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【真剣!野良仕事】[180=スイカ・メロン プロジェクト1]

2012.5.31(木)
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↑5月27日に撮影した大玉スイカの雄花。花の色はカボチャもキュウリもスイカもメロンもみな同じウリ科なのでイエロー系です。

今年も「スイカ・メロン プロジェクト」開始!
 昨年、畑のメンバーの一人、Tさんに誘われるまま、スイカとメロンづくりをはじめました。
 たくさん収穫して、夏場の蒸し暑い時期に被災地にこの水果を送り届けて、暑気払いでもしていただければと言う存念で、Tさんのほか、檜山さんに小関さん、それにボクの4人で初めてのスイカづくりに取り組んだのでした。スイカ栽培は初めてで、どれが親蔓でどれが子蔓か、まったく分からない渾沌状態となってしまった割には収穫は予想を超え、第1便は7月31日に、大玉のスイカ11玉を収穫し、その他の夏野菜と絵手紙を同封して、飯島農園と付き合いが深い陸前高田に送ったのです。以降3便まで送付し、昨年は終了しました。
 今年も同様の主旨で大玉スイカの苗20株に加えてプリンスメロンの苗13株、ネットメロンの苗3株、それに鳥害を受けにくいと言われている黒玉スイカの苗5株を4月28日(土)に定植したのです。それから1カ月が経過した5月の第4週目、親蔓と子蔓が一斉に延び始めましたので、親蔓の先をカットして子蔓を3〜4本延ばし、この作業を整枝といいますが、3〜4本の子蔓を延ばして開花を待ちます。
 そうして翌週、ともに黄色い雄花・雌花が咲き始め、5月29日、スイカ5、マスクメロン1の受粉完了。この週は一斉に咲きはじめる雌花への受粉作業に追われる一週間となります。
 昨年より2週間程度、成長が早いようです。
 明日、6月1日(金)の早朝、ボクが受粉担当となりますので、受粉した雌花を写真で紹介することにしましょう。雄花と雌花の違いについても、その折に説明することにします。

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↑5月6日に撮影したスイカのトンネル内の様子です。定植を終え、ずんずんと葉と蔓を延ばしている様子が窺えます。
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↑5月26日に撮影したスイカのトンネル内の様子です。摘心(親蔓を摘んで子蔓を延ばし始めたトンネル内の様子です。
by 2006awasaya | 2012-05-31 23:51 | 真剣!野良仕事

【真剣!野良仕事】[179=畑はアーティストで満ちあふれていた]

2012.5.30(水)
エカキムシの天衣無縫にホレボレ


 新国立のセザンヌに行った折りの感想は、「うーん、なるほどなるほど、油絵の具の量感は確かに凄いけど、待てよ、先週、畑で目にしたエカキムシの天衣無縫も、量感こそないものの、これはこれでマネのできないタッチだなあ」と、そんな感想をもちましてね。
 スナップエンドウの畝には、収穫を待つサヤが風に揺れていて、一つ二つと手に取って見ていたら、根元に近い葉に、ナスカの地上絵に似たシロヌキの線画を発見。誰もが知っているサルやハチドリのような明瞭な具象との置き換えができる絵柄こそありませんが、渦を巻くサルのシッポくらいはここにも、あそこにも散見でき、「おお、ハチドリの尾翼なら、ほらここに。さすが絵描き虫の異名を持つだけに、凄いじゃないの」と、感嘆しながら2列ある畝の葉をことごとく見て回り、デジカメで撮ってきました。押し合いへし合いの美術展会場とはまったく異なり、エンドウの葉を鑑賞しながらつくずく感じ入ったのは、「畑には、隠れたアーティストたちが充満している」ってこと。
 農家にとってエカキムシはまったくの嫌われ者です。が、まことに不謹慎ながら、エカキムシの線画は、これはこれで凄い才能だということを発見したのでした。
 エンドウの畝にはクレーがいたりマティスがいたりピカソがいたり、そうそう、北斎もいて、線香花火で遊んでいる夏の夕涼みの歓声が聞こえてきたり、秩父椋神社の竜勢を遠巻きではなくすぐ間近で見上げるアングルが用意されていたり。所詮は見立てに過ぎませんが、畑には隠れたアーティストがいっぱい潜んでいるって感じ、しませんか?
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↑北斎の神奈川沖波裏のあのダイナミックに砕ける波に、似ていませんか。
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↑シュッシュとはかなく閃光するか細い線香花火に、似ていませんか。
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↑秩父椋神社の例祭、農民ロケットとして知られている竜勢の光跡に、似ていませんか。
by 2006awasaya | 2012-05-30 20:39 | 真剣!野良仕事

【真剣!野良仕事】[178=おいしい野菜公園東屋完成!]

2012.4.27(日)
一夜にしてコトを為す

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↑どうです、いい雰囲気でしょ。遮光屋根、および構造力学的見地からも耐震性能を感じさせるシンプルな掘建て柱竹組構造。屋根部の梁を支える部材がどこか神社建築を思わせる。出雲大社本殿も、原初の姿は案外、こんなシンプルな造りだったかも知れない。その後、対岸の朝鮮半島から渡来した集団の、建築に長けた職能が換骨奪胎しつつ、基本構造はそのままにリビルトし、その後、数世代の後、周辺豪族の守護神と祭り上げられ、雲を衝く十六丈、約48メートルの巨大神殿となったのは公知の事実として、その始まりはかくシンプルな形状と構造だったにちがいない。そのようにして見ると、メインの棟に堅魚木(かつおぎ)こそ揚がっていないものの、千木(ちぎ)は地に対して垂直に切られていて、まことに趣深い造りとなっている。


 むかしから「一夜漬け」「一夜城」など、「一夜にしてコトを為す」ことに関心があり、もしも一夜にしてコトを為すことに賛成なりや、反対なりやと問われれば、ワレ賛成スと支持する気分を濃厚に持っていました。

 ともすると「急拵え」「粗製乱造」というイメージが表立って、眉間にシワを寄せて不埒な考え方そのものだと主張する慎重派、丁寧派、時間無制限派からのムチ撃ちに脅え、親和の手を差し出す前からすでに腰は引け、どうにも勝負の場面にさえ持ち込めずにおりました。

 それでも一夜にしてコトを為すことの魅力には勝てず、昨年、その憧れの地、小田原の一夜城址を訪ねたことがあります。小田原厚木道路の小田原西インターで下り、新幹線の高架下手前で右折して小川を渡り、急勾配の林道を道なりに高度を上げると、そこが国の史跡に指定されている石垣山一夜城歴史公園でした。

 広々とした駐車場から展望台まで、歩くこと15分ほど。展望台への道々に立つ案内板の説明を読みながら、築城のために動員数4万人と80日が費やされたことなど、発案から完成までの工程表の周到さにはただただ叩頭脱帽するほかありませんでしたが、展望台からの眺望はまことに胸のすく風景で、樹の間越しに小田原城と市街地が見下ろせ、周囲に人影もありませんでしたのを幸い、呵呵と、太閤笑いをしてみました。

 北条側には一夜にして姿を現した驚愕脅迫の一夜城だったのでしょうが、秀吉サイドでは綿密なスケジュールを作り、一気に完成形に上り詰める集約集積のノウハウと段取りは、今様の表現で言えばシステムインテグレートそのものなのでしょう。

 それにしても迂闊でした。先週来、おいしい野菜公園メンバーの阿部さんと井上さんが竹林でひそかに進めていた資材調達作業が、2週間の間を置いて飯島農園の作業小屋近くに忽然と姿を現し、ボクには長く憧れの地であった石垣山一夜城を見る思いで、あんぐりと口を開けて眺めてしまいました。ここ1カ月、ボクは米づくりに熱中するあまりに、竹林でこのような篤き思いが醸成されていたことに気付かず、どこか小田原北条サイドの驚愕にも似た間抜けぶりでこの東屋を見入っていました。

 竣工間近の東屋脇で、阿部さんと井上さんにほんのりとお話を聞いてみました。

長谷川 いやはや、阿部さん、井上さん、お疲れさまでした。それにしても、これから熱い夏がくるので、日差しを遮る休憩所ができたことは嬉しい限りですね。
阿 部 そうでしょ、そうでしょ。みなさんも暑さだけはイヤだなって、そう思っているのは分かってましたし、第一、これから本格の夏に向かって、自分自身もやっぱり暑さがしのげる場所が欲しかったんです。お昼のお弁当を開く場所は、畑が見えて広々したとこがいいでしょ。竹林は涼しいですが、蚊も多いし。
長谷川 今年の総会で本年度計画案に、こうした休憩所づくりは案としてありましたよね。
阿 部 あの案では資材費など結構お金が発生するので、着手するまではなかなか手続きも面倒だし、飯島さんに負担も強いることになる。できればお金をかけず、時間的に余裕のある方が知恵と労働を寄せればなんとかなると、そんないい加減なスタートなんです。仕上がりもにわか仕事ですし。
長谷川 あはは、おそろしく緻密で価値アリの「いい加減」ですね。にわかとおっしゃいますが、頑丈にして優美ッて感じがしません?
阿 部 どこが優美?
長谷川 屋根を黒い遮光シートで葺いているのはおいしい野菜公園にはぴったりですが、その屋根を支えている天井部分の梁が緩やかなアールがついていましょ、その曲線が優美だなって。
阿 部 あの部分は井上さんの発案なんです。実にいい感じの優しさでしょ。
長谷川 この丸太のイスも、いかにも雰囲気ですね。
阿 部 これ、午前中に飯島さんが新規で借りている山口の畑に立っていた立ち木なんです。それを飯島さん、坂本さん、井上さん、それに私はただ脇で見ていただけなんですが、そうそう細谷さんが車についているワイヤーで引っ張りながら切り倒したんですが、それをカットしてここまで運んで。ほんとうに大変でしたよね、井上さん。
井 上 まったくシンドイ作業でしたね。
阿 部 長谷川さん、コレコレ、これなんです。携帯で撮ってきたんですが、立ち木を倒すのって、ほんとうに大変な作業。

 こうしたおしゃべりを文字にすると、阿部さん、井上さんの人となりをご存知ない方には、「あれ、井上さんはどこにいるの? 井上さんのもっとしっかりした発言は記録しないの?」と思われるかもしれません。ここでちょっとした注釈を加えると、阿部さんはおばさん気質のヒト(ああ、この喩え、阿部さん、お許しください。ただ単に『おばさん気質=おしゃべりが大好きな』という意味で使いました)で、しかるに、おしゃべりがとても面白い。一方の井上さんはと言うと、典型的なおじさん気質。阿部さんが気持ちよくおしゃべりしているその気分をさえぎってまで発言するに及ばずという謙虚で温厚な人柄であり、悠揚迫らぬ表情で、阿部さんのすぐヨコでにこにこしながら自分の肩をもんでいる。気をもむ風情はまったくありませんが、そうした表情の実況までは無理なので、ご容赦ください。

 とにもかくにも、この東屋完成で、この夏の昼食がおおいに楽しみになってきました。
 とりいそぎ、ご報告まで。
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↑前日の土曜日、天井と骨組みがほぼ完成形に近づいた東屋と、ひょっとしたら利用第1号の大内さん。
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↑作業を急ぐ井上さんと阿部さん。センターにテーブルが据えられ、囲むように丸太のベンチがセットされた。
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↑いやあ、お疲れさま! 阿部さんに井上さん。このアングルからだと、千木が地面に対して垂直に削がれていることがよく分かる。なお、ものの序での蛇足ながら、出雲の神社建築様式では、地面に対して垂直ではなく、水平に削ぐ千木は神魂(かもす)神社に見られ、こちらは女神を祭神としている。
by 2006awasaya | 2012-05-28 14:16 | 真剣!野良仕事