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稲の観察記録[第25回]

2007.10.26
稲の観察記録[第25回]
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安藤 12月。秋から保存しておいたワラをどのように利用しようかと考えていたのだが、お正月のしめ飾りを作ることにした。7月に買物帰りにA子と立ち寄った神社の鳥居の大しめ縄を思い出しながら、玄関にかざるしめ飾りを作るのである。
私は少しだけワラ縄ないの経験があり、上手にはできないが、基礎の基礎はわかっているつもり。ワラ打ち用の木槌がないので、スリコギで代用した。たたいてしなやかになったワラを縄になっていく。なんとか細い縄が60cmほどできてきた。

飯島 お米作り、ご飯を食べて終わりかと思いきや、藁で縄をなって、そしてしめ縄飾り。よくやりました。稲を作ると、お米だけでなく、藁や籾殻、糠など、昔の人は無駄なくすべてを使っていました。残念ながら藁だけは、お米づくりの効率を上げるため、焼却してしまうなど、残念な扱われ方になっています。藁は堆肥にしようとすればすぐ、土になるのに縄にすれば、使い方によっては何百年も縄の役割を果たしたり、すごい力を持っていますね。
by 2006awasaya | 2007-10-26 19:25 | 稲の観察記録

【真剣!野良仕事】[50=一網打尽プロジェクト]

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↑ブロッコリー畑にて農作業の合間に世間話をしているように見えますが、全員、腰をさすって「ああ、痛い!ああ、しんどい!」と呻いているのです。腰を屈めての作業って、ほんとうにつらい仕事が多いですよね。虫取り作業のブロッコリー畑にて。

松本さんからの提案

 無農薬で野菜を作るということは、本気で大変なのです。飯島さんからいつか、「無農薬で始めた人10人のうち、翌年も無農薬を貫いた人は、いったい何人だと思います?」ということを聞かれたことがありました。志を割合で測る訳にはいきませんが、なんと1人だそうです。残り9名の方々は初志貫徹できぬ複雑な事情があったのでしょうね。この1年でそのことが多少理解できるようになりました。
 鳥害はネットで覆うなり、畝の上にテグスを張るなりしてなんとか防衛できないことはありませんが、虫の害はトンネルを張ったくらいでは防ぎきれません。そのことは昨年から今年に掛けて、ブロッコリー作りにタッチして、いやというほど味わいました。夜盗蛾の幼虫であるヨトウムシと、正式名をダイコンシンクイムシというシンクイムシが発生したところで、ほぼ全滅でした。*アンダーバーがついている「ヨトウムシ」と「シンクイムシ」をクリックすると、それぞれの詳細なページにリンクします。
 ブロッコリーを収穫しながら、茎の部分にわずかでも虫になめられたようなキズがあると、良品として出荷できないのです。また、見た目にそうしたキズが確認できなかったとして、蕾の部分に隠れていた長さ10ミリほどの小さな青虫が、いざ調理する段になって主婦を震え上がらせることもあり、わずか10ミリの青虫が重大なクレームとなって生産者にフィードバックされてきます。「そうした流通業者からの厳重注意が1シーズンの出荷中に何遍も繰り返されたら、これは薬に頼らざるを得ないよな」と、ボクはそう思いました。そう思いながら、なんで飯島農園では農薬をわずかな時期に限定してでも使わないのだろうと、思いました。

 ボクの区画でも、カメムシにほんのひと刺し吸われたところがカサブタのようになり、見るも無惨な姿になっているナスが大半でした。自家消費ですから、多少のキズは食卓の話題に最適ですが、これが立派に流通に載ってくるプロが作る野菜だったら、どんな顔して調理したり食べたりするか、分かったものではありません。誠に身勝手な自分がいるでしょうね。

 そして、昨年と同じサイクルで、昨年以上に栽培面積を広げて飯島農園ではブロッコリーを栽培しています。そして昨年同様、仲間たちと人海戦術で虫取りに励んでいます。苗の背丈がまだまだ低いので、屈んで葉の裏を返し、すでに卵が産みつけられていれば擦って取り除き、虫がいれば、つまんで潰したりしています。でも、左右の畝の中央に立って、右、左、右と交互に虫取りをやっただけで、背中はびっしょりの汗。そして腰が痛くて、途中何回腰を摩りながら、腰をのばすために立ち上がったか。

 そんな作業のあいまに、間もなく就農する予定の松本さんがこんなことを言い出し、仲間たちから尊敬に似た視線を浴びていました。

「ブロッコリーの畑を見渡していて、昨年もそう思ったのですが、モンシロチョウやアゲハがひらひら飛んでますよね。農薬を使わないんだから、この虫取りも大切な作業ですが、昆虫網を全員がもって、蝶を捕獲するのも、あながち無駄なことではないんじゃないか、と。蝶もこの畑が農薬を使っていないってことが分かるのか、他所よりもずいぶん蝶の数が多いように思うの。昆虫採集用の網を同じ時間、振り回す方が、この腰にくる虫取り作業よりもずいぶんと軽くなるんじゃないか。一網打尽という言葉も浮かんでくるし、風景としても立派にのどかだと思うんですが、どんなもんでしょうかね」と。

 おお、必要は発明の母、腰痛は創意の父か。

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↑まったく巧妙ですよね。葉脈に沿って張り付いていて。でも、結構見つけやすい大きさでした。
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↑これも結構簡単に発見できてしまうほどの大きさの虫でした。
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↑尺取り虫みたいに特徴的な形をしてくれていると、なんだか張りがないって感じ。でも、これで色も葉と同じグリーンだったりすると、もうほとんど発見不能。
by 2006awasaya | 2007-10-26 19:15 | 真剣!野良仕事

【真剣!野良仕事】[49=忙人南瓜]

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↑2007.10.20に収穫してきた「打木赤皮甘栗かぼちゃ」です。加賀伝統野菜のホームページを見ると、このかぼちゃの特徴は全体が赤い皮で覆われていて、赤みが強いほど良品ということでしたが、ボクのかぼちゃはご覧の通り、オレンジの地にグリーンが象嵌されたように入っていて、良品ではないながら、なんともエクセレントな色使い!

おいしく甘い忙人南瓜
 仕事が忙しく、しばらく畑に出られないことがありました。8〜9月のこと。週1回、土曜日1日だけの出席すらままならない忙しさって、あるんです。他のメンバーが毎週、草取りやブロッコリーの世話、オクラの収穫と出荷、稲の収穫、葉もの野菜の植え付けに取り組んでいるときに、忙しいからって畑に出られないこの無念さを飯島さんに訴えたことがありました。

飯 島  無理することはないんです。野菜って、手を掛ければ掛けるほどおいしさが増すってものでもないんです。忙しくて、畑に来られない長谷川さん向きの野菜、いっぱいありますよ。
長谷川  ええ!そんな野菜があるんなら、ぜひぜひ、教えてください!

 この立ち話で、一気に楽になりました。手をかければ掛けるほど、おいしくなるのに決まってますが、ああ、なんて優しいエールを送ってくれるのでしょう。丹誠を込めて野菜作りに励んでいる方はそれなりにおいしく、形もよく、なりもいい野菜が穫れるのは至極当然として、種を播いたらほとんど手をかけずに収穫できる独立心の強い野菜があるんです。芽が出て、双葉が虫に食われない限り、順調に育ってくれる野菜。嗚呼!忙人のための野菜。

 この日、8月18日のボクの日記には、「大根と南瓜がボクに向いているらしい。飯島さんから教わった」とあります。

 この日、放置したままの畝を耕耘機で整地し、お隣の大内さん、阿部さんの助けを借りてマルチシートを敷き、大根の種を播きました。キャベツの苗を8つ植え、トンネルネットを張り、防虫対策としました。皆さんが植えていた白菜は、週一回、見回りに来ないとちょっと心配というレベルの野菜だということで、今年の冬の白菜は断念しました。そのかわり、植えればかならず花をつけ、実をつけるカボチャの苗が用意されていました。加賀伝統野菜の「打木赤皮甘栗かぼちゃ」です。
 果肉に水分が多く、カロチンを多く含み、腸内でビタミンAに変化し、目の疲れや風邪の予防に効果があると、これはあとあと、webで調べたことですが、いつもモニターを見つめて仕事をしているので、願ったりかなったりの野菜なのです。
 そのかぼちゃを今日、3つ収穫してきました。放ったらかし状態にしていたのですが、いくつも黄色い花が咲いて、このままでいくとたくさん穫れそうな予感。でも、花はたくさんつけるのですが、なかなか結実までいかなくて、「このままにしても、あまり実が大きくならないから蔓も刈り取ってしまいましょう」との飯島さんからの指示もあり、収穫と撤収。なんと3つも収穫できました。3つとも直径12センチ、450gでした。冷暗所なら3ヶ月は保つと、加賀伝統野菜のホームページに説明がありました。全体にまんべんなく赤い色をしているのがよいカボチャということが品質の見分け方で説明されていましたが、この伝でいくと、ボクのカボチャはレベル以下かも。それでもテンプラにしていただいたら、これが甘くておいしいのです。
 なお、この加賀伝統野菜のホームページにかぼちゃの名前の由来が紹介されていて、それによると、16世紀に日本に持ち込まれたおり、「カンボジアの瓜」として紹介されたのが詰まってカボチャになったとあり、「南瓜」という漢字表記に付いては、中国では南方から伝えられたので、南瓜の文字をあてていたものが、日本でもこの漢字をそのまま使用し、読みを「かぼちゃ」にしたというのです。日本語の柔軟性をうかがわせる事例ですね。
by 2006awasaya | 2007-10-21 22:37 | 真剣!野良仕事

稲の観察記録[第24回]

2007.10.21
稲の観察記録[第24回]
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安藤 いよいよご飯を炊く。少しの量を炊くときに、空き缶を使って湯煎すると上手に炊けると教えてくれた人がいたので、やってみる。水加減は、米1に対して水1.2ときちっとやり、加熱時間の方は少しいい加減にやった。30分炊き、20分蒸らして完成。A子一家と安藤一家が全員で一口ずつ食べる量しかなかったが、春から丹精してやっとできあがったご飯をおいしく頂いた。

飯島 ついにやりましたね。種まきしてから約6ヶ月です。とても手のかかることをよくやったと思います。そして、観察し、記録。とてもすばらしいものを見せてくれました。
 ところで、米という字を、合体漢字とは逆にバラバラに切り離すと八十八となります。88回の手がかかるよとも言われていますね。
by 2006awasaya | 2007-10-21 18:42 | 稲の観察記録

【真剣!野良仕事】[48=網点写真の飯島さん]

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↑2007.10.18の千葉日報に掲載された飯島さん

団塊が動き出した

 東海林さんと海野さんにお話を聞いて、それをまとめたものが千葉日報2007.10.18の50周年記念号の特集に載りました。ボクのブログ「真剣!野良仕事」を見て、千葉日報の東京支社から連絡をいただいたのが9月初旬のこと。「なんだか畑仕事を楽しそうにやっている様子がうかがえて、気になっていました。今度、団塊世代の紙面を作るので、そんな団塊の世代が農業へ関わっている姿をレポートしてもらいたいのですが、どんなものでしょうか」。そんな電話をいただき、なにはともあれ、飯島さんに相談。

長谷川 お忙しいところ、畏れ入ります。ところで、こんな企画があるんです。団塊の世代が農業に心を寄せているという電通の統計資料があって、それに基づいた取材を依頼されているんですが、飯島さん、畑のメンバーにお声をかけてもよろしいでしょうか。また、団塊の世代ってどなたとどなたでしょうか。
飯 島 いいんじゃないですか。それから、ぼくじゃ、いけませんか。年齢は57ですが。
長谷川 あのう、農業とはまったく畑違いの方という条件をクリアーすることが必要なので、農業の真っ只中にいて活躍されている飯島さんは、残念ながら今回の企画にはアウトスタンディングなんですが。
飯 島 あはは。冗談冗談。たいがいの方が条件を満たしてるんじゃないのかなあ。

 そんなおしゃべりをして、一応は飯島さんに筋をとおしてから個別にコンタクトを取りました。そしてこの企画の趣旨に理解をいただき、実名での紙面掲載のOKをいただいたのが東海林さんと海野さんでした。
 ふだんはメンバーの方々とおしゃべりを交わすことはあっても、あくまでも当たり障りのない「日常会話」です。現在ただいま、どんな職業に就いていて、どんな家族構成で、趣味はなに、人生観は、生活信条は、などなど、そんな立ち入った質問などはしなくても、ともに時間が過ごせるってのが大人ってものです。また、ときどき開かれる昼食会や竹林パーティの席で自己紹介の時間があり、ほんの断片の自己紹介で済ませていますから、おおまかなアウトライン、たとえば、「船橋駅の近くに住んでいて、仕事はこんな関係の職業に就いていて、農業への傾斜はだいたい何度くらい、今後ともよろしくお付き合いください」と、この程度の雰囲気をおしゃべりすれば、それ以上には変容しないのが大人って意味で、さらに細密な描写で説明しなくても、穏やかな人間関係が維持できるのも、この飯島農園の過ごしやすさのポイントで、このルーズでファジーな関係が気に入って毎週末に畑にやってきているのです。みな、泰然たるものなのです。
 でも、今回、そうした結界を踏み越えてボクが聞いてみたかったことは、5年後、10年後のこと。つまり、夢や憧れをどのように実現するかという一点でした。紙面ではスペースの都合で、その夢の部分は箇条書きのような一言コメントにせざるを得なかったのですが、今回の主旨は、そんなところにありました。一括りにされた『団塊の世代』にも、それぞれに夢があり、その夢を実現するための方法にも各人各様の方法がありますが、全体を俯瞰する高みに立てたとすると、眼下一望、夢の大半は田園に結ぶのではないかと、そんな予見がありました。そして、お二人ともが田園派でした。
 それは、ボクが抱いていた帰結でもありました。「田園への憧れ」とでもいったらいいのか。ボクたちの頭と言わず精神に刷り込まれている倫理は、具体的には陶淵明の詩精神というか、このフレーズではなかったのではないでしょうか。
「帰りなん、いざ田園へ 田園まさに荒れなんとす」
 中学、高校時代に読み下しでも白文でも諳んじ、困難に直面したときにはその呪縛から逃れるための呪文のように暗唱したこの一行が、同世代に共通するものだったのではないのかと。帰る先は田園しかない、と。
 東晋の詩人陶淵明は、世界遺産に登録されている廬山の麓に帰っていった8世紀の詩人ですが、その詩精神は海を越え、辺境の島国に渡り、渡るや否や当代の詩人たちを魅了し、西行から芭蕉へ蕪村へと、そして明治に入っても清廉潔白を善しとする晴耕雨読派を支え、戦後民主主義教育で鍛えられた団塊の世代の多くを虜にし、古文の時間にこのフレーズを諳んじただけでなく、現役を退かんとするいま、田園へ帰ろうとしている。すこし大袈裟ですが、そのように感じたのでした。

帰去来兮(帰りなんいざ)
田園将蕪胡不帰(田園将に荒れなんとす なんぞ帰らざる)
既自以心為形役(既に自ら心を以って役となす)

 海野さん、東海林さんが田園回帰できるよう、優しく見守る飯島さんですが、新聞に掲載された写真を改めて見直して、気がついたこと。そうか、新聞の写真って網点だったんだってこと。かえって力強い印象があります。カラー全盛の時代ですが、モノクロで、しかも網点で見る写真はこんなにも力があるんだと、妙に納得する写真でした。
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↑別に笑顔だからこの写真を撮った訳ではないんです。でも、大抵はこの笑顔。おおらかな性格が周囲の人間を癒してくれるんですね。

 そんなことを昨日10月20日(土)、畑脇に設けたテントの下で耕耘機の調整を手伝いながら、日没時間まで飯島さんとおしゃべりをしていました。
 話題は「団塊の世代がなにゆえに農業に魅せられているのか」からはじまり、無農薬で野菜を作り続けることの難しさ、そして、最近、無農薬農法というキーワードで飯島農園に入ってきた山田青年へ移っていきました。

飯 島 最近入ってきた山田さんって青年、いるでしょ。なんだかとっても面白いんだ。長谷川さん、もうおしゃべりした?
長谷川 ええ、今日のお昼、ちょうど昼食時に席が隣り合わせだったので、ほんの一言二言。で、ついつい、根掘り歯掘りしたくなって、言葉を交わしたところだったんです。ご本人に、「飯島さんから山田さんがなんだかユニークな人だって聞いたんで、こうしてひそひそ話ができる近さになったを幸い聞くんですが、どこか山の奥でひっそりと暮らしたいという夢があるんですって。その生活にはヤギかロバかを飼って暮らすってのが条件で、と、そんな風に聞いたんですが」と、こんな調子でおしゃべりしたばかりなんです。
飯 島 そうでしたか。で、話してみて、どうだったですか。
長谷川 あはは、面白かった。最近、年の若い方とおしゃべりする機会がぐっと減ってきたので、よけいに面白かった。で、ヤギじゃなく、ロバでした。山田さんが言うには、いま地球温暖化云々と言われているけど、ロバは地球環境的には大変な省エネルギー動物なんだそうです。粗食に耐え、病気にも強く、夏の暑さにも平気なんですって。いま現在、日本には300頭くらいしかいないとかで、インターネットで販売している特別値段の高いところで買うと100万円はするらしいのですが、知り合いを通じて手に入れるのであれば7〜8万円くらいであるらしい。で、山田さんはそのロバをペットとして飼うの? それとも使役用として? って聞いたら、「もちろん使役用ですね。畑の草取り、大変ですよね。畑の草はロバのえさにもなるので、このロバに草取りをやらせたら、立派に稼いでくれるんじゃないかと、そんな期待も込めて、ロバのこと、真剣に考えているんです」って言うんです。
飯 島 そう、そんなこと言ってた。どこで調べてるんですかね、いろいろ勉強家だし、面白いよね。
長谷川 で、長所ばかりのロバだけど、みんなが飼わないのにはなにかもっと大きな弱点というか、欠陥があるんじゃないのって聞いたの。そしたら、「ええ、唯一と言っていい欠点があるんです」って、あご髭をなでながら一呼吸置くのよね、山田さん。
飯 島 うんうん。ロバって言うと、ロバのパン屋を思い浮かべるけど、で、その欠点って糞のこと?
長谷川 あはは。ボクもはじめは糞のことかなと思っていたの。ちょうど食事中だったし、山田さんって案外そんなことに気を配るタイプかなって思ったの。声の調子を抑え気味にして山田さんが言うには、「ロバの糞ってウサギの糞みたいな形状で、大きさはもっと大きいんだけど、牛みたいにベッチャっとしているわけじゃない」ということでした。臭いが耐えられないほど強烈なのかと聞いてきたら、それほどでもないらしい。
飯 島 はて、なんなんだろう、ロバの欠点って。飼ったことないからなあ。
長谷川 飯島さんでも知らないことってあるんだ。それだけで嬉しくなっちゃう。先週まで風邪気味だったでしょ、飯島さん。ボクなんかはすぐに風邪を引いたりして、そんなボクを「軟弱な!」って目で見ているでしょ。ところが、鼻をぐすぐすさせている飯島さんを見て、ああ、飯島さんも人の子だってからかったことがありましたが、気分はそれと同じですね。勿体をつけるようですが、それでは正解をお教えしましょう。唯一の欠点は鳴き声が大きいことなんですって。悲鳴のような、歯ぎしりのような、何とも言えない呻き声をあげるんだということです。山田さんが鳴いてみせてくれたんだけど、その顔に見とれてしまって。真似た鳴き声はそんなにひどいもんじゃなかった。もちろん、実物はとんでもなく聞くに耐えない声なんだろうということは、山田さんの顔をおかしさをこらえながら見ていて分かったんだけど。とにかく周囲1キロに響き渡る大悪声で、これじゃあ、住宅地では到底飼えない。騒音防止条例の対象として訴えられちゃうかも。それでかどうか、山田さんの夢を実現するにふさわしい環境、つまり、山の奥で暮らさざるを得ないのかと、長谷川は理解したんです。話してみないと分からないことって、本当にいろいろありますね。
飯 島 ほんとうにそうだよね。さて、耕耘機も直ったようですから、畝の始末をしてお正月用の小松菜とほうれん草の種まき、しちゃいましょうか。小松菜は畝に筋を引いてから1センチ間隔に1粒、ほうれん草は2〜3センチ間隔に1粒播いてから、うすく土をかぶせる程度。それから、大根は先々週、2本を残して間引いてくださいって言いましたが、今日は1本にしてください。間引いた大根はサラダでもキンピラでもおいしくいただけますから食べてください。

 ああ、いい週末でした。明日の日曜日にサツマイモ掘りにくる子どもたち用に、竹林の竹を短く切って焼き芋にするたき火の準備をし、サツマイモがすぐに掘れるように畝の整理をし、マルチシートを外し、午後からは自分の区画に戻り、植わっていたモロヘイヤ2株を引っこ抜き、畝を耕耘し、小松菜とホウレンソウと蕪の種を播き、久しぶりで飯島さんともおしゃべりを交わし、ここ2カ月間続いていた仕事の忙しさからくる疲れも、これですっかりチャラ。正確に言うとプレ団塊の世代に属するボクは、田園にいるとただそれだけで癒される「安上がり人間」なんだなあと、つくづく自覚した次第です。
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↑山田さんです。ロバのことなどをきっかけにすると、年齢差を超えておしゃべりに付き合ってくれそうです。みなさんも、ロバの鳴き真似をご本人から聞かせてもらってください。  
by 2006awasaya | 2007-10-21 17:07 | 真剣!野良仕事

稲の観察記録[第23回]

2007.10.18
稲の観察記録[第23回]
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安藤 精米に挑戦する。玄米をビンに入れて棒でつつくという方法は、私が少年時代、今から50年以上も前の敗戦後の頃に我が家でやっていた方法である。その時は一升ビンを使っていたのだが、今回はお米の量が少ないので一合ビンを使ってみた。ところが3000回搗いてもほとんどヌカが出ない。ギブアップして、すり鉢と軟式野球ボールで試したところ、みるみる白米になった。

飯島 すべて、手作業は大変なものですね。精米もそのひとつ。また簡単な作業でなくても、工夫や知恵が必要で、機戒がなかった時代はこの工夫と知恵の積み重ねで賢くなっていったかと想像すると、この大変さもいい体験ですね。
by 2006awasaya | 2007-10-18 14:10 | 稲の観察記録

稲の観察記録[第22回]

2007.10.5
稲の観察記録[第22回]
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安藤 やや遅れて開花した穂を刈らずに残しておいたので、2回目の稲刈り、脱穀、モミすりをした。2回目は玄米8グラムがとれ、合計で30グラムとなった。

飯島 籾は玄米と籾殻が8:2の割合ですか、不勉強でした。籾すりも大変ですが、今度は精米、またまた大変ですよ。
by 2006awasaya | 2007-10-05 16:05 | 稲の観察記録

稲の観察記録[第21回]

2007.9.30
稲の観察記録[第21回]
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安藤 10月2日、脱穀、モミすりの作業をした。脱穀は、コップのふちを使ったり、割り
ばしに穂をはさんでひっぱったり、いろいろな方法を試してみたが、クシ(櫛)を使う方法がいちばん具合がよかった。昔、農家で使っていた「せんばこき」のミニ版である。
 モミすりはすり鉢と軟式野球のボールを使う方法が絶妙だった。ボールでこすりながら息を吹きかけてモミガラを飛ばした。一生懸命やったが、とれた玄米は22グラム。貴重な収穫である。1粒も無駄にできない。

飯島 脱穀にすり鉢とボールとは考えましたね。ビックリしました。力も使ったことでしょう。今はこの作業はすべて、機械まかせなので、えがたい体験をしたものです。
by 2006awasaya | 2007-10-01 00:43 | 稲の観察記録