2008年 01月 07日 ( 1 )

【真剣!野良仕事】[60=畑からの年賀状]

2008.1.7
ブロッコリー畑から、明けましておめでとう

 平成19年、明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い申し上げます。ボク、正月を挟んで、中国の上海周辺をうろうろしてきました。憧れていた水の都蘇州では運河を行き来する船にも乗ることが出来、陽気にも恵まれ、満足な旅でした。
 で、帰ってきた日、畑のことが気になり、mailを開いたら飯島さんから回覧メールが入っていました。

おはようございます。
やっとブロッコリー収穫です。
明日、4日より一週間(5日間)で約1600個。
10時からの作業。朝露でぬれますので、合羽用意を。
成育が悪く、注文数に応えられるか心配です。


 そうなんです。今年のブロッコリーは生育が悪く、一年前の記録を振り返ると、暮れの12月下旬には収穫と出荷が始まっていたのです。ところが今年は成育が極端に悪く、なかなか花芽が大きくなりません。11月3日に、ブロッコリー畑に虫取り作業に来てくれた飯山満南小の生徒たちのことを、このブログ「52=ありがとう!飯山満南小学校3年生」として紹介しましたが、あれから60日が経過してもまだ、出荷できる大きさに育っていません。そのことを飯島さんが心配していたのです。

 1月4日(金)9時15分。好人舎に着くとすでに竜平さんが軽トラックに作業用の備品を積んでブロッコリー畑に向かうところでした。

長谷川 収穫する畑はどこ?
竜 平 すぐ目の前のブロッコリー畑です。お先に行ってます。

 新年の空はキーンと晴れ渡っていて、畑に向かう道には霜柱が立ち、ゴム長で歩くとサクサクと気持ちのいい音を返してくれます。
 畑に入ると、すでに山田さんがカゴを背負って収穫しています。ボクには1週間ぶりの畑です。日が畑に射し始めて、朝もやが陽炎のように立ち上っています。ブロッコリーの頭の部分が紫色に霜焼けしているものもあり、この紫色こそが糖分を蓄えてフリーズを防ぐブロッコリー自身の知恵なのだと、いつか山田さんから聞いたことを思い出し、「山田さーん、本年もよろしく!」。大きな声を張り上げてご挨拶。
 軽トラの荷台にある道具箱から包丁をとり出し、カゴを背負って早速収穫へ。ブロッコリー収穫専用包丁という訳ではありませんが、ステンレス製の包丁には先端から8センチ、10センチ、12センチの位置にスケール代わりの窪みが付いていて、なんとも便利な包丁です。
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↑こうして包丁を当ててみて、大きさを確認する。長径で8センチではなく、あくまでも短径で8センチ。このブロッコリーは長径で8センチあっても、短径では8センチ未満だから、今日は収穫しない。あと1週間後には大きくなっているに違いない。

 収穫をはじめる前に、竜平さんに収穫にあたって注意すべき点をただしてもらいます。
 以下、箇条書きにすると、
・ブロッコリーの大きさは短径8センチ以上
・ツボミ部分の下の茎の長さは20センチ程度は必要
・収穫したブロッコリーの茎から伸びる枝はカットして落とすが、隣のブロッコリーの上に落とさないこと。日差しが遮られると、成育に障害が出る
・収穫したら、残った切り株のメインの茎から伸びる枝を切り払っておくこと。こうしないと、脇芽を伸ばし続けて、あとあとの処理が面倒。先のことを考えに入れて作業しないと、二度手間三度手間になる
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↑収穫を済ませたら、切り残こした株は枝や葉を切り落としておく。そうそう、山田さんがこんなことを言っていたなあ。「ふつうの人って、ブロッコリーがどんなふうにして成っているのか、知らない人が結構いるみたいですね。一つの株に幾つも幾つもブロッコリーが成っているって思ってるんですね」。ボクも去年、一株に一つということを知ったんだけど。

 畝と畝の間に入り、両サイドに延びるブロッコリーに包丁を当てながら、寸法に足るブロッコリーを捜しながら進みます。
 今年のブロッコリーはメインの花芽の生長が遅い割に、脇芽が多いようだと飯島さんが言っていましたが、寸法を満足するブロッコリーを収穫して背負ったカゴに傷つかないように優しく収納し、残った株から伸びる脇枝と脇芽をカットし、それから次のブロッコリーへと進んでいくのです。ですが、脇芽をカットするのがなんとももったいない。もったいないなあと思いつつ、短径8センチ以上のブロッコリーを捜し、カットし、カゴに収納し、残った株の始末をし、次へと進む。でも、ああ、もったいない。脇芽とはいえ、しっかりとブロッコリーの形をしており、商品とは言えないながら実際に食べる場面では大きなままで食べるのではなく、食べやすい大きさにほぐしたりカットしたりすることを考えれば、この小さな脇芽はすでにして食べ易い大きさをしている。ああ、もったいない。そんなことをじくじくと考えながらカゴいっぱいに収穫しては軽トラに戻り、荷台で袋詰めをする竜平さんに渡します。
 やがて、10時。飯島さんが作業開始とした時間になると、阿部さんご夫妻、篠塚さん、小関さん、上原さん、坂本さんが畑に駆けつけて、にわかににぎやかな収穫風景となる。
「花芽が凍ってるわ」
「朝露でびちゃびちゃ。これじゃあ、ズボンがびしょびしょに濡れちゃうなあ」
「茎はどれくらい残せばいいのかなあ? え? 20センチくらい? はい了解」
「残った株の始末もするの? 去年はしなかったように思うんですけど、そうですか、カットしちゃうのね」
「虫取り作業より、やっぱり収穫作業の方がずっと気分もいいね」
「虫取りって大切な作業だけど、腰は痛いし、張り合いがないもんね」

 穏やかに晴れ上がった快晴のブロッコリー畑。凍りついていた土も溶け、畝の間も泥んこ。
 11時30分、目標の数が収穫できたと竜平さんが大声を張り上げる。
 でもはやり、脇芽のことが気にかかる。なんとももったいない。そこで竜平さんにお願いしてみる。
長谷川 どう考えても、あの脇芽がもったいなくて。農家の方って、脇芽、どうしてるんですか。
竜 平 手間を考えると、やはりあのままにしてますね。
長谷川 全部の収穫を済ませてから漉き込んじゃうってこと?
竜 平 ええ。
長谷川 脇芽だけもらっていっていいですか?
竜 平 ええ、もちろん。

 阿部さん、篠塚さんとで、切り株状態になっているブロッコリーを捜しながら、脇芽を拾い集める。すると、なんともすごい量の脇芽が集まる。ビニールの袋に3つ。新年のお土産が出来た。さっそく帰ってから湯がいて、マヨネーズでビール! そうそう、バター炒めもおいしいだろうな。
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↑お土産にいただいた出荷用の飯島幸三郎ブランドの無農薬ブロッコリーと、拾い集めた脇芽。帰宅して、水洗いした脇芽はこの倍以上あり、半分は冷凍にして保存中。
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↑お鍋のフタにあけた脇芽ブロッコリーを軽く茹で、マヨネーズでおいしくいただきました。茹でるとグリーンの鮮やかさが一段と増しますね。小さな葉っぱがほろ苦く、とてもおいしく、読書できました。ベーコンといっしょにバター炒めをしたらとんでもなくおいしく、すっかりいい気分。読んでいたのはwebちくまの連載「遠藤ケイの『海の道山の道』」です。もう連載15回目で、出雲のたたら製鉄の現場が克明に再現されています。遠藤ケイさんのイラストも素晴らしく、プリントして部屋に飾っています。webでは数少ない愛読ページなのです。一度閲覧をおすすめします。
by 2006awasaya | 2008-01-07 12:38 | 真剣!野良仕事