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【真剣!野良仕事】[101=夏野菜を始める]

2009.4.20(月)

夏野菜を始める
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↑地面に這わせるのではなく、トンネル状に蔓を持ち上げて、空中でカボチャを成らせる。メロンと同様の手間を掛けてカボチャを作る。農家はこんな工夫で野菜作りに取り組んでいた。カボチャはボクにとってはまったく手をかけないで収穫できる代表野菜だが、専業の農家はこんなに手を掛けてカボチャを作っている。写真は「おいしい野菜通信vol.4夏号」より

 4月10日、飯島さんから下記のようなmailが畑のメンバーに配信されました。
「夏野菜の苗、18日(土)用意の予定です。お任せコースはトマト2本、ミニトマト2本、キウリ2本、ナス2本、ピーマン2本、万願寺唐辛子2本、トウガラシ2本、ズッキーニ2本、モロヘイヤ2本です。区画の3分の1を使い、おおよそ10本の2列です。昨年とは別の場所での栽培を。オーナー独自の栽培計画の注文もOKです。苗は上記のほかに、スイカ、マクワウリ、メロンなど用意しておきます。15日までの注文です。連絡ない場合はお任せコースとします。18日(土)に用意しますので、早く定植する予定を立てて下さい。おそくとも1週間の範囲で定植を完了しましょう。飯島農園」

 そこで、飯島さんに黒皮栗カボチャ、赤皮栗カボチャ、青皮栗カボチャの苗を各1本ずつ注文しておきました。何ゆえ、カボチャにこだわったのか。それは船橋農産物供給センターの年4回刊のレポート「おいしい野菜通信」で知り合った梅沢準さんが、なんとメロン仕立てのカボチャ(モノクロ写真参照)を作っていて、一度、その栽培法でカボチャを作ってみたかったのです。カボチャって、地面を這って枝を伸ばして花を咲かせ、スイカ同様に実を着けますので、実の下に藁を敷いて土がつかないように栽培するのです。そのように丁寧に管理しても、どうしてもお尻が汚れてしまいます。ところが、メロン仕立てで作ったカボチャは、お尻もきれいなんです。

 さて、いよいよ夏野菜のスタートです。飯島さんからmailをいただき、カボチャ3種を追加注文し、その翌日の4月11日、区画全体に堆肥を入れ、トラクターで畝ってから畝を3列に作り直し、その1/3にマルチシートを掛け、4×30穴にエダマメ(湯あがり娘)の種を播きました。そして、1週間を置いて4月19日(日)、畑に行って夏野菜の定植をしようと、エダマメ畝に目をやったら、なんと、双葉を出しているじゃないですか。ああ、春ですね。ウグイスたちのさえずりも上手になって、いい音楽を聴きながらいい環境でスクスクと育っています。
 ところが、エダマメの畝をよく見ると、120穴の内、10穴で鳥に喰われています。5穴でシンクイムシと思われる喰われ方をしています。約1割の被害でこの時期を乗り越えてくれれば、先週報告した通り、苛めて育てることができそうです。
 定植を始めようとしていたら、飯島さんが現れて、「みなさーん、集まってください。注意点のいくつかを説明します」と大きな声。万願寺唐辛子とズッキーニ、モロヘイヤは手配がつかず後日の定植となりましたが、こんな多品種を定植するのは、さすが夏野菜の時期が来たんだなあと、実感します。
「その1。お日様がよく当たるように、配置してください。
 その2。苗には水をたっぷりとあげてください。でも、定植を済ませたら、そこには水をやらないでください。家庭のプランターなどでは葉っぱがしんなりしてきたら水をやるでしょうが、畑ではほとんど水をやらなくて構いません。たえず水を求めて根が探しまわるほどの状態にしておかないと、おいしいやさいにはなりません。なにもせずに栄養も水分もすぐに取り込める環境は、野菜に取ってはあまり好ましくないんです。いつも喉が渇いていて、ああ、水が飲みたいって状態にしておくと、おいしい野菜になるんです。いいですか」と、飯島さん。
 これは野菜の名を借りた教育論だなあ。ま、夏野菜たちよ、甲子園球児のような、額に汗して頑張るたくましい野菜に育ってほしいものだ。

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↑この図を見ながら自分の畝に定植です。ええと、南はどっちだったっけ。苗を確認していた金子さんに聞くと、腕を伸ばして、「あっちですよ」と自信ありげ。ボクが思っていた南西方面を指し示す。約25度くらいの誤差がある。それじゃあ、北は? 「あっちです」と、ボクが考えていた北東方向を指差す。とにかく、この図がよく分からない!
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↑苗の中から、自分のお任せメニュー分と、カボチャを選んでベンチに並べてみる。これがお任せのメニュー。あれれ、カボチャが1種類しかない!あとで、飯島さんから「赤皮と青皮が見つけられなかったので、とりあえず黒皮だけです。それと、満願寺唐辛子、ズッキーニ、モロヘイヤも間に合いませんでした」と説明がありました。
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↑どれもこれも似たような苗ばかり。そこで、ベンチに並べた苗をスケッチしておきました。それにしてもピーマンとシシトウとトウガラシはほとんど区別がつきませんね。このスケッチと実際の苗をもって、自分の畝に移動します。
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↑それぞれの野菜が成長した姿を想像しながら、お互い同士の間隔を決め、その位置に苗を置いて確認。手前左からくの字にトマト(桃太郎ファイト)、ミニトマト、ミニトマト、キュウリ、水ナス、ナス、ナス、黒皮甘カボチャ、ピーマン、トウガラシ、シシトウ、トウガラシの順。一番先にはモロヘイヤ用に大きなスペースを空けてあります。モロヘイヤはこんもりと繁るので、シシトウやトウガラシに覆いかぶさらないよう、成長した姿を頭に描いて、スペースを取っておきました。さて、穴を穿って定植開始。
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↑手前のマルチシートはエダマメの畝。1週間で双葉が出ています。その右となりの畝が定植を済ませた畝。いちばん左の畝にはタマネギが植わっているので、マルチを掛けていません。
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↑タマネギの植わった畝には、この蔓なしカボチャ『オーラム』が芽を出しています。このオーラムとガーデンレタスを播いてあります。オーラムはつるつるの黄色いキューリみたいな輸入野菜で、ガーデンレタスは筋蒔きにし、随時収穫していくつもり。
by 2006awasaya | 2009-04-20 11:46 | 真剣!野良仕事

【真剣!野良仕事】[100=エダマメは苛めて育てる]

2009.4.15(水)

苛めて育てる!
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↑館山湾の北に武骨な腕を突き出したような大房岬。その周囲をぐるりとカヤックで漕ぐ。穏やかな湾とはいえ、風が強いと難儀する。手前のカヤックに三男舜太、妻の広子、その向こうのカヤックにいとこの諒が乗って、懸命に櫂を漕いでいる。
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↑高山さんにいただいた大きな鉄製イワンボ。これくらい大きな鉛製のイワンボは見たことがあるが、鉄製のイワンボは初めて見た。掌に乗る3つは陶製のイワンボ。イワンボとはおもに房総周辺の方言で、近海物の刺し網の錘のこと。今回いただいたイワンボはこの大きさで286個。思っても見ない大漁だ!

 最近、忙しくしていることもあって、自分のブログもなかなか更新できず、気がついたら3カ月も手つかず。
 3カ月というと四季のうちの一季分にあたる。嗚呼、無為無策。
 大変に難しいことながら、もしも勤勉に精を出し、畝をきれいに整理して、小松菜でも大根でも落花生でも、3カ月あれば収穫の喜びにうちふるえている頃なのに、嗚呼。
 そうそう、海への思いも拭い難く、高速料金が週末に限り1000円になったことを味わいに、「おーい、待ってるぞ」という南房総からの呼び出しに、素直に応じるボクなのです。
 先月も、妻が、今度中学生になる従弟の諒をつれて館山のシーカヤックツアーに参加したんです。ボクは肘が痛くて不参加。そのかわり、海辺でイワンボ拾い。おかげで高山さんというワカメ漁師さんとも知り合いになり、ひょんなことからイワンボ話に。
「いつもは岩井袋で拾うんですが、なかなか見つからなくて」とぼやいたら、
「あれれ、そうかね。それはそうと、あんなもん、どうすんだ。うまい利用の仕方、あんのかい? つい2カ月くらい前に、千倉のほうにいる人が欲しいっていうんで、俵で2俵分くらいあったかなあ、あげちゃったばかりなんだ」というんです。タッチの差です。
 ボクが余程に悔しそうにか、無念そうにか、とにかく名状し難い表情をしていたからでしょうか、高山さん曰く、
「まだどこか探せば出てくると思うよ。こんど探しておくから。出てきたら連絡すっから、携帯の電話教えて」なんて優しく肩叩かれて帰ってきた翌日、高山さんから電話。
「ワカメの高山です。あれから納屋を探してみたら、300くらい出てきたよ。いつでも取りに来なよ。女房に長谷川さんのことは言っておくから」と。
 ありがたいことです。もう、仕事どころではありません。週末になるのも待てず、車を飛ばしていただきに上がりました。あいにく高山さんは漁に出ていて不在。奥さまにお礼を言っていただいてきました。自宅に帰って、水洗いしながら数えてみましたら、なんと、286個。ああ、海はいいなあ。海の男はいいなあ。

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↑この畝で苛めながらエダマメを育ててみよう。ウサギと鳥除けに、四隅にヒモを張って注意喚起のつもり。
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↑飯島農園のハウスで芽を出したエダマメ。昨年は「湯あがり娘」がいちばんうまいと言っていたが、今年も「湯あがり娘」がいちばんだと飯島さん。この苗を植えたのがお隣の小林さん。

 そんなこんなで、たまに畑に顔を出すと、やはり畑は畑で新鮮ですね。ウグイスが啼き方の練習に熱中していました。この時期のウグイスって信じられないくらいヘタクソで、「ホーホケキョ」なんてすんなり啼けず、「ホー、ホケ、ホケ」と、吃ってしまうのもいれば、「ホーホケキョケキョケキョケ、キョ、キョ」など、出だしよくてもうまく締めくくれずに息切れして途方に暮れているのもいて、舞台稽古の楽屋裏に居合わせたようなバツの悪さを感じたりしながら、一輪車で堆肥を入れて、飯島さんにトラクターで畝っていただいたのが先週のこと。
 一週置いてマルチを敷いて、一穴に「サッポロミドリ」を2粒播きました。お隣の小林さんは「湯あがり娘」を苗から植えて、トンネルも掛け、いつもながらに丹誠こめた仕事ぶり。
 ところが、飯島さんとおしゃべりしていると、こんなことを言うんです。
「長谷川さん、エダマメやるんですって。畝はきちんとできていますから、いいエダマメができるはずですが、ご存じでして? エダマメは苛めて育てるって」
 ええ? 苛めるって、嫌だなあ、苛めるのって。
「麦踏み、やったことないでしょ。麦も苛めて育てるんです。しっかり踏みつけてやらないと、たおれっちゃう。同様に豆ものも苛めて育てると、おいしくなるんです。モノを見て、過保護に育てるのがいい場合と、そうではなくて、苛めて育てるほうがいい場合とがあるんですわ」
 ああ、久しぶりに聞きました、『飯島節』を。
 で、どんな風に苛めるのだろう。
「エダマメの場合、定植作業それ自身が苛めて育てることに当たる。露地に実生でそのまま育てるよりも、植え直す際に根が切れたりするでしょ、それが苛めることなんです」
 定植作業が苛めるってことなんでしょうか。
「そう。きっとうまいエダマメができると思いますよ」
 品種によってさまざまな対応を取っていかなくては行けないとは、いやはや、難しいものである。お隣の小林さんの、きれいに掛けられたビニールのトンネルを覗くと、マルチシートの穴には苗の状態でエダマメがもうしっかりと根付いていた。
by 2006awasaya | 2009-04-16 14:09 | 真剣!野良仕事