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【真剣!野良仕事】[24=タマネギの植え付け、してきました]

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↑つい1カ月前まで落花生が植わっていた畝です。落花生を収穫後、耕耘機で耕してありますから、ふっかふか。ここにタマネギを植えます。苗を露地などに植え替える作業を専門用語で『定植』というのですが、一応は鍬で表面をならし、6穴10列のマルチシートを敷きます。

タマネギ、植えてきました

 飯島さんから「タマネギの苗がありますから、植えてください」と携帯に着信。妙に電話が近いので、いまどこからですかと問うと、なんと直線距離で500mも離れていないブロッコリー畑でいま収穫中とか。その収穫の模様は[23=幸三郎ブランドのピュアーなブロッコリー]で報告しましたので、そちらを参照してください。
 で、その収穫お手伝い前にいただいたタマネギ定植の電話内容をもう一度ここに書いておきます。
 だいたい、こんな会話でした。
飯島  もしもし、飯島です。もうすぐ、タマネギを植える時期です。この前、声かけをしたときには苗が足りなくなっちゃって、ご迷惑をおかけしました。苗の用意ができましたから、いつでも植えてください。
長谷川  ヒマにしていますから、すぐに植えに行きます。
飯島  すぐにって、いまどこ?
長谷川  え、いまどこって、飯島農園の好人舎の前にいるんですが。

 このあたりのへんてこな会話が、携帯電話に馴染みきれていない部分で、発信する側と受信する側に時間と位置の認識にズレがあるから、結構、頓珍漢な会話になっちゃう。天動説で馴染んでいた生活に、急に地動説の世界の道具が入り込んできたものだから、「いま、いい?」とか、「いま、お話しできる状況?」とか、通信通話そもそもの可否、適不適を会話の先頭で確認し合う、携帯スタイルのマナーが定着しているんだと思います。
 それはさておき、こんな近くにいると思っていなかった飯島さん、正直、おどろいちゃっていました。

飯島  え!じゃあ、すぐそこにいるんだあ。てっきりご自宅にいるんかと思いました。それじゃあ、なんでこんなに早く畑にいるんです?
長谷川 ええ、先週から今週に掛けて、なかなか自分の時間がとれなくて、それで今朝は少し早めに畑に来て、出来る作業があればそれを済ませて、挨拶が出来ても出来なくても引き上げようと思っていたんです。
飯島 それじゃあ、ちょうど良かった。玄関ドア脇に水道の流しがあるでしょ。そうそう、その流しの下、そこに苗があるの、分かりますか。6つに仕切られた苗、分かります? そう、それそれ。一つの仕切りにだいたい10本の苗が植わってますから、それをほぐして、6穴のマルチシートを敷いて、1穴に1本植えてください。ええ、落花生のあとのところ、そうです。苗は60前後ありますから、マルチは10列、確保できる分を切って持っていくんですよ。
長谷川  マルチは黒と透明のどちらを使うんですか。
飯島  透明を使ってください。分かりましたか。分からなかったら、先週、田舎のメンバーが植えましたから、それを参考に。それでも分からなかったら電話をください。

 だいたい、そんな携帯でのやり取りがあって、でも、ブロッコリーの収穫もしてみたいし、お手伝いに行ってもいいかというと、ああ、ありがたい、ぜひ手伝ってくださいというので、喜び勇んでブロッコリー畑へ。そして、ブロッコリー収穫の後にタマネギを植えに行ったんです。ブロッコリー収穫を先週報告したら、タマネギ定植のこと、コロッと忘れちゃって、それで手順前後と言うか、時系列的に後先が逆になってしまったんですが、タマネギの定植、報告です。ああ、回りくどい説明。

 さて、飯島さんからの電話内容を思い返しながら、まずは円筒状に巻かれた6穴マルチを12列分、ハサミで切り、タマネギの苗を持ち、鍬とスコップを抱えて畑へ移動。
 
 畑に着いて、まずは鍬で整地をしました。
 3週前に、落花生を収穫したあと、すぐにトラクターで畝の整理をしてくれてあったので、畝はふかふかのウオーターベッド状態。
 6穴のマルチを10列、畝の上に広げ、四周を土で押さえ準備ok。それが下の写真です。すぐ左上に見える白菜、立派に育ってるでしょ。
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 次にタマネギの苗をほぐします。根が結構張っていて、なかなか上手くほぐれません。出来るだけ根を切らぬように、丁寧にばらします。知恵の輪の要領でこんがらがった根をほぐしていると、ネギのいい匂いがプンプンします。
 根元のあたりが多少膨らんでいて、その膨らんだ部分がこれからぐんぐん成長して丸く大きくなって、あのタマネギになるんだと、完成形がはっきり分かります。でも、大きさは爪楊枝サイズです。
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 1本1本にばらしてから、マルチシートの上に並べました。苗は全部で58本でした。スコップを使って、1本1本、手前3穴を10列分植えてから、畝の向こう側に回って同じ作業。これが存外腰にくる作業でした。
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 生憎、雨が降ってきて、ビショビショ。でも、今日を逃すと定植の時機を逃してしまいます。植える時期に植える。収穫時期に収穫する。その時期時期にしっかりそれに見合った作業をしないと農作業は成り立たない。ま、当たり前のことは言うまでもないことですが、作業の進行状況だけはデジカメで記録しておこうと、その都度デジカメでカシャ、カシャ。おかげでカメラは泥だらけ。
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 でも、見てください。きれいに定植が済んだ58本の苗を。
 収穫はいずれにしても来年。
 1カ月前に播いた小松菜が大きくなっている。お正月は、自家製の白菜と大根と小松菜でお雑煮ができるぞ。めでたしめでたし。(hasegawa)

↓12月2日、ブロッコリーの収穫お手伝いをした後で、自分の畑を見に行ったら、なんとなんと、大根が葉を繁らせていて、思わず大きい方から3本も引き抜いてしまいました。その3本を抱えたら、ふらふら。ああ、パワー不足!自宅に戻って、体重計に乗って測ってみたら、3本でなんと10キロありました。自分の足より太い大根!1/5をオロシにしていただきました。辛みが少なく、とてもいい大根でした。
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by 2006awasaya | 2006-12-15 00:37 | 真剣!野良仕事

【真剣!野良仕事】[23=ブロッコリーの収穫]

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↑12月2日は実に気持ちよく晴れ渡った土曜日。田舎の学校のメンバーも全員参加。メンバーを前に、「ブロッコリーは真上から見て大きさを確認し、スパッと根元を切る」と飯島さん。収穫作業に移る前に、収穫の実際を見せてもらう。測り方、切り方、葉の落とし方、もう模範演技って感じで、全員、惚れ惚れ状態でした。
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↑ブロッコリーの頭は小さな蕾が密集していますから、触れないように。茎を持って葉を切り落とします。「茎を切ったら、その場で葉を落とします。ここで注意することは、切った葉を隣りのブロッコリーの蕾に落とさないこと。葉で陽を遮ってしまうと、商品価値が落ちてしまいますから。そうそう、それからもっともっと大事なこと。ブロッコリーの頭を持つと、蕾が傷みやすいので、茎を持ちますが、茎の後ろに回っている自分の指を落とさないように厳重に注意する必要があります」と。こんな細部についての注意喚起をしてくれるところが凄い。
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↑包丁の刃には寸法を測るためのガイドラインが引かれている。規格を維持するためのこんな工夫が、農作業の現場には随所に隠れている。ただし、どの職場にも、この程度の工夫は隠れているが、部外者にはどうにもよく見えない。見えない部分は注意喚起が必要なのだ。

幸三郎ブランドのピュアーなブロッコリー

 12月2日(土)、田舎の学校のメンバーが取り組んでいる無農薬ブロッコリーが収穫時期を迎え、その収穫の手伝いをさせてもらいました。

 どういう具合に収穫するかというと、鋭利な包丁とカゴを持って、一人3列の畝を担当しながら、直径12センチのブロッコリーを探し、根元付近でスパッ。12センチは見た目の見当ではなく、包丁に刃先から12センチの部分にマジックでガイドラインを引いてあるので、その包丁をブロッコリーの蕾部分に当てて、直径を確認してから根元をスパッとやる。

「真上から見ないと、なかなか分かりません。切る前に刃先で確認して」と、飯島さんの檄が飛ぶ。

 ブロッコリーというのはキャベツやカリフラワーの親戚で、共通の先祖はケール。青汁で一世を風靡したケールが本家という野菜で、キャベツは結球した葉を食べるのに対して、こちらは蕾を食べる。だから、開花したブロッコリーは商品価値がない。小さな蕾が均一な状態で揃っていて見た目も美しい時期に収穫をしないと意味がない。これらをチェックしながら、畝にまたがって両サイドの畝のブロッコリーもチェックしながら作業を進める。

 田舎の学校ではこの夏にブロッコリーをトラクターのような風貌の定植機で定植し、栽培を始めたのだが、「純正無農薬ブロッコリー」という、ほぼ夢マボロシのような付加価値を付けて生協に卸すので、厳格な規格で出荷する。直径12センチという外形寸法もその生協の規格。
 規格はまだまだある。茎の部分についている葉をきれいに落とし、茎の長さも一定の寸法で切り落とす。もちろん、畑の土が茎や蕾部分に着いたり、虫にかじられた跡が茎の一部に見えたりするものは、規格外としてはねてしまう。

「うーん、たった数センチのキズでこんなみごとなブロッコリーをはねるとは、神をも畏れぬ偏狭ぶり」
「ああ、もったいないなあ。憎っくき虫め」
 そんな義憤に似た感想を口々に漏らすメンバー。
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↑蕾の奥に隠れていた青虫。この青虫が無農薬の証明をしてくれているはずだが、やはりこの虫一匹を見逃してしまうと、クレームのもとになる。え、どこにいるか分からない? 茎と中央部に、濃いグリーンが見えるでしょ。このブロッコリーは裏に虫が咬んだ跡がついていたので、不合格品。ゆえに土だらけのゴム手袋で持っているが、合格品はきれいな手で作業が進められているからご安心を。
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↑収穫したブロッコリーをまえに、収穫のノウハウをメンバーに説明する飯島さん。

熱き思いを胸に

 すると、飯島さん、軽トラの荷台にメンバーを集めて、
「こんな苦労を重ねて、我々農家は野菜を作っているんです。ですが、最近は作業の幅がうんと広がってきて、ただいいものを作るだけじゃなくなってきているんです。収穫後の袋詰めやシール貼りまでするようになっているんです。どこかでこの流れを変えていかなくてはと思っていますが、いま、ここで一番大切なことは自己管理です。鋭利な刃物を持っての作業ですから、指を切ったりしないよう、気を使って作業してください」とクールダウンの一言を入れてくれる。
 こんな一言が経験ってものだなあと、つくずく感じ入ってしまう。

 収穫後に袋詰めの際に、規格よりも小さいものはチェックしてはねてしまう。さらに、青虫のような虫が着いていたりすると、これもクレームの対象になるので、袋掛けをしながら、天にかざして蕾の下などに隠れている虫の有無を調べ、その後、1箱20個入りの段ボールにきれいに詰める。

 均一な大きさ、重さ、色味、頭のこんもりとした形、均一な蕾の状態と、すべての規格をクリアーした20個のブロッコリーが段ボールに詰められて出荷を待つ。まるでトヨタの組み立てラインから出てくるレクサスのような、均一のクオリティをキープした無農薬栽培による超高級ピュアーブロッコリーが生協に納品される。

夢の収穫時期を迎えて

「稼げる農業をやってみましょう」という目標を掲げ、無農薬と言うピュアーなブランドで作り始めたブロッコリー。【12=飯島さんの夢】でも書きましたが、バーベキューパーティの席で、「9月に入った最初にブロッコリーをシーダー農法でやりましたが、この無農薬ブロッコリー栽培を通して、しっかりとした売り上げと、売り上げの分配をしたい。この作業はそのチャレンジでもあるんです」と飯島さんが言っていましたが、まさしく待ちに待った夢の収穫のときをいま、迎えている訳です。

 コマゴマとした規格を頭におきながら、3列の中央の畝にまたがって、両サイドを見渡しながら、大きさの規格にあったブロッコリーを真上から探し、包丁を当て、寸法がたらなかったら見送り、たとえ寸法が合っていても、ほんの一部の蕾が咲いていてもダメ。その確認をしながら畝を前進して行く。

 約1時間ほどで目標のオーダー数をなんとか収穫し終え、道路脇に置いた軽トラの荷台でビニールの袋詰め作業をし、出荷用の段ボールに、丁寧に詰めて行く。
「ブロッコリってやつは収穫後はほんとうに敏感で、日にさらされると傷む、風に吹かれても傷む。すべて素早く作業を進めていかなくてはならないんです。この袋詰めやバーコードを貼ったりする作業は、本来は農家の仕事ではなかったんです。八百屋さんやスーパーのバックヤードでお店の人がやっていた仕事なんです。でも最近はこうして規格にあった大きさを100とか200とか、注文数に応じて袋に入れたり、バーコードを貼って、店頭ですぐに並べて売れる状態にまで加工して出荷しないといけなくなってしまったんです。農家の仕事はずいぶんと拡大してしまって。でも、こんな作業も経験しないと、一人前になれません」と飯島さん。

 朝露をたっぷり含んだ作業着はびっしょりと重い。メンバーはこの収穫作業を2週間前から経験しているので、ゴム長やスパッツ、ビニールパンツを履くなど防水対策を各自しているが、ボクは未経験で、地下足袋から何からビショビショ。ああ、自己管理が出来てないなあ。
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↑「さあ、みなさん、もうひと頑張りしましょう」と、飯島さん。こんなにいい天気だったら、多少腰が痛くても苦にならないが、翌週の土曜日12月9日は寒く冷たい雨が降る中での収穫だった。「こんな天気だから、メンバーは集まらないだろうと思っていたら、先週に変わらず、収穫に参加してくれた。農業への熱き思いがみんなにもふつふつと湧きだしてきたのかなあ、嬉しいな。嬉しいな、ふふふ」と感想を漏らす。その笑顔がたまらなく優しい!

 でも、収穫は心弾むものがある。一面のピュアーなブロッコリー畑で、スパッ(根元に近い茎をカットした音)、シャリシャリーン(これ、茎の脇から出ている葉をカットしている音)という金属音が響く。
 この日は用事があり、午前中だけしか畑にいられないので、お手伝いはほんの1時間ほど。そして、1週間後の12月9日(土)、朝から冷たい雨。でも、こんな日でも、ブロッコリーの収穫作業は続いていた。
 この朝、収穫されたピュアーなブロッコリーは、なんと大洗港からフェリーで北海道へ。北海道のみなさ〜ん、「幸三郎」ブランドのピュアーなブロッコリー、食べてみてください。生産者名を記入したブルーの用紙が透明の袋に入っていますから、幸三郎ブランドだと確認がとれるはずです。
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↑12月9日の冷たい雨をうけて。このブロッコリーは収穫可能な寸法までまだ届かない。来週くらいの収穫か。
by 2006awasaya | 2006-12-11 12:14 | 真剣!野良仕事