【真剣!野良仕事】[94=失敗した干し芋]

2008.11.23(日)

見るも無惨なカンソー芋

 友だちからいただいた干し芋。いままで食べてきた平べったい干し芋とはちょっと違っていて、棒状をしている。ボクが知っている干し芋といえば平べったいものだった。袋入りなんかで買うと、干し芋同士がベッチャッとくっ付いて離れず、無理に剥がそうとするとボロボロに裂けて始末に負えなくなる。いったんそうなると見た目もあまり美しくないので、「えい、ままよ」と、ベタベタする手でゴミ箱へ。手を洗いながら、「ったくこれだから干し芋はやなんだ」なんて愚痴っている始末。
 そんな思いしか抱いたことのない干し芋だが、今回いただいた干し芋は棒状をしているので、お互い同士くっ付いていても離しやすく、しかも美味い! なんでこんなに美味いんだと絶句するほど美味い。甘さ控えめの羊羹のような、ねっとりとした自然な甘さで、プーアール茶によく合う。もともと、間もなく冬ですって言う時期に姿を見せる干し芋は妻が好きで、この時期になると買ってくるが、一袋といえども全部を残さずに食べるということがなく、余してしまい、干涸びてカチカチになってから処分していたものだ。今回の干し芋は一袋に5本くらいしか入っておらず、あっという間になくなってしまった。最近、先を争って口に入れるということがあったかなと思い返してみても、なかなか思いだせない。このことも驚きだった。
 袋を見る。「やわらかほしいも」。高級品種いずみ使用と袋の下に書いてあるだけで飾りっけのない印刷。製造者は中島農園で、茨城県稲敷郡阿見町。知らないなあ。でも、美味い干し芋だった。

 そんな折、細身のサツマイモをいただいたので、先週にあっという間に食べてしまった棒状の干し芋を作ってみようとチャレンジしてみた。
 干し芋の作り方をネットで調べてみたら、なんのことはない、しごく簡単。これなら問題ない。
 説明通り、やってみた。タワシでゴシゴシ洗ってから皮ムキ器で丸裸にし、蒸し器で15分。もうそのまま食べてもほくほくしておいしいので、1本だけ食べ、残り6本をザルに横たえて干した。北京秋天のように澄んだ青空。風も冷たく、乾いている。干し芋作りにとっては絶好の陽気。夜は夜気に当ててはいけないと注意書きがあったので、部屋の中に仕舞い、朝になるとベランダへ。
 3日間、これを繰り返し、もう食べごろだろうと、改めて6本の具合を見ると、なんだかヘン。それぞれが妙に軽い。表面がひび割れて、瘡蓋状になっている。
 齧ってみる。中はスカスカ。ねっとりしていなくてはいけないのにパサパサ。甘みもない。甘み成分が蒸散してしまったのか。蒸し時間が少なかったからかも。それに、説明書では蒸してから皮を剥くようにとあったが、あるいはその手順前後が原因か。そこで、細身のサツマイモを買って来て、もう一度やり直す。目指すは茨城県産棒状干し芋。蒸し時間を20分、火傷に気をつけながら皮を剥き、もう一度直射日光をさけ、日陰で干す。が、はやりパサパサ。
f0099060_12473288.jpg

↑棒状の干し芋を目指してチャレンジしたのですが、いただきものの「やわらかほしいも」とはまったく別種のカンソー芋となってしまいました。こんな具合でパサパサの自家製棒状カンソー芋。

 困ったときはシマさんにお伺いを立てるのが一番なので、バックヤードで落花生を収納中のシマさんに聞いてみる。

長谷川 あのー、どうやっても干し芋が上手くできないんです。ひからびたようになってしまうんです。何が問題なのかわからないので、アドバイスをいただけますか。
シ マ あはは。そうでしたか。わたしも何回か上手くいかなくてね。なんでなんだろうと。
長谷川 実際には2回の試作でつまずいてしまって。
シ マ どんなお芋でやりましたか。
長谷川 蒸かしておいしい細身のサツマイモです。金時って名前の芋でもやってみましたが、どうにもパサついてしまって。
シ マ そうでしょ。干し芋用の品種があるんですよ。食べておいしいお芋はほくほくしていますが、あれでは干し芋にならないんです。
長谷川 そうすると、何遍やってもおいしい干し芋は無理ってことですね、その干し芋用の芋を使わない限りは。
シ マ いまは茨城県が干し芋の主産地のようになっていますから、干し芋用のサツマイモはあちら方面にはあるんじゃないんですか。

 大いなる疑問がこれで解決!
 はじめは「あはは」と笑われてしまったが、シマさんといえど、何回かの失敗があったのか。家に帰って「いずみ」をキーワードにネットでさらに調べてみると、やはりシマさんの言う通り、袋に印刷されていた「いずみ」が最適だということが分かって来た。
 なかでも石嶋農場の栽培日記が具体的で詳しく、素人にも理解できるような内容で書かれている。この石嶋農場によると、以下のような説明があった。

 いずみ芋とは、さつまいもの品種で正式名を「いずみ13号」と言います。甘味が強く、こくがあり、ねっとりした食感。外皮は白っぽく、中身は薄い黄色をしていて「白芋」に分類されます。
 かんそう芋作りに適した品種として、茨城県で多く栽培されています。なぜこの「いずみ芋」がかんそう芋に適しているかというと、お芋の甘みはでんぷんが糖分に変わることによって生まれます。通常は、2~3日(農家から出荷されて、店頭に並ぶまでの期間位)で変わるものが多いのですが、「いずみ芋」の場合は、約1~2ヶ月かけてじっくりと甘みが増してきます。冬の冷たい風にさらして加工するかんそう芋を作るには、この位ゆっくりじっくり甘みを増していくいずみ芋が最適!

 おお、そう言うことだったのか。来年の4〜5月にいずみ13号を入手して、干し芋作りに挑戦してみよう。「これ、あんたさまが作りなさった?」と言うシマさんの笑顔が今から楽しみだ。
by 2006awasaya | 2008-11-25 13:53 | 真剣!野良仕事


<< 【真剣!野良仕事】[95=カブ... 【真剣!野良仕事】[93=オク... >>