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【真剣!野良仕事】[17=秋の収穫第一弾]

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↑葉っぱだけは一人前に繁っていますが、肝心のダイコン部分はなんだか未熟で痛々しい姿。これ、実は間引き忘れのダイコンなんです。このままにしていたら共倒れになるので、間引きました。そういえば3週間くらい前に飯島さんから「はじめから1本を残してそれ以外を間引くことはしないように。たとえば、5粒蒔いて5粒全部発芽したら、はじめの間引きでは2-3本を残す。次の週に様子を見て1本に」と説明がありました。次の週、畑に行けなかったので、葉がずんずんと繁って、間引こうにも根元がよく見えなかったもので、それで見逃してしまったんです。シロートは言い訳が長くて。
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↑白菜は元気にスクスク中。カメムシが夏場には異常に発生し、ナスに甚大な被害を与えましたが、夏も終わり、秋になると、憎きカメムシの姿もあまり見られなくなりました。このままで行くと、来週くらいには葉が巻いてきて、フツーの白菜の姿になってくるはずです。でも、なんともいえない、いい色です。頑張れよ!白菜


間引き忘れのダイコン

 我孫子での農業研修10/14に出席した帰り、飯島農園に立ち寄って、ほんの少し農作業をしました。目についた雑草を引き抜き、この夏存分に摘み取ったモロヘイヤ2本を根元から引き抜き、鍬で畝を起こしてから整地して筋をつけ、葉っぱがシワシワでちょっとモッチリとした食感の「縮みホウレンソウ」と昔ながらの茎の根元が赤い「ホウレンソウ」の種を2筋ずつ蒔き、やれやれと隣りの畝を見ると、3週間前に蒔いたゴボウが芽を出していて、みな揃って発芽していたので、2本を残して間引きを済ませ、ダイコンと白菜が順調に育っているのを確認してから引き上げたのですが、次の週末、別な用事で畑に出られず、昨日10/28に2週間ぶりに様子を見に行ってきました。
 白菜は葉を思い切り開いて、中には「巻き」に入っている株もあり、あと2〜3週間もすれば、スーパーなどで見かけるフツーの白菜になる予定です。そうなれば連日、鍋が囲める幸せ。10/28現在、白菜は17株がスクスク中。
 船橋農産物供給センター発行の「おいしい野菜通信」に、簡単で手間いらずの料理として紹介されていた「白菜まるごとフーハー鍋」(婦人部の戸村ちどりさんという印西市の農家の方がすすめていたメニュー)も、自作の白菜でいやというほど、存分に堪能することができます。
「フーハー鍋」は実に簡単過ぎる手順なんですが、ざく切りにした白菜を鍋に入れ、火がついたコンロに載せ、これにベーコンや豚バラ肉を適当に入れ、塩コショウをして、しんなりしてきたら味を確かめつつフーフーハーハーいいながら囲む鍋なんです。いかにも冬のお鍋ですよね。「湯気の向こうにおいしい笑顔」ってコピーがありましたが、まったくその通りの食卓風景が生まれる簡単料理ですが、注意するのはただ一点、火にかけた鍋には水は入れないこと。ポイントはとにかく野菜をたくさん摂れるメニューなんですって。
 さて、同じようにすくすく育っているダイコン。株数を確認しましたら、3種のダイコンを蒔いたんですが、21株(内訳は三浦ダイコンは14株。青首ダイコンは3株。干し理想ダイコンは4株)あり、その後、辛みダイコンのタネも別な畝に蒔きましたので、この冬は白菜とダイコンはお店で買う必要がない豊かな暮らしが目前!
 それで、虫でもついていたら豊かな幸せが暗転してしまいますので、一株ずつ丹念入念にチェックして回りました。すると、なんと双子のダイコンが4株も。え!そんなわけはないと根元をもう一度チェックすると、なんと、間引き忘れで狭いマルチシートの穴の中で2本同時に成長中。多少勢いの劣る方を引き抜きました。それが写真のダイコンです。ゴボウのような貧弱なダイコン。でも、なんだかいじけたようなその姿がいとおしくて、普通だったら剛毛のタワシでゴシゴシやるところ、そっと水洗いして傷がつかぬように車の助手席に丁寧に置いて帰ってきました。(hasegawa)
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↑田舎の学校のメンバーTさん。田舎の学校のメンバー紹介で、ボク、以前に「真剣に農業に取り組んでいる面々」と紹介したんですが、その後に「ぼくは実は真剣に農業に取り組んでいる訳ではないのです。まったくの余暇を楽しく過ごす、それだけなんで、いつかそのように表現を直しておいてください」と頼まれたのがこちらの方です。話をよく聞かぬまま、大雑把な括り方で紹介してしまって。この場を借りてごめんなさい。でも、自分の畝で立派にフツーどおりの太さのダイコンを引き抜くところを撮らせていただいたんですが、この嬉しそうな表情、取り組み方にまじめ不真面目関係なく、収穫時の満足感、分かりますよね。今後ともよろしくお願いいたします。
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↑こちら、間引き忘れのダイコンを抱えて大満足の長谷川です。実は、この写真はTさんに撮ってもらったのですが、その直前までわずか5メートルほどの畝を鋤で起こしていたもので、へとへとにばてています。ヒザなんか、ガクガク。足下にあるスーパーの袋には、穫り忘れのピーマンが15個ほど、唐辛子がたくさん、入っています。でも、なんといっても首に巻いたタオルが夕陽に映えて、自慢じゃありませんが、我ながら惚れ惚れ!
by 2006awasaya | 2006-10-29 17:45 | 真剣!野良仕事

【真剣!野良仕事】[16=ベロメーターを信じよう]

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↑今回の農業研修に参加した「田舎の学校」の面々。写真向かって右端がボクです。この中でボクと左端の方だけが「田舎の学校」のメンバーではなく、「飯島農園味菜畑オーナー」のメンバーです。「田舎の学校」と「飯島農園味菜畑オーナー」は何が違うのか。実はボクにもよく分かりません。年会費は確かに違うのですが、そのほかにも違いはいろいろあるはずです。この違いについてはまた別な機会に報告しようと思います。でも、みなさん、ほんとうに元気です。

農場研修に参加

「地域資源を活用した有機農業の実際について、興味ありませんか」と、飯島さんに声を掛けられました。
「有機農法ですか」と、ちょっと素っ気ない返事をしましたら、
「循環型なんだけどなあ」と飯島さん。なんだかあとを引く物言い。

 飯島さんのその物言いの裏には、ちょっとは有機農法についての勉強をしたんでしょうけど、その手の話題はざくざくあり、多少食傷傾向になっているかもしれませんが、でもね、今回の有機農法は循環型なんだけどと、まるでミラクルボールのような隠し球といった雰囲気で「循環型」を投げてきたのでした。

 で、折角買いかぶってくれたことに対して見送り三振もなんだし、
「ほう、循環型で出来るんですかね」なんて、ちょっと訳知りのスイングをしてしまいました。
 なにが循環なのか、地域資源とは何を差すのか、全然分かっていないにもかかわらず、「出来るんですかね?」なんて、及び腰ながら咄嗟にバットを出している自分にも大いに驚いてしまいましたが。
「それじゃあ、10月14日の土曜日、好人舎前に10時集合。実際の研修会場は我孫子市です。詳細は好人舎前に張っておきますから」といって、飯島さんの電話は切れました。

 その電話から2週間後の、当日の朝。薄曇り。天気予報だと晴天。だが、なんだか肌寒い。長袖Tシャツを着込んで家を出ました。車で30分で好人舎到着。
 ところで、この飯島農園の連絡所として使っている建物を、どんな理由で「好人舎」と命名したのか。山登りに心ときめかす人のことを「山屋」と呼び習わし、その山屋さんの興味と関心を一手に引き受ける山岳用具ショップの「好日山荘」に準じたネーミングなのか、いつか飯島さんに確認しておかないといけないと思いつつ、いまだ未確認のその好人舎には、すでに田舎の学校のメンバーが出発を待っていました。
「今日はなんの研修なんでしょうか」
 そんなヒソヒソ話が聞こえます。
 ああ、分かってなかったのはボクだけじゃなかった。安堵しつつ、車に分乗して我孫子へ。

 向かった先は「財団法人 自然農法国際研究開発センター関東普及所」。
 住所は千葉県我孫子市布施2361-1。利根川と手賀沼に挟まれたあたり。さっそくに研修内容の説明が主催者からあった。
 その内容を圧縮すると、以下の2点。

 その1=生ゴミや街路樹などの剪定したあとの枝や葉を原料にした微生物処理による堆肥づくりの実際。
 その2=我孫子市という農地と住宅地が混在するエリアにあって、我孫子市民に開かれた「農業塾=むそう塾」と、微生物処理した堆肥を使っての野菜づくり、およびそれらの活動を通して広がる地域の輪。

 飯島さんが「循環型の有機農法なんだけどなあ」と言ったのは、地元で発生する生ゴミを微生物処理により堆肥に加工し、それを野菜づくりに活かすという循環、およびその循環を実践されている地元農家の玉根さんの実際を見学すること。
 でも、肝心の微生物処理による堆肥づくりって、ボクにははじめて聞く言葉で分からない。

 説明を聞くに及んで、その微生物というのはEM(Effective Microorganismsの頭文字)、つまり有用な微生物を集めたエキスのことで、沖縄の琉球大学農学部の比嘉照夫教授が発見したという。そのEMがさまざまな汚れや腐敗をきれいにする働きをもっていること。この自然農法国際研究開発センターでそのEMを作り、関東普及所近くの利根川河川敷で「農業塾=むそう塾」を展開している玉根さんがそのEMを使って、安全で美味しい野菜づくりをしているその事例を見学せていただくこと。
 これがこの日の研修の主題でした。

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↑「有気農業研究会チーフアドバイザー、農の会顧問」の肩書きを持つ佐々木健人さん。「有機ではなく有気と書きます。キの字が違うんです。中国気功のキですね」と名刺をいただいたときに、さりげなく、こだわりの部分について軽く注意喚起をしてくれた。正確には有氣と、「氣」の字を使うのだろうか。

 ところで、EMについては「EM研究機構」のホームページが分かり易く整理されているので、そちらを閲覧していただくとして、この説明の後、昼食となった訳ですが、参加者の中に、まるで仙人のような、痩身白皙の仁がいまして、さて、どんな方なんだろうと、説明を聞いている最中も気になっていました。
 ところが、幸運なことに昼食テーブルで隣り合わせとなり、昼食時間のほんの数瞬のことですが、お話することも出来たのです。
 いただいた名刺によると、お名前は佐々木健人さん。「有気農業研究会チーフアドバイザー、農の会顧問」とありました。ボクには飯島農園でシマさんという89歳の大先輩がいますが、きっとシマさん以上の齢を重ねていらっしゃると思い、「初めてお目にかかって、大変失礼なことをお聞きしますが、佐々木さんは今年、おいくつになられましたのでしょうか」と、非礼覚悟でまずは年齢確認をさせていただきましたら、「1920年の生まれです」と、右手で白い山羊ヒゲを撫でながら、
「和暦で言うと換算が大変で、それで西暦でお答えしているんです」と、目を細める。
 慌てて2006から1920を暗算で引いた数字は、実はボクの思い描いていた歳よりもちょっぴり若い。あれれ、引き算を間違えたのかしら。もう一度持参したおにぎりを掴み直す真似をしながらメモ用紙に筆算で確認。シマさんよりやはり3つも若い。でも、ほぼ同年代だ。そうか、シマさんとおしゃべりするときと同じように話せばいいんだと諒解し、こちらが兼ねてから疑問に思っていることを、素直に聞くことにしました。

それは眼から鱗の数瞬

 作務衣というのでしょうか、上衣は打ち合わせ式で、下衣は裾が足首で絞られているズボン式。素足にゾウリ。白髪白髭。おまけに対面してお話をすると、こちらの眼をしっかりと見てくれます。こちらも佐々木さんのキラキラと光る眼を覗き込んでお話が出来ます。瞳が澄んでいて、ああ、お話ししている言葉に一点の嘘偽りもないということが分かります。

 お話のキッカケはこんなものでした。

「素人の聞きかじりですが、連作障害は土中にいる線虫の仕業だけでしょうか」
 線虫については【真剣!野良仕事】[10=線虫]でも若干触れましたので、記憶の糸がまだほつれ毛のように始末がつかないままだったのです。そのほつれ毛をきれいに撫で付けられればと、質問をしたんです。線虫の働きを抑えれば、当然、連作障害は抑えられるはずで、では、どうすればその働きを抑えることができるのかが分かれば、確かな結論に辿り着くことができる。そう考えての質問でした。できれば、天敵の関係にある植物なり、昆虫なりの名前を挙げてもらえるとありがたい、と。

 ところが、答えは予想したものではありませんでした。
「連作障害の原因の主なものは、肥料のやり過ぎによる残留肥料。これが問題です」と、佐々木さん。
「植物が吸収できぬままに土中には肥料が残留し、その状態が微生物の活躍を妨げる。これが原因だと思います」と、明快な答え。
 肥料のやり過ぎが原因だとすると、肥料をまったくあげず、水もほんの少ししか与えない農法として知られる「永田農法=スパルタ農法」ならば、肥料残留は回避できる。そのように素人は考え、大胆にも佐々木さんに同意を求めるように、永田農法についての感想を聞く。
「肥料をまったくやらず、自然のままに放っておけば、連作障害には見舞われないということですか。たとえば永田農法のような」と、ボク。

 すると、佐々木さんは諭すでもなく、こう言うのです。
「永田農法はイワキでやっていますが、あれは栄養失調です」
「かなり美味しいということを言う人もいますが」
「おいしいですが、収量は少ない。どうせなら、美味しいものを多く収穫したいですよね」
 なるほど。

 なるほどとうなずいたところから、佐々木さんの独り語りとなります。不明な単語や専門用語が説明の中に入ってきても、できるだけ話の腰を折らずに聞いていようと思っていました。
「トマトは水に沈みますか。浮きますか。ほんとうに美味しいトマトは、いやいやながらゆっくりと沈んでいき、スーッと沈んでいってトンと底にぶつかって跳ねるようしている。そんなトマトが美味しいトマトなんです。500棟くらいのハウスが並ぶ大網白里のトマト農家に見学に行ったおり、生産者がこう言うんです。トマトは水に浮くもんダベ、と。生産者が美味しいトマトの味を知らない。でも、こういう生産者が出荷するトマトが年中、スーパーには並ぶ。夏野菜のキューリも年中、食べられる。でも、キューリは冬に食べてはいけないんです。もちろん美味しくないんだけど。食べてはいけない理由はショーサンタイチッソが多く残留しているから。光合成をしっかりしたキューリはショーサンタイチッソをタンパク質やビタミンに変えて美味しくなっていますが、ハウスで育てた季節外れのキューリには、ショーサンタイチッソが多く残留している。それだから旬の季節以外に、キューリを食べてはいけないんです」
 ああ、やはり聞いたこともない単語の登場だ! この単語が意味不明のままだと、この先の話は正確に理解できなくなってしまう。ショーサンタイチッソ?
「あのー、お話の途中で誠に申し訳ありませんが、その、ショーサンタイチッソって、どんな字を書くのでしょうか?」
 話の腰を折るようなこんな質問にも、佐々木さんはイヤな顔一つせずに、「ショーサンは石偏の硝酸、タイは能力の能の下に心、態度の態、形態の態です。チッソは植物の三大栄養素の窒素、リン酸、カリウムの、あの窒素です」と、こちらに分かるように説明してくれる。
 浅学で農業にはつい最近足を踏み入れた悲しさ! 「硝酸と窒素の対比」を表す「硝酸対窒素」という言葉かと思っていて、その意味がなかなか分かりませんでした。佐々木さんの説明では態は形態を表す言葉でした。性は性質を表す言葉で、態は形態を表すときに使うもので、それゆえ、「硝酸という性質を持った窒素」ではなく、「硝酸という形態を持った窒素」と理解するほうが良さそうです。要するに窒素の一種らしい。話の途中では、実は分かった顔をしてしまいましたが、ほんとうのところは、チンプンカンプンでした。佐々木さん、懇切丁寧に説明していただいたのに申し訳ありません。

 その硝酸態窒素は猛烈な毒性を持つ発がん物質で、アメリカでは『ブルーベイビー事件』として知られる危険物質らしい。ブルーベイビー、つまりチアノーゼになった赤ちゃんと言う意味で、血液中のヘモグロビンの働きを阻害し、酸素交換ができないチアノーゼ状態を引き起こす作用が硝酸態窒素にはある。何百と言うベビーが死に至ったとの報告があったそうで、
「その死亡原因は硝酸態窒素が多く残留していたチンゲンサイで作った青汁を飲ませたことによるんです」と、佐々木さん。

ベロメーターを信じよう

 昼食時間が終りに近づき、循環型の堆肥づくり現場にまもなく移動しますとのアナウンスが流れる。もっと佐々木さんの話を聞いていたい。

 そんなアナウンスが流れる中で、佐々木さんはこう締めくくる。
「結論として、安全で美味しい野菜は、露地栽培された旬の時期のもの、ということになるでしょうね」。
 お日様をしっかり十分に浴びて育った野菜たちが一番美味しく、安全!
「硝酸態窒素は野菜にも残留しますが、土中にも残留して、これがいま、問題となっているんですが、一番肝心なことは、自分のベロメーターを信じることですね。食べてみて甘かったら問題ありません。ニガかったら、残留を疑えばいい。そのときはペッと吐き出せばいいんです」
 なるほど! 自分の舌の感覚を大切にするってことだ。
「それだけのことです。そのようなことは植物に教えられたことです」といって、佐々木さんは別なグループへと移っていきました。
 ベロメーター!
 この研修での一番の収穫がこの「ベロメーター」でした。自分の舌で判断する大切さ。循環型よりも一層印象の残る考え方でした。それ故に、眼から鱗の数瞬だったのです。

 それでも、どうしても分からない言葉でしたので、自宅に帰ってからもう一度おさらいの意味で調べてみました。「硝酸態窒素」。

「硝酸態窒素」について、グーグルで「硝酸態窒素」を検索したところ、195000件のヒット。そのうちから、「化学肥料は、なぜいけないのか」「pdf資料 千葉県の地質環境と硝酸態窒素汚染地下水の深度別変化」の二つが簡明でしたので時間をかけて読んでみました。

「化学肥料は、なぜいけないのか」の説明文中、こんな説明文がありましたので、引用してみます。
「最近妙にほうれん草や小松菜の色が濃いなぁ、と思われた事はありませんか。そして昔よりえぐみがあるようにお感じになった事は。そんな野菜は湯がくとお湯が真黄色になります。その色や、苦味の正体は「硝酸態窒素」。土壌中の化学肥料である窒素が形を変えたものです。植物(作物)は、光合成によって造られた糖とリン酸により窒素をたんぱく質に変える事で成長して行きます。窒素を多く与えればそれだけ作物は青々と濃い緑色になります。なぜそうするのかって。それは、緑黄色野菜は色の濃い方が栄養がありそうで消費者が喜ぶからなんだそうです。」

 もう一つ、「千葉県の地質環境と硝酸態窒素汚染地下水の深度別濃度変化」は吉野秀夫・千葉県議のレポート(2005/3/27)で、農産物出荷額上位にランキングされている千葉県での県内調査だけに、世界的に見ても画期的な調査だとか。

 なお、同じグーグルで「佐々木健人」と検索すると、78800件のヒット。「掲載:札幌タイムスMay 7th.2004佐々木健人先生からの激励文」を開いて見ると、以下のような紹介文があります。
====「有氣農業」は、佐々木健人氏(在東京)が創造されたものである。「有氣農業」と書くと、「有機農業」の間違いではないかと、問われることがあるが、印刷の間違いではない。
 さて、「有氣農業」について、いささか具体的に述べておく。
 この「有氣農業」は、有機質のものを使うという点で「有機農業」と共通する。ただ、「有機農業」では完熟堆肥が使われるが、「有氣農業」では堆肥を使わない。健人先生曰く「完熟堆肥は肝心な肥料分が抜けてしまったエネルギーの燃えかすだ」。生あるいは半生の有機質(牛糞・豚糞など)を、直接に土壌に鋤き込み、そこに土壌活性剤を散布する。このような農法では、土壌中微生物が活性化して、土中の色々な成分が、大いに作物へ吸収される。このような作物栽培をすると、たいへん栄養価の高いものができる。====
 そうか、大変な先生と隣り合わせてしまったのだ。なんて運がいいんだ。

 ところで、この二つのページ、「化学肥料は、なぜいけないのか」と「pdf資料 千葉県の地質環境と硝酸態窒素汚染地下水の深度別変化」だけは、時間があったら読んでみてください。それではまた。(hasegawa tomoaki)

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↑研修先の利根川河川敷にある玉根さんが指導している畑にて。両サイドにエンバクを植え、白統小蕪を植えた畝。ボクが感心したのは、播種した日にちを明記して、誰にも分かるようにデータを公表している点。こうすると、成長の具合が微妙に対比できる。備忘録としても有効。自分の畑でもぜひ、やってみよう。

飯島さんからの伝言
[14=落花生畑 IN AFTERNOON TEA]で、飯島さんのお母さま、シマさんに欠株のことや落花生のことを聞いた話を紹介しましたが、そのおり、ただ単にシマさんが早く落花生を植えたから早く収穫しているんだと思っていたんです。そこで、飯島さんに「ボクが植えた畝の落花生はいつごろ収穫すればいいんでしょうか」と聞いてみたら、以下のような返答がありました。どの業種もそうですが、農業もなかなか教科書通りにはいかないんですね。その年の天候とか、植えた場所とかの様子を見ながら、さまざまに対応していかなくてはいけないということが分かりました。
 以下、落花生収穫についての伝言。
落花生ですが、葉が青々しているうちはそのままに。霜が降りるまで育てます。
シマの落花生は平年に比べ異常に早く生育してしまいました。
葉をみると黒っぽくなりはじめています。そうなると、それ以上そのままにして置くと、落花生の紐と呼んでいますが、子房柄が弱り、茎を抜いた時、土中の落花生がプツプツと切れてしまい、ついてきません。そうならないうちにシマは掘りあげたのです。
生で食すには早めの未熟がおいしいです。煎り落花や、油味噌いためには十分育て、収穫し、ひなたで1週間から10日かけて十分に乾燥させます。

by 2006awasaya | 2006-10-17 00:28 | 真剣!野良仕事

【真剣!野良仕事】[15=就農ということ]

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↑定植を済ませたブロッコリーの畑。画面の左7列が手植え、右が機械植え。機械って、ほんとうにきれいな仕上がり。でも、手で植えた7列も、葉が繁ってしまえばほとんど見分けがつかない。
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↑定植を済ませてから3週間後。まったくの無農薬で栽培しているので、虫がつく。葉の裏とか、葉脈に沿ってほとんど見分けがつかない細長いグリーンの虫がついている。これを一株一株人の手で葉を裏返しては眼を凝らし、卵やアブラムシを見つければ指先で潰す。田舎の学校のメンバーが総出でこの作業に当たっている。それにしても、ああ、腰にくる作業だ。ボクはわずか1時間、お手伝いしただけで、この日はほとんど使い物にならなかった。


就農を目指す方へ

【真剣!野良仕事】[12=飯島さんの夢]として、秋の夜長のひと時、一灯の裸電球の下で囁かれた飯島さんの熱き思いの片鱗を披露させていただきました。丹精こめて作り上げてきた田んぼや畑が、58万都市の船橋にはまだまだ多くあること。しかしながら、後継者不在という実情から、それらの田や畑が遊び始めていること。しかも、手を加えずに1年も放置すると、休耕地は雑草に覆われ、地形すら分からなくなってしまうこと。さらに深刻なことに、耕作せずに放置した途端に、悪質な産廃業者によって産業廃棄物が捨てられるなど、さまざまな危惧と恐怖を抱えつつ、都市近郊型の農業はぎりぎりの努力で成り立っているものの、現状を維持継続するだけで大変なこと。そして、現状を維持するために、いま、しておかなくてはいけないことは何か。飯島さんの熱き思いはそんな構図でした。

 そのための飯島試案は、まもなく現役退職するであろう団塊の世代をターゲットとする。退職の世代が船橋周辺にはたくさん住まっているので、それらの方々が農業に対しての興味と関心の眼を向けてくれれば、ウイークエンド農民でも、ベランダ農園主でも、とにかく農業に関わりを持ってくれれば、結果として現状維持に結びつくはず。そんな予測と予感を飯島さんが抱いているということが分かった秋の夜長でした。

 その夜から、就農するとしたら、どんな障害があり、都会生活に慣れた退職者がどんなことをクリアーすれば就農しやすいのか、webを覗き見しつつも、なかなか思いが叶うページに巡り会いませんでした。

 ところが、これはボク自身の検索能力が未熟だったこともあり、要するに「キーワード」の打ち込みがヘタだったのでした。

 それから1週間して、いつもお世話になっている検索エンジンのグーグルで、試しに「就農」と打ち込んでみましたら、わずか0.18秒で761000件がヒット。そのトップは全国新規就農相談センターが運営しているサイト「農業をやってみませんか?応援します!」でした。

 やったあ、こんな立派なページがあったんだ!

 なんだかとても面白そう。ついつい、「はじめの一歩」「農業を知る」「学ぶ&体験する」「農業研修」「農業をはじめる」といったすべてのボタンをクリックして、しっかり閲覧してしまいました。全体の閲覧時間は約2時間ほども掛かってしまいましたが、なんだか、とても博学になったような気分。

 まず、「はじめの一歩」を開くと、「農村での暮らし」という小冊子仕立てというか、紙芝居仕立てというか、マンガ本をめくる安易さで読みすすめられるページが現れます。登場するのは農業代表の吉田さん一家と、農的生活に憧れて農村に移住してきた山川さん一家の物語。この両家の一日を同時進行で対比しながら、それぞれの暮らしを具体的に見せてくれる展開で、とても分かり易い構成です。

 吉田さんは10年前に新規で酪農家になったという設定で、お父さんとお母さん、それに小学校に通う子供が二人。そのお隣に3年前に引っ越してきたのが山川さん一家で、お父さんは翻訳の仕事。吉田さんと同じ小学校に通う子供が二人いて、お母さんは庭先で菜園を耕しながら、憧れだった農村生活を楽しんでいるという両家の日常のストーリー。
 朝5時。吉田家は搾乳作業がもう始まっていて、お母さんは搾乳、お父さんはトラクターで飼料の運搬と、とっても忙しそう。一方の山川家はまだみんな安眠中。6時30分、8時、9時、10時とほぼ毎時、それぞれのお宅がなにをしているか、具体的に報告。総じて酪農家の吉田家の方が忙しそうに描かれている。

 この両家の暮らしぶりを通して、農家と非農家との対比が明瞭になる仕掛け。農業って、結構忙しく一日が終わるんだなあという印象。一方の山川家はインターネットの普及のお蔭で、農村に暮らしていても、仕上げた仕事をメールで出版社に送るだけなので、ずいぶんと楽そうな暮らしぶり。どちらの暮らしがいいかと自問したなら、当然、パソコンで仕事のやり取りができる山川家を選ぶだろうな、ボクだったら。

 さて、この「はじめの一歩」には、web紙芝居「農村での暮らし」に続いて、「新規就農 適性・知識チェック」というコーナーが用意されているんです。よくできてるなあ。実によく考えられた構成。思わず適性をチェックしてしまいました。ぜひ、やってみてください。
 でも、このあたりまででした、気楽な気持ちで読めたのは。
 でもでも、試しにホンモノの適性チェックがどんなことなのか、「全国新規就農相談センター」のホームページでやっていただくとして、適性についてのとっかかりだけでもここに引用しておきますので、真似事をしてみてください。

1=就農に対する適性
□ 健康・体力に自信がある
□ 生き物(動植物)が好きである
□ 単純作業もこつこつやることができる
□ 他人との付き合いは苦にならない
□ オフィスの事務作業より野外で体を動かすことが好きだ
□ 体力にはかなり自信がある

2=新規就農についての意欲、動機、知識
□ 農業所得で生活、職業としての農業を目指している
□ 新規就農した経験者に会ったり、体験談を直接聞いたことがある
□ これまでに受けた農業体験や研修により農作業の厳しさは体で分かっている
□ 家族と一緒に生活や仕事がしたい
□ 農業は自然の中で生き物を育てること。自然災害や技術不足のため収穫が皆無の場合があることを知っている
□ 新たに農業をはじめることは、経営者として新しく事業を起こし、経営者になることであり、非農家出身者が新たに農業を始めることは既存の生産基盤のある農家より容易でないことは分かっている

3=新規就農の事前準備状況
□ 新規就農に関する情報収集に力を入れている(相談窓口訪問、相談会参加、インターネットホームページ、情報誌等)
□ どんな作物を作るか(作物選択)意向が固まっている
□ どこで農業をやるか(就農希望地)意向が固まっている
□ 実際の就農までの準備事項おろび段取りは大筋理解している
□ 家族が就農に同意している
□ 自動車運転免許(普通免許以上)を所有している

4=就農条件の準備状況
□ これまでに1年間以上に渡る農家・農業法人等で本格的研修を受けたことがあり(又は研修中)、目指す農業(作目)の技術と知識は身につけた
□ 就農希望地で就農に当たって親身になって面倒を見てくれる世話役的な人がいる
□ 農地を所得(購入又は借り入れ)するには法律(農地法)にもとづいた許可と手続きが必要で、一定の要件をクリアーすることが必要であることを知っている
□ 営農資金が自己資金で足りず、融資制度を利用する場合、保証人になってくれる人が見込める
□ 経営についての一定の知識(複式簿記等)はある
□ 農産物の販売について自信がある(マーケティング関連業務経験、元の職場同僚・地人・友人等のネットワーク活用など)

5=農村生活・就農後の生活について
□ 営農資金の他に、当面の生活資金(1〜2年程度)を用意している
□ 農業以外に本人や家族に収入を得る手だてがある
□ 農業をするには、住居がアパートなどでは難しいことを知っている
□ 農地と住居が離れていると作業が不便であることを知っている
□ 農村で生活する場合、地域とのコミュニケーションの重要性を知っている
□ 農業に係わる共同作業や地域での役割が求められることを知っている

 以上の設問に、回答してもしなくても、診断結果は以下の通りの説明文が表示されるのです。

1=農業には丈夫な体と困難にめげない精神が必要です。農業の仕事をするのに自分に何が必要なのかを考えるため、農業体験などを考えてみましょう。

2=農業へのビジョンを明確にして、自分スタイルにあった農業を考えてみましょう。ニューファーマーズフェアのセミナーなどで現実的な知識を少しずつ身につけましょう。

3=まだ農業を始める準備段階ではなく、農業の知識、体験を積んで就農条件など知識を身につけ、各種機関などで研修を受けて準備を整えていきましょう。

4=就農までに整えなければならない条件は条件はたくさんあります。就農センターなどで知識を身につけ、各種機関などで研修を受けて準備を整えましょう。

5=農村生活での具体的な方法を見直してみては。生活がまずあっての就農です。就農者の体験をセミナーで聞いたり、就農前に地域を訪れ、生活に必要な項目を確認してみてください。

 以上のようなアドバイスをいただくと、もしも就農するとしたら、「こりゃあ、結構な覚悟がいるなあ」というのが正直な感想。楽しく余生を過ごせる仕事として、都市近郊型の農業に第二の人生をと考えていらっしゃる方には、まじめすぎてちょっと辛いかも。
「生半可な気持ちで就農されたら、お互い、迷惑だからな」という主催者サイドのニガい顔がほの見える説明文でした。

 このあと、就農までの道筋が順を追ってガイダンスされており、農村から都市へ、快適な暮らしを求めて人の流れが加速するのが分かるようです。1万人に1人でも、そんなこと、はなから諒解していたことで、だからこそ、都市から農村へと、ほんとうの快適な暮らしを求めて移動するんだ!という人がいることを願わざるを得ません。
(hasegawa tomoaki)
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↑欠株に移植したダイコンはうまく育たないと言われたものの、なんとか根付いた苗。それでもこんな成長の差がでて、収穫期にはもっともっと大きな差となってしまうに違いない。悠々と育っている苗に挟まれた中央の小さな苗がそれ。
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↑欠株に移植した白菜はうまく育っているようだ。中央の株は間引きを済ませた白菜で、その両サイドは移植した苗。多分、根菜類は移植や定植には向いていないのかもしれない。
by 2006awasaya | 2006-10-11 15:05 | 真剣!野良仕事

【真剣!野良仕事】[14=アフタヌーンティー in 落花生畑]

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↑サトイモの根回りに鍬を一振りする飯島さん。スイングに腰が入っているから、見ていて惚れ惚れ。
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↑指を指しているところが子イモ。この小イモから孫イモが出てくる。
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↑右手で持っているところがサトイモの種芋。この種芋の上に、大きな親イモができる。ちょうど左手で持っているところが親イモで、メインの茎はそこから地上へと伸びて大きな葉を繁らせる。

欠株の話

 畑に向かう小道の脇にサトイモが植わっていて、葉を大きく広げてユサユサと風に身を任せるように揺れていました。ちょうど先生の飯島さんがすぐ後ろから歩いてきたのをいいことに、
「飯島さん、サトイモってどんな具合にイモがついてるんですか?」と聞いてみましたら、「そんなことも知らないんだ!」と、言葉にこそ出しませんでしたが、相当な呆れ顔ですぐ近くのハウスにあった鋤を持ってきて、「ほんとうに知らないの?」と、今度ははっきりと確認するように言葉に出しながら、鍬を振り下ろして一株全部を起こして見せてくれました。

 根回り10センチといったところにグサッと鍬を入れ、グキッと起こすと、サトイモの株全体が地表に顔を出します。

「最近はほとんど機械で掘るので、こうして鍬を使って掘り起こすのって、結構しんどいなあ」といいながら、片手で茎の根元を持つと、いとも軽々と株全体を引き抜き、イモがなっている状態がよく見えるように見せてくれました。

「えーと、このイモが植えた種芋。この種芋のすぐ上にあるこの大きなイモが親イモで、その親イモのまわりに子イモがつくんです。これが小イモ。その小イモのまわりに孫イモがつく。サトイモがどうなっているのか、分かりましたか。そうだ、今度イモ煮会をやりましょう」と、話はどうしても美味しい方へと飛び跳ねていきますが、さて、今回はイモ煮会の主役を務めるサトイモの話ではなく、欠株の話。

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大先輩!シマさん

 ボクの農業の大先輩で、野良仕事の最中に分からないことがあったりしたら、すぐに聞ける! そんなふうに以前、飯島シマさんを紹介しましたが、シマさんご本人は迷惑な話だと思っているかもしれません。
畑で仕事をしているときに、いつも、こちらが一方的に話し掛け、手を休ませ、聞きたい話だけを聞き、「いやあ、そういうことでしたか。納得できました。ありがとうございました」と、一方的に話を切りあげ、畑をあとにする。ボクが立ち去ったあと、シマさんはどう思っているんだろう。
「なんてまあ、何にも知らないヒトだろう」と、心底そう思っているに違いないのは分かっていますが、次回お姿を見たときにでも確認をとってみようと、そんなことを考えながら、翌週にはもうそのあたりの反省をすっかり忘れ、「ところで、お聞きしたいことがあるんですが、いま、よろしいでしょうか。落花生の収穫時期はなにか茎が黒くなったり、葉っぱが黄色くなったりなど、落花生のほうからもう収穫できるぞ、なんていうサインがあるのでしょうか」と、話し掛けてしまうボク。だって、実に気さくに答えてくれるんですもの。

 先週、ダイコンと白菜とゴボウの新芽を間引いた話のなかで、間引いた苗を欠株しているマルチシートの穴に移植したことを書きましたが、このことについて、大先輩はどのように考えているのか、聞いてみたかったのです。
 
長谷川 マルチの穴に5〜6粒、ダイコンの種を蒔いて、一粒も芽を出さないところがあったんです。それで、蒔いた種全部が芽を出したところの1本を残して、余った4本を、芽を出さなかったマルチの穴に植えたんですが、それがどうも元気がなくて。農家の方はそういうとき、どうしてるんでしょうか?

シマ そういうときって、欠株になったときってこと? 農家はそんなこと、しないのよ。なんでしないのかというと、欠株に移植しても、まわりの葉にお日様を遮られたりして、成長が追いつかず、収穫の時期が遅れ、結局は無駄になってしまう。間引くってのはそういうことで、5〜6粒蒔けば悪くても2〜3の芽は出すもので、その中から元気のいいのを選んで残すっていうのが間引くってことの意味なんです。それに、移植する手間をかけても、経験的に出来が良くないってこと知っているから、欠株したところには別な、もっと成長の早いものを植えるんです。

長谷川 たとえば?

シマ 落花生の場合、畑の半分近くを落花生にしてありますが、2〜3カ所で芽が出ないで欠株になっています。そこには落花生より背の高い、成長の早いゴマを植えるんです。

長谷川 ああ、それで落花生の畑の中に、ぽつんぽつんとゴマが植わっているんですか。

シマ そう。先々週に花が咲いて、来週あたり、こぼれちゃうから、収穫しないとね。でも、落花生はまだ収穫時期には早い。落花生の隣りのサツマイモは苗を植えているので、そうそう欠株しない。種芋を植えるジャガイモも、欠株しない。

長谷川 収穫時期がまだ早いと言いましたが、地中の実りというか、成り具合をどうやって判断するんですか。

シマ 落花生は葉っぱが枯れてきたり、黒いシミのような斑点が出てくる。そうそう、その黒い斑点。そうしたら一つ二つ掘ってみる。それでもう少しとか、もういいとか判断する。サツマイモの場合は茎のあたりが赤くなってくる。サツマイモは一つが700グラム以上はダメだとか、1キロ以上の大きな物になると流通に乗らないとかで、なかなかむつかしいの。小さめで同じ大きさがたくさんなるのがいいんだけど、そうはいかない。

長谷川 大きくなりすぎたサツマイモは、そうするとみんな自家で消費するんですか?

シマ 一般の市場には乗らなくても、羊羹の材料になったりするから、無駄にはなりませんけどね。

長谷川 ああよかった。

 こんな風にして、畑の中で話は弾んでいくんです。そうだ、今度は魔法瓶にお茶でも入れて茶飲み話を聞こうっと。畑の中でアフタヌーンティーなんて、シャレてるなあ。

長谷川 ところで、落花生に去年はマルチをしたと言ってましたが、今年はなんでマルチをしていないんですか。

シマ マルチを張ると、土の中の温度が高まって、成りがよくなるんです。数が多く成るってことじゃなく、数は少なくても一つ一つが大きいのができる。でも、わたしはいっぱい成った方が嬉しいから、それでマルチを今年は張らずに露地でやったんです。露地でやった方が数がたくさん成るんで、面白いんです。なんとなく気分もいいし、それに面倒なくていいんです。マルチって面倒な作業であることは確かなんです。畝を作ってすぐに種を蒔いたり苗を植えたりする前に、マルチシートをかぶせるという作業がある訳です。収穫する前にも、マルチをはずさなくてはいけないし、およそ面倒なんですよ。

長谷川 えー!収穫する前にマルチ、はずすんですか?

シマ そうしないと機械が入らない。サトイモもサツマイモも、茎と葉っぱを切り払って、それからマルチを剥がし、それで機械を入れて収穫。

長谷川 そんな手間がかかるんですか、マルチシートって。で、落花生ですが、落花生は花が咲いて、その花の基にある子房で受粉して、そこから子房柄が伸びて、やがて土の中に突き刺さって膨らみ、豆ができる。これでよかったでしょうか。

シマ ええ、その通りだと思いますよ。

長谷川 マルチをすると、その子房柄は地中に潜れないんじゃないんですか?

シマ いえいえ、ずんずんとマルチを突き破って土の中に入っていきます。私の落花生がちょうどいまが収穫で、掘りたての生ラッカ、これがおいしいんです。最近はお店にも出回っていますが、掘りたてを茹でて食べてご覧なさい、ほんとうにおいしいんだから。

長谷川 どんな茹で方をすればいいんですか?

シマ 掘りたてを水で洗って、濃いめの塩水で40分くらい茹でるんです。あと引き豆っていうの、分かりますよ。おいしいです。

長谷川 そうそう、生ラッカがうまいからって、今年の春、飯島さんが落花生を植えることをすすめてくれたんでした。どんなにうまいか、もうすぐボクの畑でも収穫ができるので、うれしいな。いやあ、どうも、長々とおしゃべりしてしまって。それじゃあ、またお話聞かせてください。ありがとうございました。

 シマさんは今年89歳。昔のこともつい最近のことも実によく知っていて、次回のおしゃべりは戦前戦後の船橋のことなどを聞いてみよう。(hasegawa tomoaki)
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↑船橋はアサリも有名で、駅前にアサリ売りのおばさんが各所に並ぶ。東武船橋駅の側にも出るが、JR船橋駅の南口を出て左に回り、向かいのフェイスに渡る信号機の下あたりに店を出すおばさんのアサリが実にぷっくりしておいしい。そのおばさんは「砂抜きはしてあるけど、少し多めの塩をたっぷり入れた塩水に、食べる前1時間くらい浸けておくと、完璧に砂抜きができるよ」と、必ずアドバイスしてくれる。酒蒸しが最高に美味い。飯島さんにいただいた生ラッカをさっそく茹でた。アサリの砂抜きに使う濃さの塩水で40-50分、茹でる。殻を割って出てくるこの甘皮が絶妙に塩っぱく、あとを引く美味さだ。ああ、はやく自分で作った落花生でこのあとを引く美味さを味わいたい。

飯島さんからの追伸
コメント=1
サトイモを掘り起こしている写真に映っていなくてよかったのですが、ふつう、サトイモは3本万能とか4本万能と呼んでいる鍬を使うんです。農家の方がこの写真を見たら、きっとおかしなことしてるなあと思うだろうなと、試し掘りをしたあとで思い返していたんです。あのとき、農具を置いておくハウスには、平べったい普通の鍬しかなかったので、それでサトイモを起こしたんですが、実際の農作業としてサトイモ掘りをするとしたら、作業能率からいっても4本万能を使うんです。万能って、なんて言ったらいいかなあ、手元の広辞苑で調べると、「除草に用いる農具」とあり、「10センチくらいの扁平または円くとがった歯に柄をはめたもの」という説明がしてありますが、水田で使う田起こし用の備中鍬に似た鍬なんです。でも、言葉で説明しても、ほとんど分からないと思います。それで思ったのですが、農具のことって、みなさん案外知らないので、こんど畑で集中講義でもしようかと思います。
コメント=2
ダイコンを間引いて、その間引いた苗は捨てずに食べてくださいって作業の段取りに書きましたが、それは間引いた苗を植え直しても、ほとんど根付かないから無駄だといったんです。もちろんなかには根付くのもあると思います。でもほとんど根付かないのは、引き抜くときに、細かな眼には見えないような細い根をプツプツと切ってしまうからなんです。慎重に引き抜いても、どうしても細い根を切ってしまいます。白菜は植え直しに比較的強いんです。ブロッコリーも比較的強い方です。それぞれ、野菜の種類によって微妙に違っているんですね。
by 2006awasaya | 2006-10-04 00:31 | 真剣!野良仕事

【真剣!野良仕事】[13=秋冬野菜の芽]

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↑種を蒔いて2週間目の発芽一覧。ぽつんぽつんと欠株しているところ、分かりますよね。整然と芽を出してくれればいいんですが、はやり芽を出さない種もあるんですね。奥まで伸びた右の方の畝の、4穴マルチの右の1列目にはダイコン、2列目もダイコン、3列目は白菜、4列目は手前がダイコンで奥が白菜。
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↑漬物用にむいているという「干し理想」という名のダイコンの芽。この2本のうち、元気なほうを残して1本を間引きます。ボクはこの1本を慎重に引き抜いて、欠株しているマルチ穴に移植したのですが、果たしてうまく成長を続けてくれるかどうか。
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↑青首ダイコンの新芽。5粒蒔いて芽を出したのがこの2本。手前の株が元気そうだったので、奥を間引き、欠株しているところに移植しました。元気に育てよ。

野菜の芽

 もう1カ月が過ぎようとしています。白菜と3種類のダイコンの種を蒔き、次の週にゴボウを蒔き、畝の周囲の雑草取りの模様をここに書きましたが、ありがたいことにそれぞれが芽を出し始めました。

 でも、悲しいかな、そうなったらそうなったでどうしていいのか分かりません。
 9月1日に秋冬野菜の栽培目安表をいただき、まるで小学生のような面持ちで飯島さんから秋冬野菜づくりの講義を受け、好きな野菜を選んで種を蒔きました。

 白菜、ホウレンソウ、小松菜、ダイコン、ちぢみホウレンソウ、絹サヤ、タマネギ、そら豆といった品種メニューから、ボクは大好きな白菜とダイコンを選び、さらにこのリストにはなかったゴボウまでチョイスしたのです。

「ゴボウは収穫が大変ですけど、いいですね」と、飯島さんに太い声で念を押されました。
「た、大変って、何が大変なんですか」
「細くて長いですよね、ゴボウって。相当深く掘らないといけない。結構しんどい作業になるんです。それでもやりますか」

 それでもやりますかという言葉にビビる自分がちょっと恥ずかしかったのですが、ゴボウって惚れ惚れするほどいい匂いのおならが出るので、この一点の理由で小学6年生になる息子舜太も大好きな野菜なんです。最近はお風呂にほとんど一緒に入らなくなったんですが、それでも一緒に入った時など、湯気に煙るお風呂場での「おならの匂いくらべ」はいい思い出で、ことしは父親自ら作ったゴボウだから格別の匂いで笑いあえるはずだと、そんな見果てぬ夢の片鱗もちらついて、即答できなかったのです。そしてワンクッション置いて、頭の片隅にゴボウの匂いを嗅ぎながら、
「ぜひ、ゴボウをやらせてください!」と、お願いしたものでした。
 偏差値では到底無理と分かっている受験校を高望みする出来の悪い少年、ボク自身がそうでしたので、そうした屈折した心根は、実によく分かるんです。でもやってみたい!ダメもとでやってみたい!
「同じ畝に蒔いてもいいんですか。もっともっと深く畝を起こさなくてもいいんですか」
「ええ、深く掘らなくてはいけないのは収穫の時だけ」と、たかだかゴボウで過剰反応の素人に接し、プロの飯島さんもちょっぴり慌てたのかもしれません。
 そのゴボウも2週間後にはしっかりとした芽を出しました。1メートルくらいなら掘り下げてやるからな!ずんずん暗黒世界の中心目指して深化しろよ、成長しろよ。湯気の向こうの笑顔が待ってるぞ!

 段取り
 さて、段取りはワープロで以下のように書かれていました。

・ダイコンは2本を残し間引き、もう少し時期を見て1本にします。間引いたダイコンは葉も、モヤシのような根も食べてください。
・白菜は1本に間引きし、欠株しているところに、できるだけ根を傷めずに移植します。
・ゴボウも1本に間引きます。

 ボクはダイコンと白菜とゴボウですが、他の野菜にチャレンジした方の野菜のその後の段取りも一緒にここにメモしておきます。

・コカブは10月までいつでも播種OKです。
・タマネギは9月中旬の時点で播種のこと。マルチシートの3615使用をおすすめ。
・長ネギは苗を「田舎の学校」でつくり、来春に定植しましょう。
・ホウレンソウは10月頭まで随時播種していけば、きらさずに収穫ができるようになります。
・タアサイはマルチの1穴に1本に間引きます。
・ナスは寒さとともに成りは減りますが、霜が降りるまでは収穫ができます。あるいは収穫が減ってきたこのあたりで片付けて、次の野菜を植える準備に入ってもいいですね。
・ピーマン、シシトウはナスに同じ。唐辛子はある程度赤くなったら枝ごとはずして乾燥。

 以上のような簡明な指示が段取りには書いてありました。

 この指示どおりにダイコンと白菜の間引き作業をしましたが、全部が全部芽を出した訳ではなく、思わぬ欠株となっていました。
 三浦ダイコンは1列19穴に蒔いたうち、5穴が欠株。
 青首ダイコンは1列10穴に蒔いたうち、4穴が穴株。
 干し理想(煮物にするとおいしいダイコン)は1列9穴に蒔いたうち、3穴が穴株。
 白菜は1列19穴に蒔いたうち、5穴が欠株。
 間引き作業をしにきて、芽を出してくれたことに対する感謝の念がふつふつと湧いてきました。芽を出すことの大変さ、芽を出して当たり前という考え方でいた自分でしたが、考えて見るまでもなく、芽を出さないという場面もありで、そのときにはどうすればいいかも含めて改めて考えてみようと思いました。

 さて、欠株したマルチの穴に、同じ畝で作業をされている方の間引いた白菜をいただき、移植したのですが、たちまち萎れてしまい、まったく元気がありません。野菜類には移植定植ってほんとうに大変なことなんだということがほんのり分かったように思います。確実な実りを手にしたいなら、できるだけ多めに種を蒔いたほうが確実。でも、いたずらに多く蒔くというのも無駄で、やはり4〜5粒という指示なら、今後は6〜7粒を蒔くことにしようと、農作業ノートにメモしました。
 間引き作業を開始する前の注意事項として、ダイコンやゴボウは移植できないと飯島さんにいわれたのですが、欠株は美しくないので、間引いたダイコンを決株したところに移植したのです。果たして同時期にスタートした他のダイコンに比べ、移植したものがどれくらい成長が遅れるのか、今後、しっかりと観察していこうと思います。ボクにはただじっと見守るしかできませんから。(hasegawa tomoaki)
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↑ゴボウの種を蒔いて1週間目の畝。中には芽を出しているものもある。この黒いシートがいいのか、透明のシートがいいのか、そのあたりの黒白の差もいつか、飯島さんに聞いてみよう。あんがい、「ほとんど、差はありません。生産者の好みです」なんて言われてずっこけるかも。
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↑種を蒔いて2週間目のゴボウ。この穴には5粒蒔いて芽を出したのがこの一つ。でも他の穴には3〜4の芽が出ていて、1本に間引かなくてはいけないから、これは悩まなくていい穴。心配は一番柔らかなこの新芽を狙って虫たちが来なければいいなあと。心底心配になる。二つ向こうの畝に定植したブロッコリーの何本かは、枝だけ残して葉がきれいになくなっていた。「これ、きっとウサギに食われたんだと思いますよ。よーくみると、ウサギの忘れ物があるはずです」「忘れ物って?」「フンです。きっと近くに落ちていると思います」。そうか、野生化したウサギも、われら農業者には敵なのか。
by 2006awasaya | 2006-10-01 15:00 | 真剣!野良仕事