2008.8.31(日)
↑松本ファームのピートン。これで体長15センチ。
赤化したピートン
【真剣!野良仕事】84で「シロートの時代?」として紹介した珍種野菜、ピーマンとトウガラシの接ぎ木による新種「ピートン」ですが、あの折、ピーマンと見まごう色と艶で、どうにもこれが赤く色を変えるとは思えませんでした。
8月30日(土)に飯島農園の好人舍で久しぶりに松本さんにお会いしたら、「見に来ませんか、ピートンを。真っ赤になっています。この前見に来ていただいた時は、ピーマンとなんら変わらなかったと思いますが、いまは真っ赤なパプリカって雰囲気もあります。でも、たいへんなんです。真っ赤になって大きくなって、それはそれで嬉しいんですが、その重みで茎が折れてしまって。折れてしまってから、ああ、手間のかかる野菜だなと、そんなことが分かるんです。あわてて支持棒を立ててヒモで結んで。まったく手がかかる。栽培法を考えないと。これだから農家ってぼんやりしてられない。絶えざる観察と工夫の連続。この先、どんなことが起こるか分からない不確実な社会そのもの」
そんなことをボクの耳元で告げて、忙しく姿を消してしまったが、帰りがけ、松本ファームに立ち寄って色を変えたピートンを見てきました。
生憎、松本さんの姿はなく、共同で作業をしている上原さんがいて、カメムシにつつかれたものとか、鳥に啄まれたものを四つ五つ、いただいてきました。
妻の友人でご近所にお住まいの山崎さんにもお裾分けをしたら、ほぼ1時間後にmail着信。
「ごちそうさまでした! 早速、茄子と炒めてみました。ホントに辛くないですネ。おいしいです」というメッセージ付きで写真が送られてきました。
そうか、そうすると、生でいただく以外はピーマンが活躍する料理には即、置き換えることができるって訳か。実はどうやって食べたらいいのか、思いつかず、千切りキャベツに混ぜて食べてみたんですが、ああ、気がつかなかった。
ところで、手順前後しますが、肝心のピートンそのものの味と食感の報告を。
【大きさ】天地15センチ前後。
【カッティング感覚】ざっくりと包丁を入れてみる。その包丁の刃の入り方、ピーマンかパプリカ、あるいは大きくなった京の伝統野菜の万願寺トウガラシそっくりの感触。歯を立てる時、表面がすべすべでなんだか頼りないが、入ってしまうと呆気無いほど無抵抗でざくっと切れてしまう。
【調理感】表面のテラテラと輝くおもて皮は硬く、これが炒めたりしてもサクサクした口当たりで案外いいかも。万願寺トウガラシのようにくたくたにならない。種がほとんどない!
【味】辛くない。というよりも、ほのかな甘みがある。ピーマンを生でかじると、舌の奥にピーマン独特の青臭いような苦味が残るが、ピートンをかじっても、この苦味がない。ただし、食感はピーマンそっくり。奥歯でかんでも、素直にかまれようとせず、逃げて回るような案配。これは野菜炒めにしたものも同様。
↑なかには天地を逆さまにしているピートンもいる。
↑ピートンの中はどうなっているかと言うと、ほとんど種は付け根に集中していて、コレは調理をする時にはめんどうがなく、いいかも。
↑山崎家から送られてきた調理例。茄子とピートンの野菜炒め。