【真剣!野良仕事】[96=悪夢つきの餅つき大会]

2008.12.20(土)
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↑ボクには見慣れた船橋市豊富にある好人舍ですが、改めてこの写真を見ると、東北の鄙びた温泉場に近い山村のような雰囲気が漂います。薪で湯を沸かし、蒸したもち米は臼と杵で搗く極上のお餅。
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↑蒸し上がったもち米を臼に移して、さて、ペッタンペッタン始めましょう。一臼で7.5kgの餅となる。これを5等分して1枚1.5kgののし餅にします。搗き手と返し手の位置関係が飯島方式に則り、幸いにも大きな事故もなく、美味しい餅になりました。甘い餡ころ餅、きな粉をまぶしたお餅もおいしかったですが、大根おろしの絡み餅にしたら、もういくらでも食べられちゃった。
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↑きな粉まぶしの香しいきな粉餅。
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↑つぶ餡をまぶした餡ころ餅。

悪夢!搗いても搗いても餅にならなかったら

 12月20日(土)の9時に、好人舍前の更地に組んだ竃に3段の蒸し器と釜をのせて、もち米を蒸かし始めました。この日、9臼を搗く予定なのです。前夜から山田さんが研いでおいてくれたもち米です。研いでから一臼分ずつ小袋に小分けし、水を張った寸胴に漬けておいたものです。さて、はじめますか、ところで今日は何臼になるんでしょうかと飯島さんが問い掛けるので、「全部で9臼の勘定になります」と返事をすると、顔を曇らせて飯島さんが言うには、「その数、まずいですね。シマが聞いたらひっくり返っちゃう数字ですね。でも、仕方ありませんから、シマに内緒でやっちゃいましょう」。ホテルなど4と9の数を嫌う信仰がありますが、これと似た感覚なのでしょうか。
 しばらくして勢いよく湯気が吹き出します。釜に近い一番下の蒸し器を取り出して臼に移し、一番上に新規の蒸し器を乗せ、餅つきに作業は移ります。。
 だれもお餅つきのスペシャリストではないので、昔やった記憶を頼りに搗く人、見よう見まねで搗く人、それぞれの流儀で搗き始めると、ちょっと気色ばんで、サッカーの試合でよく目にするアピールの仕方で、飯島さんが搗き手にレッドカードを出しています。
「北を向いて搗いてはいけないんです。杵を持った搗き手は東を向き、ほぼ同じ方角を向いて搗き手の左側に返し手が位置するんです。返し手は搗き手と同じ方向を向いていれば、万が一の事故を防げるから。それから、臼は絶対に搗かないでください。嘘はついても臼搗くな。子供の頃から耳にタコができるほどくどく言われたもんですわ。臼の縁を搗くと、餅の中に木の欠片が入っり、始末に負えない。いいですか。臼搗くな。いいですね」
 この日のもち米は、無農薬で頑張る山田農場製のもち米を使っています。
 その山田さんがこんなことをぼそっと漏らしたのがとても印象的でした。
「きのう、実に嫌な夢を見たんです。ボクのもち米、搗いても搗いてもお餅にならないんです。で、きょう、確かめに来たって訳です。そんなことは絶対にないんですが、見に来ちゃいました」
 おお、生産者ってそんなもんなのか。悪夢の残像を払拭しに来たのか。改めて生産者の真っ当な姿勢に感激した次第です。
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↑搗き手は北を向き、返し手はその正面に位置するという、神をも畏れぬ地獄の位置図。こちらのシーンこそ、シマさんには見せられませんね。
by 2006awasaya | 2008-12-24 19:09 | 真剣!野良仕事


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