by 2006awasaya | 2008-06-04 11:47 | 真剣!野良仕事


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