【真剣!野良仕事】[85=シロートの時代?]

2008.7.25(金)
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↑これがピートンだ!大きさはこの時点で巨大なピーマンといったところ。

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↑ピートンの花。コレだけ見れば花もトウガラシかピーマンそっくり。

シロート故に、我信ず

 2006年10月14日(土)。もう1年半も前のことです。「循環型有機農法」についての研修で飯島さんに連れられて我孫子市まで行きました。ボクは昼食時にたまたま相席した佐々木健人さんという白い山羊ヒゲのご老人とお話しする機会があり、その会話中にしきりと発音される「硝酸態窒素」という専門用語が理解できず、その硝酸態窒素ってどんなものでしょうかと問うたところ、佐々木さんから「キミ、ブルーベビーって知ってる?」と問われ、それでやっと、「ああ、血液中のヘモグロビンが阻害され、酸素交換ができずチアノーゼ状態で生まれて来る赤ちゃんのことか、残留農薬問題で出てくるキーワードだったか」と、自分のぼんやりを呪ったりしていたのです。その模様は【真剣!野良仕事16=ベロメーターを信じよう】でも報告済みですが、その同じ場所、同じ時に、研修にご一緒した松本さんは東京農工大の柳下登先生に魅せられていたんだそうです。
 つい先日、松本さんと立ち話をしていて、ああ、同じ時同じ場所にいながら、まったく別なロジックでそれぞれの時間が構成されていくんだなあと、人間の個性のバラエティの成熟過程をとても面白く思ったものです。

長谷川 え! あの研修会に柳下先生がいたんですか。まったく記憶にないなあ。
松 本 そうでしたか。研修会の冒頭で挨拶があったはずなんですが。
長谷川 いえ、まったく記憶にないんです。その柳下先生がピートン開発者、なんですか?
松 本 あの研修会のあとで、別な会合があり、その折に先生とおしゃべりしたんです。そのなかでピートンが出てきてね。もちろん、それまではピートンなんて、一体全体、皆目分からなかった。ピータン? ピーターパン? そんな程度ですよね。
長谷川 トマトとピーマンの掛け合わせでしたか、ピートンって?
松 本 ピーマンとトウガラシの接ぎ木による新種、なんだそうです。つい最近農業者の仲間入りを果たした私なんですが、そんな私にもピートン栽培ができるもんでしょうかと持ちかけましたら、嬉しいじゃないですか、先生はこうおっしゃるんです。プロの農業者より専門知識がまったくないシロートの方が、こうした新種の野菜を栽培するには優れているんだとおっしゃってくれて、意を強くした次第。プロはなまじ経験が豊富なだけに、その知識と実績が邪魔をするんだそうです。

 農業に対してはプロ以上の情熱を保持し、アマチュアであることに誇りを持って農業にチャレンジする松本さん。
 ほんの立ち話が、腰を据えた長話になり、さらに、ピートン栽培を見に来ませんかと言うお誘いとなり、お誘いには滅法弱いボクのこと、「ではこの足で見学させていただいてよろしいですか?」ということになり、飯島さん同道で松本さんの畑に行って、見てきました、ピートンを。「シロート故に我信ず」の猪突一直線振りには、我ながら惚れ惚れ!

 ところが、聞くと見るでは大違いとはよく言ったもので、小型パプリカというか、少し太めのピーマンってところです。いまは生育途中で、やがてこの鮮やかなグリーンが真っ赤に変わってピートンとなるんだそうですが、ボクには新種とはとても見えませんでした。「ひとつ食べてみませんか」と、もいでくれたピートンは、なるほどピーマンの辛みもなく、肉厚で、新しもの好きのシティーギャルには意外と言っては怒られそうですが、人気が出そう。
 色が真っ赤に変換したら、また紹介させていただくとして、肝心の柳下先生が寄稿した論文「辛くないピートン1世」がwebで読めるので、詳しいことはそちらをどうぞ。
by 2006awasaya | 2008-07-25 21:20 | 真剣!野良仕事


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